
ペットの手元供養とは?ずっと自宅に安置していい?費用相場や方法、メリットデメリット

「ペットの手元供養」とは、火葬したペットの遺骨を自宅や手元に安置して供養をすることです。ペットの手元供養を進めるのに期限はありません。
・ペットの手元供養とは?
・ペットの手元供養に期限はある?
・ペットの手元供養のメリットとデメリット
今回はペットの手元供養とは何か?進め方やメリット・デメリットをお伝えします。

ペットの手元供養とは?

◇ペットの手元供養とは、火葬したペットの遺骨を自宅や手元など、手の届く場所に安置し供養をすることです
主に小さな祭壇を設けて骨壺を祀る「自宅供養」と、アクセサリーに粉骨した遺骨を納めて持ち歩く「手元供養」があります。
・自宅供養…祭壇を設けて骨壺を祀る
・手元供養…アクセサリーで持ち歩く
アクセサリーの種類はネックレス、ブレスレット、キーホルダーなどさまざまです。
遺骨の灰から作る「遺骨ダイヤモンド」を手元供養として持ち歩く人も見受けます。
ペットの手元供養の進め方

◇ペットの手元供養は、粉骨して骨壺やアクセサリーに納める方法が一般的です
ペットの手元供養では、遺骨を粉骨してパウダー加工した後、小さな骨壺やアクセサリーに納めます。
人の遺骨でも手元供養では粉骨しますが、粉骨することで乾燥し、結露を抑えてカビの繁殖を抑制し、より衛生的にペットの手元供養が可能です。
①ペット火葬する…ペット火葬場
②遺骨を粉骨する…ペット火葬場など
③手元供養の仏具を揃える…ペット仏具を扱う仏壇・仏具店
④粉骨した遺骨を納める…自宅
⑤ペットの手元供養をする
まだ人の供養のように確立してはいないので、日々行うペットの手元供養は、人によってさまざまでしょう。
自宅で骨壺を祀る自宅供養では、一般的に仏飯器やロウソク立てなど五具足を用意して、毎日のご飯とお水の交換、お線香を上げるなどをします。
ペットの手元供養はペット火葬から
◇ペット火葬とは、ペット火葬場で火葬し遺骨として返骨することです
ペットの手元供養ではご遺体を火葬して、遺骨の形にしなければなりません。
現代は人が利用する火葬場でペット火葬は受け付けない施設がほとんどですので、ペット火葬は専用施設になります。
現代のペット火葬は、飼い主の希望に合わせて大まかに3種類があります。
ただしペット火葬後に遺骨を手元に安置するペットの手元供養では、遺骨が返骨されない合同火葬などを選ばないよう、注意をしてください。
①合同火葬…他のペットと一緒に火葬
②一任火葬…ご遺体を業者に預けて火葬
・個別一任火葬…個別に火葬
・合同一任火葬…合同で火葬
③個別立ち合い火葬…個別の火葬に立ち会う
「ペット葬儀」とも呼ばれる最も人の供養に近いペット火葬は、個別立ち合い火葬です。
ペット葬儀社が提供するペット火葬場が多く、火葬・骨上げ・返骨までのセレモニーを含めて「ペット葬儀」と呼ぶこともあります。
個別の一任火葬でも、なかには火葬後に海洋散骨を行うなど、返骨されないメニューもあるので、「返骨されるか」をチェックします。
・ペット火葬とは?大阪で頼れる5つのペット火葬場。保冷環境で2日~10日後には火葬を
ペットの遺骨を粉骨するには?

◇現代では多くのペット火葬場で粉骨サービスを用意しています
粉骨業者や散骨業者による粉骨サービスもありますが、ペット火葬場では比較的安く粉骨ができるでしょう。
下記はペット火葬場で提供する粉骨サービスの料金例です。
①粉骨業者の料金一例
・1寸~3寸…約5,500/1柱
・4寸~5寸…約7,700円/1柱
・6寸~8寸…約9,900/1柱
②ペット火葬場の料金一例
・自社で火葬…約3,300円/1柱
・他社で火葬…約5,500円/1柱
※いずれも遺骨の全てを粉骨する「全粉骨」の料金です。
もちろんペットの遺骨を自宅で供養する場合、火葬場から返された骨壺のまま祀るのであれば費用は特に掛かりません。
また「立ち合い粉骨」など、希望が増えるとそれだけ料金もかさみます。
ペットの手元供養に仏壇を揃えるなら、予算と優先順位を決めて進めてください。
●ペット火葬場で喉仏など、一部を分骨することも可能です
そのため遺骨の粉骨ばかりではなく、ペット納骨堂や合祀墓など、他の葬送についてもさまざまな相談ができるでしょう。
・ペット葬儀とは?大阪でおすすめのペット葬儀社8社。選び方のポイント、費用目安を解説
ペットの手元供養:場所を決める
◇ペットの手元供養をどこで行うか、祀る場所をきめてから準備をします
アクセサリーを持ち歩くペットの手元供養や、小さな骨壺をベッドサイドに置くのであれば、改めてペットの手元供養のためのスペースを設ける必要はありません。
けれども仏壇や祭壇を揃えるならば、最初に場所を決めてからスペースを計り、仏壇仏具店へ出向くと良いでしょう。
①位牌を祀るかどうか
・骨壺+位牌
・位牌のみ(遺骨は合祀など)
・骨壺のみ
②祀る場所を決める
・リビング
・ベッドサイド
・キッチン
ペットの手元供養では遺骨を祀るので、お客様のなかには不快感を示す人もいます。
リビングに祀る場合には、選ぶ祭壇(仏壇)も、お客様が訪問した時に扉が閉まるタイプを選ぶと良いでしょう。
ペットの手元供養の費用目安は?

