納骨はいつまでにすべき？一般的に多い時期や手順についても詳しく解説

納骨は、基本的に遺骨を保管する人が自由に時期を決められます。そのため、「いつまでに必ず納骨を終えなければならない」という決まりは存在しません。

しかしいつまでという具体的期限がないとは言え、一般的には四十九日や一周忌、百箇日や三周忌などの法要のタイミングと一緒に行われることが多くなっています。そのようにすることで、参列者の負担が少なくなると考えられるからです。

ここからは、納骨が行われやすい時期について解説します。

納骨が一般的に行われやすい時期として代表的なのが四十九日です。四十九日とは人が亡くなった日から数えて49日目のことで、霊となってこの世とあの世をさまよっていた48日間が終わり、極楽浄土へ行ける日という意味があります。

亡くなって初めての法要時期でもあるため、親族などが集まりやすく、納骨の時期としても適していると言えでしょう。

ただしこの場合、新規でお墓を建てるスケジュールには間に合わないため、すでにお墓の手配が済んでいる方向けになります。

四十九日が済んで初めて迎えるお盆である初盆（新盆）も納骨の一つの目安です。初盆は親戚や友人が集まることが多い法要ですが、家族だけで行う場合でも納骨を一緒にすれば手厚く行えるでしょう。

ただし、初盆時期は寺や住職が忙しい時期に重なりやすいため、早めに相談して日程を確認することが大切です。

なお、四十九日前にお盆を迎える場合は翌年のお盆が初盆となるため、時期が空きすぎるのが気になる人も中にはいるでしょう。

納骨の時期に百箇日法要を選ぶ人もいます。百箇日は命日から数えて100日後のことです。四十九日や一周忌に比べ認知度が薄い場合もありますが、この時期なら「忌明けから時間が経って落ち着いて納骨できる」という考え方もできます。

また、新しくお墓を建てる場合も百箇日での納骨はおすすめです。墓地選定などで家族との話し合いが必要なため時間がかかるからです。お墓が建つタイミングで納骨できればバタバタせずにできて良いでしょう。

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亡くなった日から満一年の命日もしくはその付近で行う「一周忌法要」も納骨時期に選ばれています。四十九日では気持ちに整理が付かなかったり、百箇日にも納骨に必要な手配が間に合わなかったりする場合、一周忌はちょうど良いタイミングだという人が多いからです。

また、新しいお墓に墓石を彫って一からつくる「一般墓」を選んだ場合も一周忌法要の納骨がふさわしいでしょう。お墓が出来上がるまで時間がかかるほか、家族で相談する時間も必要になるからです。

一般的な納骨の時期は把握できたけれど、納骨そのものを急いで行う気持ちになれない人は、亡くなってから丸2年目の命日である「三回忌」を目安にするのも良いでしょう。（亡くなった日を1回目の忌日と数えるため2年目が三回忌となります）

気持ちの整理が付くまで、自宅で遺骨を保管しておきたいと考える人や、新規で建てるお墓について時間をかけて相談してから決めたいという人にも、三回忌法要の時期が多く選ばれています。

火葬した遺骨をお墓に納骨するには「埋葬許可証」が必要です。火葬後、火葬許可証が返却される際に「火葬済」印が押され、火葬終了日時が記入された状態になったものが「埋葬許可証」と同義の書類となります。

埋葬許可証は納骨する墓地や霊園の管理者に渡さなければならない重要な書類です。なお、埋葬許可証は原則として返却不可能で原本のみを使用します。分骨の予定がわかっている場合は、あらかじめ火葬場に伝えて2通以上発行してもらうなどの手続きが必要です。

出典：死亡届について｜台東区

納骨でお墓に遺骨を入れるためには、「墓地使用許可証（もしくは永代使用書）」という霊園が発行する証明書が必要になります。これは希望する墓地区画へ申し込んだ後、入金確認が済むと発行される書類であり、正式な契約者がお墓を建てる証明になります。

この書類は、納骨だけでなく墓石工事の時にも必要です。何度か使用する場面が出てくることもあるため数通コピーしておくと良いでしょう。発行は火葬証明証同様、自治体によって行われます。

