
墓じまい代行の流れを解説!費用の相場と内訳・安く抑えるポイントや注意点も紹介

「墓じまいを代行してもらう場合、流れや注意点の詳細を知りたい」
「そもそも墓じまいや、その代行業者について教えてほしい」
「代行業者を利用したいけど、墓じまいを安くする方法はある?」
墓じまいを検討する中で、その代行業者に興味を惹かれ、上記のような疑問を持った方もいるのではないでしょうか。
この記事では、墓じまいを代行業者に依頼する場合について詳しく取り上げています。代行業者に頼めないことや、費用を安くするために知っておきたいポイントはもちろん、行政書士に任せたい場合についても紹介しています。
記事を読んで得た知識は、墓じまい代行業者を選ぶ際の判断材料として大いに役立つでしょう。
これから墓じまいを考えている人や、その代行について興味のある人は、ぜひ参考にしてみてください。
墓じまい・墓じまい代行業者とは?
墓じまいとは今までのお墓を解体・撤去する改葬のことです。その際に墓じまい代行業者を利用することで、墓じまいに必要な作業の代行や手続きについてのサービスが受けられます。
具体的なサービス内容の例として、以下のようなものが挙げられます。代行業者によって異なるため、検討する際には事前にサービス内容についてしっかり確認することが大切です。
・新しい納骨先を選ぶ際に必要となる資料請求や供養方法についてのアドバイス
・改葬に必要な行政手続きについてのサポート
・墓石の解体や撤去の工事
・新しい納骨先までの遺骨の移動
墓じまいを代行業者に依頼するメリット
墓じまいを代行業者に依頼するメリットとして挙げられるのは、時間が節約できる点と、複雑な手続きが最低限になる点です。
仕事や家事などで、墓じまいのためになかなか時間が確保できないという場合もあるでしょう。その際代行業者に依頼すると、効率よく墓じまいが進められるようになります。自分が現地にいなくても、業者が代わりに行ってくれるため最低限の時間だけで墓じまいが行えるのです。
また、墓じまいを行うためには複雑な行政手続きが必要です。記入こそ自分で行わないといけませんが、記入方法を含めた提出・発行については代行業者からのサポートを受けられます。面倒に感じる人や、苦手意識を持っている人にはありがたいサービスです。
墓じまい代行の流れ
墓じまいを業者に代行してもらう場合の手続きと流れを知っておくと、代行業者とのやり取りがスムーズかつ対等に進められるでしょう。
全体の流れは、以下に示す6段階で進んでいきます。それぞれについて説明するため、きちんと把握しておきましょう。
- 代行業者に相談する
- 現地調査を依頼し見積もりを出してもらう
- 遺骨の供養先を決める
- 改葬許可申請手続きを行う
- 遺骨を取り出し墓石を撤去する
- 遺骨を納骨する
1:代行業者に相談する
墓じまいを代行業者に依頼すると決めた場合は、まずは代行業者に相談を持ちかけます。
インターネットや電話など、業者によって問い合わせ方法に違いはありますが、できるだけ多くの業者から資料やガイドブックを取り寄せるのがポイントです。それらを基に、自分の希望に沿ってくれそうな代行業者を絞り込んでいきましょう。
2:現地調査を依頼し見積もりを出してもらう
依頼する代行業者の絞り込みができたら、それぞれの業者に見積もりを出してもらいます。
中には、現地調査ではなく写真で見積もりを行っている業者もありますが、より正確な費用を出してもらえるのは現地調査による見積もりです。代行業者とスケジュールをすり合わせてお墓に出向き、面積や位置など詳しく調査してもらいましょう。
3:遺骨の供養先を決める
見積もりが完了したら、遺骨の新しい供養先を決めます。
墓じまい後の供養方法には、新しいお墓を建てる以外にも永代供養や散骨、手元供養などから選べます。代行業者の中には、墓じまい後の供養についてアドバイスがもらえるところもあるため、相談してみると良いでしょう。
遺骨の供養先が決まれば、依頼する代行業者を決定し正式に申し込みを行います。金額や条件などについて、納得できるものになっているかしっかりとチェックを怠らないことが大切です。
4:改葬許可申請手続きを行う
代行業者の申し込みが完了したら、墓じまいに必要な改葬許可申請手続きに入ります。
お墓から遺骨を取り出すタイミングは、「墓地、埋葬等に関する法律」の第14条にあるように、改葬許可証を受理した後でなければなりません。この改葬許可証を発行してもらうための手続きが、改葬許可申請手続きです。
