世帯主が亡くなったら家族は何をすればいい?世帯主変更届・社会保険・税金はどうする?
・世帯主変更届は誰が出す?
・世帯主変更届を提出する必要がない人は?
・世帯主変更届の提出方法は?
・社会保険・税金はどうなる?
・世帯主が亡くなった時の手続き一覧は?
世帯主である家族が亡くなると世帯主変更届から始まり、社会保険や公共料金の名義変更まで、さまざまな手続きを短い期間で行わなければなりません。
本記事を読むことで、世帯主である家族が亡くなった時に行う手続きの一覧が分かります。世帯主変更届・社会保険・年金受給資格等の手続きをスムーズに進めることができるでしょう。
世帯主変更届とは?
世帯主が亡くなった場合、「世帯主変更届」を行わなければなりません。
けれども全ての世帯で世帯主変更届の提出が義務付けられている訳ではありません。世帯主変更届の提出が必要になる世帯は、誰が世帯主になるのかが分からないケースです。
①世帯主変更届が必要
世帯主が亡くなった時に15歳以上の家族が2人以上いる世帯は、新しい世帯主を決めて世帯主変更届をお住まいの市区町村役場に提出しなければなりません。
例えば世帯主である父親が亡くなり、15歳以上の子どもが2人以上残った世帯などです。この場合は子ども2人のうち、どちらが世帯主になるかを決めます。
②世帯主変更届が不要
世帯主が亡くなった時に、明らかに次の世帯主が分かる世帯では提出の必要がありません。自動的に次の世帯主へと繰り上がります。
例えば世帯主である父親が亡くなり、母親と15歳未満の子どもが残った世帯・配偶者のみが残った世帯などです。自動的に母親や配偶者が世帯主となります。
世帯主変更届の提出方法
世帯主変更届は、世帯主が亡くなった時から14日以内の提出が必要です。世帯主変更届を提出するのに費用はかかりません。
世帯主が住んでいた市区町村役場に提出します。
市区町村役場の支所・出張所を配置している地域もありますが、支所や出張所では世帯主変更届を受け付けないこともあるので、事前に電話確認を取ってから出かけましょう。
世帯主変更届を提出する人
世帯主変更届の書き方
市区町村役場に置いている「住民異動届」が、世帯主変更届の書類です。「住民異動届」は引っ越しの際に行う転入届・転出届の手続きと同じ書類となります。
転入届・転出届では届出の種類項目で「転居」にチェックしますが、世帯主変更届では「世帯主の変更」にチェックする手順です。届出の種類には一般的に・転居・世帯主の変更・世帯合併の3種類があるでしょう。
世帯主変更届の必要書類
世帯主変更届での必要書類は、住民移動届の他に本人確認書類や届出人の印鑑などが必要です。同じ世帯の家族以外が世帯主変更届を行うならば、委任状も用意してください。
<世帯主変更届の必要書類> |
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[基本書類] | ①世帯主届出書類(住民異動届) ②本人確認書類 ・運転免許証 ・マイナンバーカード ・パスポート ・健康保険証 ③届出人の印鑑 |
[必要に応じて] | ④委任状 ⑤国民健康保険証 (加入者全員の保険証) |
これらの必要書類は予め準備しておくとスムーズです。念のため事前に市区町村役場に電話確認を取り用意しておくと、提出時の忘れ物も少なくなるでしょう。
国民健康保険については次項より詳しく解説します。
世帯主変更時の国民健康保険手続き
世帯主変更届の手続きで国民健康保険を提出した・しないに関わらず故人の資格喪失手続きが必要です。残された家族の通院・治療に影響しますので、社会保険の資格喪失手続きはすぐにでも行わなければなりません。
最初に国民健康保険に加入していた場合の手続きについて解説します。
社会保険関連の喪失手続きを忘れていると引き続き保険料の支払いが生じるため、忘れずに手続きを行いましょう。
①国民健康保険の返却期限
世帯主が国民健康保険に加入していた場合、亡くなってから14日以内に故人が住んでいた地域の市区町村役場に「資格喪失届」を提出しましょう。
国民保険の資格喪失手続きを行うことで家族の保険証は、国民健康保険証の世帯主・被保険者証番号の書き換えが行われます。
②国民健康保険とともに返却するもの
