四十九日法要の引き出物とは?香典返しとは違う?料金相場や選び方、熨斗や表書きを解説
・四十九日法要の引き出物とは?香典返しとは違うの?
・四十九日法要の引き出物の料金相場は?何がいい?
・四十九日法要の引き出物マナーとは?包み方は?
四十九日法要を営む時、施主は引き出物を参列者に準備します。
これは四十九日法要で参列者からいただいた香典や供物・供花へのお礼です。
そのため四十九日法要の引き出物と香典返しは、また別のものとなります。
本記事を読むことで、四十九日の引き出物とはなにか?香典返しとの違いや準備の仕方、熨斗(のし)や表書きなどの包み方マナーが分かります。
四十九日法要の引き出物とは?
◇四十九日法要のご香典や供物へのお礼の品です
四十九日法要の参列者は、故人の葬儀にも参列された人がほとんどでしょう。
けれども四十九日法要に参列した時にも、ご香典や供物、供花などを持参されます。
四十九日法要の引き出物は喪中に贈るため、後々残らない「消耗品・消えもの」が基本マナーです。
例えば海苔やお茶などの他、個包装の渇き菓子、日用品ではタオルなどがあります。
・四十九日法要の準備とは?いつから始める?何を用意する?呼ぶ範囲や、お布施の金額は?
引き出物と、香典返しの違いは?
◇「香典返し」は、通夜や葬儀でいただいたご香典へのお返しです
「香典返し」はお通夜やお葬式や四十九日までの忌中にいただいたご香典(御霊前)へのお礼の品であり、喪主は四十九日の忌明け後に郵送にて送ります。
ただ近年は、お葬式当日にお渡しする「当日返し」が広まり、四十九日法要の引き出物と混合する人がも増えました。
どちらも贈るタイミングが同じで間違えやすいですが、それぞれお礼の対象が異なるため、失礼のないよう準備をしましょう。
四十九日法要の引き出物;費用相場
◇一般的には約3,000~5,000円ほどです
四十九日法要の引き出物に明確な費用相場はありませんが、一般的には約3,000~5,000円ほどで準備をする施主が多いでしょう。
ただ四十九日法要後に振る舞う会食(仕出し弁当)の費用によっても異なります。
四十九日法要の引き出物は、いただくご香典の約7割~8割ほどとされますが、参列者のご香典は約5千円~1万円ほどと想定し、一律で事前に準備するものです。
●会食費用と合わせて、約1万円ほどに調整するのがおすすめです。
会食を振る舞わない場合、引き出物の値段を少し高く設定しても問題ありません。
その場合、約4,000~8,000円程度の引き出物を用意すると良いでしょう。
お供えをいただく前には、事前に親族や詳しい方に地域の「お供えの相場」や「引出物の定番」について聞いておくと安心です。
香典返しの料金相場
◇香典返しは、半額返しのマナーがあります
一方、香典返しは一般的にいただいたご香典の「半額返し」が基本マナーです。
香典返しはご香典の金額に応じて準備します。
ただ亡くなった人が家族の大黒柱で、遺された家族の将来が心配される場合は、半額返しにこだわる必要はありません。
また地域によっての違いや、ご香典金額が大きい場合には1/3返しもあります。
近年増えた香典返しの当日返しでは、施主もご香典の金額が分からないうちから香典返しの準備をするため、全員一律に準備をすることになるでしょう。
香典返しと引き出物は料金も違う?
