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病院で亡くなった大腸癌の母親。「病理解剖をさせてほしい」と、医師から言われた体験談

病院で亡くなった大腸癌の母親。「病理解剖をさせてほしい」と、医師から言われた体験談

やっと大腸癌と診断を受けてから1ヶ月、山本舞子さん(26歳会社員:仮名)の母親は入院して間もなく亡くなりましたが、葬儀社の手配を進めていると、主治医から病理解剖を提案されます。
 
「思ったよりずっと早く亡くなってしまいました。
『何かもっと、できることがあったのではないか』と言う気持ちが拭えません。
今後の治療へ繋げるためにも、病理解剖をさせていただきたい。」

 
ただ舞子さんの母親にとっても突然のことで、臓器提供や病理解剖について、意思表示の記載はなく話し合ったこともないため、舞子さん1人で決断することになりました。
 
今回は、大腸癌による母親の死後、病理解剖を提案された山本舞子さん(26歳会社員:仮名)の体験談をご紹介します。
 

母親の病理解剖を提案された舞子さん

母親の病理解剖を提案された舞子さん

●母親が亡くなった当日、葬儀社を手配していると主治医から病理解剖を提案されました
 
やっと大腸癌と診断を受けて1ヶ月、入院してすぐに手術を行う余裕もないまま、母親は息を引き取りました。
 
(亡くなった病院ではありませんが)「お腹が張る」と2回、診察を受けたにも関わらず、1年弱が経過してやっと大腸癌の診断を受けたこと、病院に入院してすぐ亡くなった経緯に違和感はありましたが、「仕方がない」と、葬儀社探しをしていた時です。
 

<病理解剖とは:主治医からの提案>
「○○さん(舞子さんの母親)が、どうしてこんなに早く亡くなられたのか、改めて病気と死因を明らかにするために、病理解剖をさせていただきたい」

 
主治医から提案を受けました。
後から「どうしてあの時、病理解剖をしなかったのだろう…」と後悔する人も少なくないとも聞き、後悔のないように病理解剖を検討しました。
 

病理解剖とは

病理解剖とは

●「病理解剖」とは、病気で亡くなった人を対象とし、治療の効果判定や臨床診断の妥当性、直接死因の解明を目的に、遺体を解剖して医学的検討を行う作業です
(死体解剖保存法より)
 
病理解剖は遺族の承諾を必要とし、病理医や法医など解剖・病理診断の専門医の他、臨床検査技師など医学的な専門知識を持つ専門医なども参加して行われます。
 

<病理解剖で検証できること>
●患者・病院側の機能として
・死因
生前の診断との関連性
・病気の進行状態
治療効果はあったのか
・別の病気の可能性
 
●病院側の機能として
・医療や医学の進歩(医学的データとして登録)
・医療臨床の研修、教育

 
…などなどです。
そのため「なかなか病名が特定されなかった」「診断や治療方針に不信感がある」などのケースでは、むしろ遺族側から積極的に病理解剖を依頼するケースもあります。
 

病理解剖をしない場合

●病理解剖をしない一般的な死亡後の流れでは、24時間経過後に火葬、焼骨して埋葬です
 
墓埋法(第48号「墓地、埋葬に関する法律」)では、第3条で24時間を経過した後でなければ、火葬・埋葬を行ってはならないとしています。
 
反対に考えれば24時間が経つと遺体は火葬されるため、遺骨になってからでは、後々遺族が不信感を持って医療訴訟を起こしても、死因の特定ができません。
 
舞子さんの母親の場合、「病名がなかなか付かなかった」「大腸癌と診断されてから、すぐに亡くなった」点が気になっていたので、病理解剖を受けることにしました。
 

<病理解剖を受けるメリット(舞子さんのケース)>
●病院側も「思ったより早い死になった」と言っている
・医療上のミスが原因だった可能性を検証できる
・診察では発見できなかった病因を検証できる(病院側)

 
病理解剖は死後の措置なので医療費にはなりませんが、ほとんどのケースで病院側の全額負担です。
(遺族側が病理解剖を希望したケースでは、ごく稀に費用の一部を負担する提案を受けることもあります。)
 
確かに傷は残りますが、家族の治療経過に違和感があり、病院からも病理解剖の提案を受けたのであれば、受けることでモヤモヤが晴れるかもしれません。
 

病理解剖には遺族の承諾が必要

病理解剖には遺族の承諾が必要

●病理解剖は原則として遺族の承諾が必要です
(死体解剖保存法7条本文)
 
また「病理解剖を受ける/受けない」だけの選択ではなく、病理解剖を望まない部位のみを、遺族は拒否することができます。
以下は、舞子さんが主治医から受けた説明です。
 
舞子さんも主治医から病理解剖を提案された時、「一部分だけの解剖も可能です」と伝えられました。
 

<主治医から受けた病理解剖の説明>
①解剖を専門に扱う「病理医」が実施する
 
②胸から下腹部に傷が入る
・観察、写真を撮る
・詳細な検証が必要な臓器は採取
・顕微鏡による検査の可能性
 
遺族が疑問を感じた場合、傷の説明も行う
 
③頭部の病理解剖が必要だった場合、説明・許可を取る
・この場合、頭部にも大きな傷が入る
・正面から傷が見えないよう配慮する

 
ここで舞子さんが気になった事柄が、「採取した母親の臓器はどうなるのか?」でした。
採取した臓器は一定期間、保存(ホルマリンにより)し、必要に応じて研究した後、供養の元で荼毘に付されるとのことです。
 