塔婆は卒塔婆とも呼ばれ、お墓の後ろに建てる文字の入った縦長の木の板です。表面には「空・風・火・水・地」を意味する梵字と戒名、経文などが書かれ、裏面や下部には建立者氏名や日付が入ります。

塔婆は供養のシンボルであり、故人への礼儀としての役割りだけでなく建てた人の「徳積みを重ねる」ともされています。

塔婆建てにかかる費用は、1本あたり3,000～10,000円程度の場合が多いですが、わからない場合は菩提寺の住職に問い合わせしましょう。

納骨の際には、読経への謝礼として「御布施」を渡しましょう。御布施を入れるための封筒には、御布施と書かれたものもしくは郵便番号を書き込む印刷のない真っ白な物を選びます。

文字は薄墨ではなく黒墨で書き、袱紗（ふくさ）に包んで持参しましょう。いずれも宗派によって相場や作法には違いがあるため、不安な場合は年長者に相談してみるのもおすすめです。

納骨をする時には、故人の遺骨をどこに埋葬するのか決めなければなりません。お墓自体持った事がなく、初めてお墓を建てる場合には家族や親族で話し合い、お寺や霊園をいくつか見学してから決めることをおすすめします。

納骨式を早めに行う流れになった場合や、急な不幸でお墓が間に合わない時などは、寺院や霊園、葬儀社などに遺骨を一時的に預けられる「預骨」と呼ばれるシステムを利用することも可能です。

つぎは「埋葬許可証」をとります。この埋葬許可証はもとは「火葬許可証」という書類です。火葬当日に火葬場に火葬許可証を提出すると火葬場の印を押したものが返却され、印が押されて「埋葬許可証」になります。

葬儀社の人が死亡届手続きを代行した場合は、火葬許可証をそのまま預かっているケースも多いため確認しておきましょう。

埋葬許可証は紛失しないようにという配慮をこめて、骨壺用の桐箱に入れて返却されることが多いです。お寺に提出するまで紛失しないように気を付けましょう。

遺骨を納骨する際には、僧侶に読経してもらい法要を行う日（納骨日）を決める必要があります。納骨日をいつにするのかは、遺族で相談して決めます。

おもな法要と同時に納骨式を行うのか、別の日にするのか、火葬場が休みの日（葬儀を避ける友引が多い）に当たらないか、納骨堂を開ける作業を依頼する石材店のスケジュールは大丈夫かなどの確認も大切です。

また、納骨には縁起の良し悪しにこだわる必要はありませんが、地域の風習や先祖代々のこだわりなどで意見がわかれる場合もあるため注意しましょう。

納骨日が決まったら、参列者への連絡として案内状を手配します。内容は納骨式の日時と場所がわかりやすく書いてあれば大丈夫です。納骨式は葬儀とは異なり、ごく親しい関係の方や身内のみで行うことも多くなります。

しかし家族だけで納骨式を行う場合でも、いらぬトラブルを未然に防ぐために親戚や友人にはあらかじめ声をかけておくことをおすすめします。

納骨日当日に僧侶に渡す謝礼である「御布施」、故人への「お供え物」等を準備しましょう。

御布施は3～10万円程度が相場ですが、さらに「お車代」5,000～10,000円、「お膳料（住職が納骨式後の会食を辞退された場合）」として5,000円程度を包んで渡すことも多いです。

お供え物はお菓子や果物、日本酒などを用意するほか、お供場所のスペースを考慮しながら準備してください。

なお納骨式会場ではお供え物の持ち帰りを指示されることが一般的です。個包装で分けやすく日持ちする、持ち帰りしやすいものを用意しましょう。

納骨の際、お墓も新しく建てた場合には「開眼・納骨法要」も執り行います。開眼法要の際は、お墓の掃除と祭壇の用意や、白い布をお墓に巻くなどの作業があります。石材店が手伝ってくれることが多いほか、わからないことは質問できるため安心です。

除幕後に僧侶の読経が行われます。読経が済んだら御布施を渡してください。納骨式の謝礼とともに渡す場合は、同額もしくは開眼供養の謝礼を多めに包みます。