◇香典返しは、いただいたご香典に応じて準備をします
なお本来、香典返しは四十九日法要の引き出物とは異なり、いただいたご香典の金額に応じて準備するものです。
<香典返しと引き出物の違い> | |
①香典返し | …いただいたご香典の1/2~1/3の品を選ぶ |
②引き出物 | …一律で約3,000円~5,000円ほど |
一方で四十九日法要の引き出物は参列者の法要に対するご香典へのお返しで、引き出物の相場は一般的に約3,000円~5,000円ほどとされています。
・四十九日法要の費用相場はいくらくらい?内訳項目や、納骨式を一緒に行う費用目安も解説
四十九日法要の引き出物の選び方
◇四十九日法要の引き出物は、長く残らないものを選びます
四十九日法要の引き出物は弔事として「哀しみが長く残らない」として、後々まで長く残らない消えものの他、かさばらず重くない日用品も多いです。
<四十九日法要の引き出物;選び方> | |
①広く喜ばれる | ・好みが分かれるものは避ける (誰からも嫌われないもの) |
②持ち運びしやすい | ・お持ち帰りいただくことが前提 ・紙袋に入れても形が崩れない |
③長期保存できる | ・長期保存できる ・暑さの影響を受けない |
④個別包装 | ・手が汚れない ・衛生面 |
⑤しきたりに合ったもの | ・消耗品 ・消えもの (タブーを避ける) |
また四十九日法要の引き出物は、お店で「法事用で」と伝えると対応してくれますが、基本的に弔事の包装を選びましょう。
例えば、華やかな赤やピンクの色で包装するのは失礼にあたります。
グレーや青系など寒色を使った弔事の包装を選びましょう。
準備する数の目安
◇参列者の数よりも多めに用意をします
通夜や葬儀とは異なり、四十九日法要の引き出物は予め、施主がご案内して参列いただくため、引き出物の数を決めやすいでしょう。
・僧侶にもお渡しする
四十九日法要の引き出物の種類や、地域の習慣によって異なります。
ただ僧侶にお渡しする分や、予想外の人々に配慮して、少し余分に準備しておくことをおすすめします。
引き出物の種類
◇複数の品を用意することがあります
四十九日法要の引き出物は、ひと品だけを用意しても構いません。
ただご夫婦が多い場合など、金額を考慮して2品以上を用意することもあります。
一般的には1品がよいとされていますが、状況に応じて臨機応変に準備をしましょう。
四十九日法要の引き出物タブー
◇仏教でタブーとされるものは避けます
また仏教の観点から、四十九日法要の引き出物には選ぶ品にタブーもあります。
例えば四つ足や生魚など、殺生を伴う食品は好ましくありません。
また慶事や神事で使われることが多い日本酒や鰹節ですが、これらも仏教の弔事では、殺生を連想させるなどの理由で、適切ではありません。
四十九日法要の引き出物で人気の品は?
◇個包装のお菓子やコーヒーなどの嗜好品、海苔などが人気です
具体的には、個包装の渇き菓子を中心としたお菓子をはじめ、コーヒーや紅茶などの嗜好品、洗剤や石鹸のような日用品、調味料や海苔などがあります。
最近ではカタログから好きな商品やサービスを選べるカタログギフトも一般的です。
お菓子
◇個包装の渇き菓子は、子ども世帯が多い時に適しています
消費期限が長く、長期保存できる焼き菓子などの詰め合わせはおすすめです。
さらに個包装されていると、大勢でも分けてシェアしやすく、さらに便利でしょう。
なお四十九日法要の引き出物は弔事の贈り物です。
明るく派手なパッケージのお菓子はできるだけ避け、落ち着いたパッケージのものを選ぶことをおすすめします。
紅茶・コーヒー
◇紅茶やコーヒーは長期保存が可能です
長期保存ができる紅茶やコーヒーなどの嗜好品は、忙しい方にもゆっくり楽しんでいただけます。
・ドリップコーヒー(粉末タイプ)
このような商品は特別な器具も必要なく、手軽な点でも参列者からの評価が高い品です。
故人が生前に紅茶やコーヒーを好きだった時には、感謝の気持ちを込め、故人が生前に好きだったブランドの紅茶やコーヒーを贈るのも良いでしょう。
洗剤・石鹸
◇哀しみを洗い流す洗剤や石鹸も適しています
弔事において洗剤や石鹸などは「悲しみを洗い流す」という意味が込められています。
しかも日常の洗濯や洗い物に活躍する、実用的なアイテムとして、幅広い年齢層に喜ばれるでしょう。
ただ内容量によっては、持ち運びが大変になることもあります。
重たくなりそうであれば、四十九日法要当日にお渡しせずに、後日郵送する方法も一案です。
調味料
◇調味料の詰め合わせも、参列者に好評です
調味料の詰め合わせも、弔事にふさわしい消えものでありながら、毎日の料理に活用できるので、四十九日法要の引き出物に人気がります。
おすすめは、和食・洋食・中華など、料理ジャンルに合わせて使い分けできるものです。
ただ洗剤と同様、持ち運びが難しくなることもありますので、内容量によっては後日郵送も検討すると良いでしょう。
カタログギフト
◇最近のトレンドは、ギフトカードやカタログギフトです
四十九日法要の引き出物としてカタログギフトは、カタログなので持ち帰りがしやすいうえ、参列者が自由に選べるメリットがあります。
参列者としても自由に品選びができますし、施主としても幅広い金額で用意されているため、なにかと便利です。
四十九日法要の引き出物の包み方は?