◇ペットの手元供養は飼い主の希望により、約数千円~数十万円まで幅が広いです
ペットの手元供養は「こうしなければならない」と言った決まり事はありません。
遺骨を粉骨してキーホルダー等に納めるなら、数千円でペットの手元供養ができますし、人と同じ仏壇を設けて、ペットの遺骨を祀る飼い主さんもいます。
<ペットの手元供養とは:費用目安> | |||
[供養の形] | [形式] | [費用目安] | |
① | 手元供養 | アクセサリーなど | 約1,000円~数十万円 |
② | 自宅供養 | 骨壺、仏壇、仏具など | 約8,000円~数十万円 |
アクセサリーでもプラチナのネックレスなど、ペットの手元供養グッズもあり割高です。
また自宅供養でも骨壺だけで祀る飼い主さんもいれば、人と同じ棚上仏壇で供養をする飼い主さんもいます。
・ペットの法要とは?お布施は必要?費用相場や書き方・包み方、参列時の服装マナーを解説
ペットの手元供養:アクセサリー

◇アクセサリーはキーホルダータイプで約2,000円ほど~あります
アクセサリーは人が着用するアクセサリーでも、シルバーやゴールド、プラチナと素材によって違うように、ペットの手元供養アクセサリーでも、価格目安は幅広いです。
ブレスレットやキーホルダーなど、さまざまなアクセサリーに収納できます。
今回はネックレスを一例として、それぞれの素材でペットの手元供養での費用相場を比較検討してみましょう。
<ペットの手元供養とは:アクセサリー> | |
・メモリアルペンダント | 約2,000円~5,000円ほど |
・シルバーネックレス | 約25,000円~5万円ほど |
・ゴールドネックレス | 約11万円~50万円ほど |
・プラチナネックレス | 約11万円~50万円ほど |
・遺骨ダイヤモンド | 約44万円~280万円ほど |
当たり前ですが、素材が高価であればそれだけ費用相場が高くなります。
一般的にはメモリアルペンダントとして、約5,500円~19,000円ほどで選ぶ飼い主さんが多いでしょう。
ペットの手元供養:骨壺を祀る

◇ペットの手元供養で骨壺を祀る場合にも、祭壇の大きさによって価格帯は幅広いです
ペットの手元供養ではベッドサイトに骨壺を祀るのみの飼い主さんもいれば、人と同じ棚上仏壇を購入して、粉骨せずに返骨された骨壺ごと祀る飼い主さんもいます。
骨壺のみを祀るのであれば価格帯も約3,300円~20,000円ほどですが、人と同じ仏壇で祀るならば、数十万円の費用相場になるでしょう。
<ペットの手元供養:骨壺を祀る> | |
・骨壺のみを祀る | 約3,300円~2万円ほど |
・ペット仏壇 | 約25,000円~5万円ほど |
・手元供養仏壇(人用) | 約3万円~5万円ほど |
・棚上仏壇(人用) | 約30万円~80万円 |
いずれにしてもペットの手元供養は、飼い主さんの予算に合わせて整えることができます。
人の供養とは違い親族への配慮も必要ないので、少しずつ揃えていくことも可能です。
ペットの手元供養に期限はある?

◇ペットの手元供養を始めるのに、期限はありません
またペットのご遺骨は、いつまでも自宅に安置していても良いです。
ペット火葬場に併設された、納骨堂や納骨棚でしばらく遺骨を安置した後、年間管理料が掛かるためにペットの手元供養を決める飼い主さんもいます。
●またペットの手元供養を整えたら、飼い主さんが許す限り手元で供養して構いません
ただひとつ注意したい事柄は、飼い主さんなどペットの遺骨をお世話する人が、老人ホームに入ったり、亡くなるなど、何らかの形でお世話ができなくなった時です。
家族とも相談して、いざという時の扱い方を共有しておくと良いでしょう。
「ペットの手元供養はダメ」と言われる理由は?
◇ペットの手元供養は、法的に問題はありません
ペットの遺骨を自宅に安置することは、法的に何の問題もありません。
人の遺骨でも手元供養がありますが、その前にペットが亡くなると人のご遺体や遺骨とは違い、「廃棄物」として扱われます。
・遺骨を自宅に置くことに抵抗がある
・「埋葬しないと成仏しない」と言う仏教の教え
ペットを愛する飼い主さんにとっては悲しい響きですが、法的な側面のみで考えると「物」ですので、遺骨の扱いは飼い主の自由です。
倫理面での賛否両論はありますが、ペットの遺骨を飼い主の「副葬品」として棺に納めても、法的には問われないことになります。
ペットの手元供養とは:メリット