この手続きには埋葬証明書と受入証明書が必要になります。埋葬証明書は現在お墓がある墓地の管理者から、受入証明書は新しい供養先から発行してもらう書類です。この2つと改葬許可申請書を現在お墓がある地域の自治体に提出し、改葬許可証を発行してもらいましょう。
5:遺骨を取り出し墓石を撤去する
遺骨を取り出して墓石を撤去する前に、閉眼供養と呼ばれる儀式を行います。
お墓には、仏となった先祖たちの魂が宿っていると考えられています。閉眼供養は、この先祖たちの魂をお墓から抜く儀式です。儀式後の墓石はただの石に戻り、解体や撤去をしても罰当たりにならないという考え方で行われます。
閉眼供養を経て遺骨を取り出せば、墓石の撤去に移ります。作業は石材店が行ってくれますが、墓地の所有者とのトラブルを避けるためにも、工事内容に問題がないことを確認しておきましょう。
6:遺骨を納骨する
新しい供養先へ遺骨の納骨が終わったら、墓じまいは完了です。
このとき、供養先の管理人に改葬許可証の提出が必要となるため、持参するのを忘れないように注意してください。また、新しいお墓への納骨の際には、墓石に先祖たちの魂を入れてもらう開眼供養と呼ばれる儀式も忘れずに行いましょう。
墓じまい代行業者にはできないこともある
墓じまいにおける多くの作業や交渉を代行業者は引き受けてくれますが、親族との話し合いと、現在お墓がある墓地の管理人との交渉については代行することができません。
お墓は親族にとっても大切なものであり、独断で墓じまいを決行するのはトラブルの原因になりかねません。そのため、事前に墓じまいについて親族の理解を得る必要があります。
移動元となる現在の墓地や霊園の管理者に対しての交渉についても、多くの業者で引き受けてもらえないことの方が多いでしょう。こちらも事前に相談してから、墓じまいを行うようにしましょう。
ただし、今までお世話になっているため申し出にくいと感じる場合には、交渉を承ってもらえる業者を選ぶか、他の親族にお願いするといった方法で対処しましょう。
墓じまい代行費用の相場と内訳
ここまで墓じまいを業者にお願いする際の流れについて見てきました。そこで、実際どのくらいの費用がかかるのか気になった方もいるのではないでしょうか。ここからは、代行を依頼する内容別に費用の相場を紹介していきます。
費用の相場や内訳を把握し、利用するかどうか検討してみてください。
全て依頼した場合の相場
代行業者にできないことを除き、墓じまいの全ての工程を依頼した場合の相場は16〜30万円程度です。
あくまでも平均相場による目安であるため、現在のお墓の立地や土地面積の広さなどによって変動する場合があります。しかし、数百万円単位で費用がかかることは少ないでしょう。
もしそのような請求があった場合には、すぐに支払わずに一度弁護士や専門家などに相談してみましょう。
遺骨の取り出し・納骨を代行した場合の相場
現在のお墓から遺骨を取り出し、新しい供養先への納骨までについて代行を依頼する場合の相場は、約7万円です。
費用の内訳は、現在のお墓からの遺骨の取り出し、遺骨の一時預かり、新しい供養先までの遺骨の移動、新しい供養先での納骨の4つで構成されています。最初の3つのみを依頼するならば、代行費用は3万円程度まで抑えられます。
どこまでを依頼するのか、あらかじめ検討しておくと良いでしょう。
改葬許可申請手続きを代行した場合の相場
墓じまいを行うために必要な改葬許可申請手続きを代行してもらう場合の相場は、約4万円です。
現在お墓がある墓地もしくは寺院と、新しい供養先のそれぞれの管理人からの書類が、改葬許可申請で必要になります。これらの書類の受け取りに必要な人件費と手間費で、代行費用が決定されます。
ただし、自治体の中には、書類の手続きに代行が利用できなかったり委任状などが必要になったりする場合があります。改葬許可申請手続きを代行したい場合は、あらかじめ手続きを行う市役所へ確認するようにしましょう。
出典|参照:改葬(遺骨の移動)の手続き
墓じまいの代行費用を安く抑えるポイント
前項で紹介したように、墓じまいを代行業者に依頼する場合の費用は、決して安いものではありません。少しでも費用を抑えるためには、以下で紹介する2つのポイントに着目してください。
多くの代行業者に見積もりを依頼する