◇四十九日法要の引き出物には、のし紙で包み表書きを記載します
四十九日法要をはじめとする弔事の引き出物は、お店に「弔事用で整えてください」とお願いすると、適切に包んでくれるでしょう。
地域によって水引の色や表書きに違いがあるので、不安があれば親族や周囲の人々に確認すると安心です。
下記より、四十九日法要の引き出物を包むのし紙や表書きなど、包み方マナーをご紹介します。
のし紙の選び方
◇結び切りの黒白、双銀の水引の印刷が多いです
そもそも「のし(熨斗)」とは、伸ばしたアワビを慶事(お祝い事)の贈り物と一緒に送っていたことから始まります。
そのうち昆布や紙が使用されるようになり、現在は印刷されたのし袋・のし紙が広がりました。
西日本や関西地方、九州地方の一部では黄白の水引を使用する風習があります。
また地域によって、使用するのし紙もさまざまです。
表書き
◇「志」「粗供養」が一般的です
東日本では「志(こころざし)」、西日本では「粗供養(そくよう)」と記載します。
広い地域で「志」が使われるため、地域や慣習に厳格なルールがない場合は「志」を使えば問題がありません。
この他「寸志(すんし)」がありますが、「寸志」は自分よりも目下の人に心からのお礼を示すために使う言葉であり、使い方には注意が必要です。
<表書きの種類> |
||
[表書き] | [意味] | [補足] |
①「志」 | ・感謝の意味 | ・主に東日本で使用 |
②「寸志」 | ・心からのお礼 | ・目下の人に対して使用 |
③「粗供養」 | ・わすかなお礼 (ご香典へ供物に対する) |
・主に西日本で使用 |
こののし紙の書き方は地域や慣習によって異なるため、四十九日法要の引き出物を注文する店舗や地元の人に相談すると良いでしょう。
名前の書き方
◇施主の名字、または故人の名字を記載します
名字の他に〇〇家と記載されることもありますが、参列者が誰が用意したかをすぐにわかるように名前を記載すると良いでしょう。
また一般的に四十九日法要の引き出物は、薄墨で名前を書く地域が多いです。
ただ四十九日を過ぎたため、濃墨で書く地域や宗派もあります。
四十九日法要で引き出物を渡すタイミング
◇参列者のお帰りの時や、会食でお渡しします
四十九日法要の引き出物は、参列者がお帰りになる際のお見送り時や、会食でお渡しすると良いでしょう。
<四十九日法要で引き出物を渡すタイミング> | |
①会食がある | ・参列者それぞれにお礼とともに渡す |
②会食がない | ・参列者のお帰り時にお渡しする |
③参列者が多い | ・各席にあらかじめ引き出物を用意しておく ・参列者がお帰り時に挨拶とともに渡す |
お礼の言葉を添えて一人ずつ差し上げることが理想的ですが、参列者が多い場合は、会食会場の席に引き出物を置いても問題はありません。
この場合は施主挨拶で、参列者にお持ち帰りいただくよう、アナウンスするのを忘れずにしましょう。
僧侶に四十九日法要の引き出物を渡すタイミングは、法要が始まる前、または終わった後、お布施をお渡しする際に一緒に渡すことが適切です。
四十九日法要の引き出物を郵送するケースは?
◇ご香典だけをいただいた人には、後日、個別に郵送します
もしも参列できずに、ご香典だけを送っていただいた人や、他の人からご香典をお預かりした場合は、後日、個別に四十九日法要の引き出物を郵送すると良いでしょう。
・遠方に住んでいる(特にご高齢者)
・郵送などでご香典や供物が届いた
・想定以上のご香典や供物をいただいた
ちなみに四十九日法要の引き出物を郵送、宅配を利用する場合は、必ず御礼状を同封しましょう。
弔事の御礼状なので時候の挨拶はせず、本文へと進みます。
また滞りなく四十九日法要を済ませることができた旨も報告するようにしましょう。
香典返しと渡すタイミングに違いはある?