国民健康保険証は世帯主だった故人の保険証とともに、加入している家族全員の保険証を返却しなければなりません。返却する際には印鑑も持参します。
また世帯主だった故人が高齢受給者証・限度額適用認定証を持っていた場合には、これらの書類も併せて返却します。
③後期高齢者医療制度を受けていた
世帯主が会社員だった場合
亡くなった世帯主が会社員として働いていた場合、国民健康保険ではなく協会けんぽに加入しているでしょう。この場合は会社の担当者と連絡を取り合い手続きを進めます。
会社員だった世帯主が亡くなった時、故人が勤めていた会社は「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を作成し、年金事務所へ提出する流れです。
①世帯主が自営業者だった場合
世帯主だった故人が自営業でも国民健康保険には加入しています。無職の場合も国民健康保険には加入していますね。
そのため故人が住んでいた地域の市区町村役場に国民健康保険証を返却し、資格喪失手続きを行います。
世帯主変更届以外の手続き一覧
世帯主である家族が亡くなった時、さまざま手続きを短期間で行わなければなりません。相続手続きには期限があり、忘れると後々大きな問題に発展することもあります。
ここでは世帯主が亡くなった時に必要な、世帯主変更届以外の重要な手続き一覧を解説していくので、参考にしてください。
①死亡届の提出
世帯主が亡くなったら7日以内にお住まいの市区町村役場へ「死亡届」を提出します。病院で発行される「死亡診断書」と一枚になっている形式が多いでしょう。
死亡届は同じ世帯の家族が提出しなければなりませんが、委任状を託すことも可能です。
期限として死亡届は7日以内の提出ですが、死亡届と交換に火葬許可証を受け取ります。そのため亡くなったらすぐ届け出る流れが一般的です。
②携帯電話の解約手続き
故人の携帯電話の解約もすぐに行いましょう。
携帯電話は法定相続人であるご遺族がキャリアショップで解約手続きを行います。解約した電話番号は使用できません。一定期間の後、他の契約者の電話番号として再利用される流れです。
携帯電話の解約手続きに法的な期限はありませんが、忘れてしまうと利用料金は引き続き引き落としされています。使用していないからと後から携帯電話会社に請求をしても返金はされません。早急に解約しましょう。
③公共料金の名義変更
水道・ガス・電気等の公共料金もすぐに名義変更、もしくは解約手続きを行います。
特に公共料金の引き落とし口座が故人の名義だった場合、口座が凍結されて支払いが滞る可能性があるので、早急に対応が必要です。
④相続財産の名義変更
銀行預金や不動産など相続財産の名義変更手続きもあります。銀行預金は銀行で、不動産の名義変更手続きは登記申請書の作成をした後に法務局で行います。
ただし相続財産の名義変更は遺産分割協議にて法定相続人全員の同意が必要です。
不動産登記事項証明書を取得し、戸籍謄本を集めて相続人を確認したうえで遺産分割協議書を作成しなければなりません。
相続した財産の名義変更は相続した時点(遺産分割では遺産分割成立の日)から3年が期限です。期限が過ぎても名義変更が成されなかった場合、10万円以下の過料を請求されます。
⑤年金受給停止の届出
まとめ:世帯主変更届は不要なケースもあります
世帯主が亡くなったからと言って、全ての世帯で世帯主変更届が必要な訳ではありません。夫婦2人暮らしの世帯では配偶者が、15歳以下の子どもと母親世帯では母親が自動的に世帯主となるでしょう。
けれども世帯主が亡くなり15歳以上の大人が2人以上いた場合には、世帯主を決めて14日以内に世帯主変更届を提出しなければなりません。
この他にも世帯主が亡くなると社会保険手続きの他、公共料金の名義変更など、さまざまな手続きが必要になります。目安として葬儀を終えたら手続きを進めていくと良いでしょう。
突然家族が亡くなると精神的にも負担が大きいですが、不動産など相続財産手続きなどを忘れると、後々ペナルティーが課されることもあるので、最初に手続きを確認して事務的に進めて行くことが肝心です。
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