◇ペットの手元供養のメリットは、毎日供養ができる点です
ペットの手元供養は、飼い主さんがペットを亡くしたショック・喪失感を癒すグリーフケアとして選ばれるケースがほとんどです。暮らしのなかで毎日供養ができます。
・暮らしのなかで供養ができる
・予算に合わせて準備ができる
・自宅で法要ができる
・いつでも他の供養へ変更できる
・グリーフケアに役立つ
暮らしの中で毎日供養ができる他、より人と同じような四十九日法要や一周忌の個別法要がしたい場合、自宅に僧侶をお呼びして祭壇前での供養も可能です。
ペットの手元供養とは:デメリット
◇ペットの手元供養では遺骨を祀るため、周囲への配慮が必要です
ペットの手元供養に限らず、人の手元供養でも遺骨を手元に残して供養しますが、「遺骨を自宅に安置する」ことに抵抗感を持つ人が少なくありません。
お客様への配慮はもちろん、同居家族が反対するケースもあります。
・遺骨の安置に抵抗感を持つ人がいる
・自宅供養では遺骨を祀るスペースが必要
・お世話をする人が亡くなった時、どうするか?
・粉骨しない遺骨は、カビが生えやすい
またペットの手元供養では、主に遺骨の世話をしている飼い主さんが亡くなった時、または老人ホームに入るなど、何らかの事情で世話ができなくなった時も考慮しなければなりません。
・手元供養にしているペットの遺骨の手入れ方法。カビが生えやすいって本当?|永代供養ナビ
ペットの手元供養とは:世話できなくなったら…
◇ペットの手元供養では、世話ができなくなった時の対応にも準備が必要です
ペットの手元供養で主に遺骨の管理や世話をする人が、いなくなった時はどうすれば良いのでしょうか。
ペットの遺骨は「物」なので、実はどのようにも対処できますが、今後も丁重に供養したい人も少なくありません。この場合は、自分亡き後の準備も必要です。
・ペットの遺骨を自宅の庭などに埋葬する
・ペットの遺骨を散骨する
・ペットと一緒に入るお墓を生前契約する
…などの方法があります。
また、何らかの事情でペットの手元供養を続けられない時には、ペットの遺骨を合祀墓に埋葬したり、納骨堂(納骨棚)に預けるなど、他のペット供養を選ぶこともできるでしょう。
最後に
以上がペットの手元供養とは?ペットの手元供養を行う方法や、費用目安、メリット・デメリットを解説しました。
ペットの手元供養では、遺骨を粉骨してパウダー状にした後に祀る飼い主さんが多いです。
粉骨サービスでは抗菌加工ができるものもあり、より衛生的に安置ができます。
またお墓とは違い、地上で遺骨を安置するため、遺骨の状態も衛生面でキレイに保つことができるでしょう。
そのためペットの手元供養から他のペット供養(納骨堂やお墓など)に変更する時にも、再火葬などの手間暇がなく、よりスムーズに進めることができます。
・ペット供養とは?ペットの遺骨をどうする?ペット供養6つの方法|選び方のポイントとは
まとめ
ペットの手元供養とは
●ペットの遺骨を手元で供養する
・手元供養に期限はない
・自宅供養…骨壺を祀る
・手元供養…アクセサリーに入れて持ち歩く
●進め方
①ペット火葬する
②遺骨を粉骨する
③手元供養の仏具を揃える
④粉骨した遺骨を納める
⑤ペットの手元供養をする
●費用相場
・約2,000円~800,000円と幅が広い
・アクセサリー…約2,000円ほど~
・骨壺を祀る…約3,300円ほど~
●メリット
・暮らしのなかで供養ができる
・予算に合わせて準備ができる
・自宅で法要ができる
・いつでも他の供養へ変更できる
・グリーフケアに役立つ
●デメリット
・遺骨の安置に抵抗感を持つ人がいる
・自宅供養では遺骨を祀るスペースが必要
・お世話をする人が亡くなった時、どうするか?
・粉骨しない遺骨は、カビが生えやすい
●世話ができなくなったら…
・ペットの遺骨を自宅の庭などに埋葬する
・ペットの遺骨を散骨する
・ペットと一緒に入るお墓を生前契約する
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