つい数時間前に母親を亡くした舞子さんは、一瞬、質問を躊躇しましたが、後々後悔することのないよう、「頑張って聞いた」と話します。
 

「Ai」と言う選択肢もある

●この時、主治医より病理解剖によって遺体にメスを入れない検証方法として、「Ai」を説明されます
 
Ai」とは英語で「Autopsy imaging(オートプシーイメージング)」の略語で、日本語では「死後画像診断」です。
 
具体的には死後にCTやMRI等の検査により画像撮影を行い、その画像を元に検証する手法を差しますが、臓器の採取や細胞検査もできる病理解剖と比べて、検証が不十分になりやすいデメリットがあります。
 

1日だけ悩む(メリット・デメリット)

1日だけ悩む(メリット・デメリット)

●死亡後の措置なので、病理解剖の決断は急がなければなりません
 
けれども、主治医は病理解剖についてパンフレットを渡した後、「今晩ひと晩、考えてみてください」と、考える時間をくれました。
 
その間、母親の体はチューブも付いたまま、冷たい霊安室で保管されます。
「『お母さん、寒いだろうな』と思ったので、早く決めなければ、とそれだけです」と舞子さんは話してくれました。
 

<病理解剖のメリット・デメリットを考える>
①メリット
・生前の診断が検証される
・治療が良かったのか検証される
・診断や治療への違和感、不信感が解消される
 
②デメリット
・臓器がない状態で遺体を引き取る
・すぐに葬儀ができない
・母親の体に傷が付く
 
…などなど。

 
病理解剖によって臓器は採取されるので、臓器がない状態での引き取り、通夜や葬儀になること、病理解剖があるので、すぐに葬儀ができないことも説明がありました。
 
病理解剖自体は数時間(2~3時間が目安)で終わるものの、内容によっては長時間になる可能性もあります。
 
病理医のスケジュールにより数日掛かる可能性があり、この場合は院内の保管室で母親の遺体が管理される、とのことでした。
 

病理解剖の決断

●病理解剖を決めると、すぐに病理解剖が行われ、数時間で終わりました
 
舞子さんの母親が亡くなった日、主治医から病理解剖の提案を受けた翌日です。
舞子さんが病理解剖を決断すると、早速段取りが進められました。
母親の病理解剖の間、自宅へ帰ることもできましたが、病院で待つことにします。
 

<病理解剖の決断から>
①待合室を用意され、病理解剖
3時間ほど
・遺体の清拭(病院側)
 
②医師による説明
・担当医師により、簡単に説明
(正式な結果ではない)
 
③遺体の引き取り、搬送
・葬儀社に依頼

 
病理解剖の当日、以上の流れのもとで無事に病理解剖が終わり、翌日に通夜・葬儀です。
その後、3ヶ月ほど後に正式な病理解剖結果(病理解剖報告書)が届きました。
 
 

最後に

振り返ると舞子さんの母親は、もう何年も「お腹が痛い」と言っていました。
けれども日常生活に深刻な影響はなく、大腸癌の症状でもある下痢と便秘も、日ごろから便秘薬を飲んでいたため、気に掛けることもなく数年が過ぎています。
 
さらに舞子さんの母親は、お腹の張りめまいなどの不調も、長く更年期障害のせいだと思っていました。
 
そのためかかりつけ医に2度、大腸癌を発見されなかった時も、「やっぱりホルモンバランスの乱れかな?」と、納得していた側面があります。
 
「全てはタラレバになりますが、あまり自重せず、もっと早くから体の不調を訴えていれば良かったのかもしれない。」
「ただ、病理解剖を行って違和感に立ち向かったことで、どこか納得できている。」
と話してくれました。
 

 

まとめ

病理解剖を行った遺族の体験談
●母の大腸癌
・長く病名が付かなかった
・診断後1ヶ月での死
 
●主治医より病理解剖の提案
<思ったより、あまりに早く亡くなった>

・死因
・生前の診断との関連性
・病気の進行状態
・治療効果はあったのか
・別の病気の可能性
 
●費用は全額病院側
 
●病院側の説明
・「病理医」が実施する
・胸から下腹部に傷が入る
・観察、写真を撮る
・詳細な検証が必要な臓器は採取
・顕微鏡による検査の可能性
・遺族が疑問を感じた場合、傷の説明も行う
・頭部の病理解剖が必要だった場合、説明・許可を取る
・この場合、頭部にも大きな傷が入る
・正面から傷が見えないよう配慮する
 
●「Ai」と言う方法
・CTやMRIによる画像検証
 
●メリット・デメリットを考える
<メリット>
・生前の診断が検証される
・治療が良かったのか検証される
・診断や治療への違和感、不信感が解消される
 
<デメリット>
・臓器がない状態で遺体を引き取る
・すぐに葬儀ができない
・母親の体に傷が付く
 
●病理解剖の決断後
・3時間ほどの病理解剖
・担当医師による説明
(正式な結果ではない)
・遺体の引き取り、搬送
・数か月後、結果書類が届く

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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