四十九日法要の引き出物は、事前に一律で用意をして当日にお渡しする流れが一般的ですが、香典返しは忌明け後、1週間までを目安に郵送にてお送りします。
ただ現代では香典返しの当日返しも増えました。
香典返しの当日返しを行う場合、予想以上にご香典を多く包んでいただいた参列者に対して、四十九日の忌明け後を目安に、改めて相応の品を郵送します。
引き出物と香典返しを一緒に渡すのは?
◇四十九日法要の際、香典返しも一緒にお渡しする地域もあります
香典返しと引き出物を、四十九日法要当日、一緒にお渡しする地域もあるでしょう。
この場合には高価な品をひとつ用意するのではなく、四十九日法要の引き出物としてひとつの品、香典返しとしてひとつの品を準備します。
また参列者が分かるように、それぞれの「のし紙」も変えてください。
<香典返しと引き出物の表書き> | |
[内容] | [表書き] |
・香典返し | …「忌明志」 |
・引き出物 | …「志」「租供養」 |
なかには「四十九日法要の引き出物は豪華だったけれど、香典返しは送られない」など、誤解がありトラブルになった事例もあるためです。
さらに香典返しで渡す分については「香典返しの挨拶状」も添えると良いでしょう。
四十九日法要の引き出物に挨拶状は付ける?
◇直接お渡しする引き出物は、挨拶状を添える必要はありません
四十九日法要の引き出物は、当日に直接お渡しするのが基本ですので、お渡しする際に、直接お礼を述べると良いでしょう。
ただ、四十九日法要の引き出物を郵送した場合や、参列者が多く会食会場の席に引き出物を置いた場合などは、直接お礼の言葉を述べることができないため、挨拶状を添えてお礼の気持ちを伝えます。
香典返しに挨拶状は付ける?
◇郵送が基本の香典返しには、挨拶状を添えます
香典返しは感謝の気持ちとご挨拶を記載した、挨拶状を添えるのが礼儀です。
通夜や葬儀に参列した人でも、四十九日法要に参列していない人々は多いため、無事に四十九日法要を終えたことを伝えます。
また四十九日法要当日に納骨式まで済ませた場合には、納骨式を済ませた旨もお伝えし、感謝の言葉とともに香典返しを郵送しましょう。
挨拶状の構成や注意点は?
香典返しや四十九日法要の引き出物に挨拶状を添える場合、喪中はがきと同じように句読点を使いません。
挨拶状は基本的には縦書きで整え、忌み言葉や重ね言葉を使わずに進めましょう。
①頭語・結語(拝啓、敬具など)
②縦書きで整える
③時候の挨拶はない
④読点、句読点は使用しない
⑤薄墨は使用しない(忌中ではないため)
⑥お礼の文言を記載する
⑦引き出物を送った旨を伝える
⑧直接お渡しできないお詫びを添える
⑨差出人は喪主(施主)
四十九日法要の引き出物で、挨拶状に沿えるお詫びの言葉とは、例えば「本来は直接お目にかかってお礼を申し上げるべきですが、この場をお借りして略儀の無礼をお詫び申し上げます。」などです。
この他、四十九日法要の引き出物や香典返しに沿える挨拶状の例文は、下記コラムをご参照ください。
・四十九日法要に役立つ簡単な挨拶の例文とは?いつ・どのタイミングで行う?状況ごと解説
まとめ;四十九日法要の引き出物と香典返しは、違うものです
四十九日法要の引き出物と香典返しは、どちらも四十九日法要を目安に葬家が用意する品物なので勘違いしやすいですが、まったく別のものですので注意をしましょう。
四十九日法要の引き出物は、法要でいただいた供物やご香典に対するお礼です。
水引は黒白か双銀の結び切りで、表書きは「志」や「粗供養」などと書きます。
一方、香典返しは忌中にいただいたご香典へのお礼です。
通夜や葬儀、そして四十九日までの「忌中」にいただいたご香典への感謝の気持ちを表すもので水引は黒白か双銀の結び切り、表書きが「志」や「満中陰志」(関西地方など)とします。
そのため通夜や葬儀、四十九日法要と両方でご香典や供物をいただいた人には、法要後に、四十九日法要の引き出物と香典返しの両方をお渡しするのがマナーです。
通夜や葬儀で「当日返し」をしている場合は、四十九日法要では引き出物だけです。
ただご香典が高額だった場合、四十九日に改めて香典返しを用意することもあります。
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