少しでも費用を安くするためには、多くの代行業者に見積もりを出してもらって比較を行うことです。
大抵の業者は無料で見積もりを出してくれるでしょう。そのため代行業者の1社にのみ見積もりを出してもらわなかった場合、後から他の業者の方が安かったと知ってしまうと後悔してしまいます。
時間がなかったり手間をかけたくなかったりした場合であっても、複数の代行業者に見積もりを依頼しましょう。
自分でできる工程は自分で行う
代行業者の中には、墓じまいの全工程の一部だけを引き受けてくれるところもあるため、一部だけ利用することで費用もその分が安くなります。できるだけ多くの工程を自力で行って難しい部分を代行業者に任せることで、予算に余裕が生まれてくるでしょう。
ただし、業者の中には、全工程を行うプランのみのところもあります。業者選びの際には、業者に任せたい工程を絞り込んでおくと良いでしょう。
墓じまいを代行業者に依頼する際の注意点
では、実際に代行業者に墓じまいをお願いすると決めたとき、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。墓じまいを代行業者に依頼する際の注意点は、主に3つです。それぞれについて詳しく紹介するため、トラブルを避けるためにもしっかりと把握しておきましょう。
代行内容を確認する
代行業者に依頼する場合は、代行してもらう内容によって金額が変わってきます。そのため金額だけを見ていると、自分が依頼したい内容が含まれていない可能性が出てきます。
どの作業を代行してもらいたいのか把握した上で、代行業者のサービス内容について確認することが大切です。
信頼できる代行業者か見極める
墓じまい代行を依頼する場合には、実績・口コミ・評判を参考に信頼できる業者か見極めることが重要です。
一部ではありますが、専門知識がないことを悪用して、高額な金額を請求してくる代行業者もあります。ホームページに載せられている過去の実績のみではなく、実際に利用した人の口コミや評判も確認することで、信頼性があるのかを判断しましょう。
家族・親族とよく話し合う
墓じまいを検討する際には、家族や親族と十分に話し合って納得してもらうことが大切です。
墓じまいで起こる主なトラブルは、家族や親族との意見の相違です。お墓を解体することに抵抗があったり、金銭面で折り合いがつかなかったりと、トラブルの原因になる内容が多く含まれています。
自分の都合だけで墓じまいに踏み切るのではなく、親族全員から同意を得られるように、墓じまいをする理由やその後の供養方法について丁寧に説明しましょう。
墓じまいの代行は行政書士に依頼することもできる
墓じまいに関する申請の代理や代行は、行政書士に依頼することができます。ここからは、行政書士に代行してもらえる内容や依頼するメリット、費用相場について詳しく見ていきましょう。
行政書士に代行してもらえることとは?
行政書士は法律の専門家であるため、墓じまいに必要な行政手続きについて代行してもらえます。代行してもらえる内容は、以下の4つです。
・永代供養許可証の手続き
・改葬許可申請書の手続き
・現在の墓地の管理者からの埋葬証明
・改葬許可証の発行と提出
なお、改葬許可証の提出は、現在お墓を管理している場所と改葬先の両方に対して行ってもらえます。
行政書士に墓じまい代行を依頼するメリット
墓じまいを行政書士に代行してもらうメリットは、行政や法律の専門家から見たサポートが受けられる点と安心感です。
墓じまいの経験が何回もある人は、ほとんどいないでしょう。手続きの複雑さに嫌気が差してしまう可能性もあります。しかし、行政書士はこれらの手続きについて代行経験を積んでいる職種です。スムーズに墓じまいを進行できることから、安心感が得られます。
ケース次第ですが、墓じまいの際に離檀料として高額な費用を請求されることもあるようです。このリスクを下げることができるのも、行政書士を選ぶメリットとなります。
さらに、申請書類を作成するために必要な書類や資料の収集、戸籍や住民票の取得なども行ってくれるため、初めて墓じまいをする方にとってはメリットの多い方法と言えるでしょう。
行政書士に墓じまい代行を依頼した場合の費用相場
あくまで目安としての一例ですが、行政書士に改葬許可証の取得代行をした際の費用の相場は、平均すると5万円前後です。
料金設定は行政書士によって異なりますが、墓じまいで扱う遺骨の数によって料金が設定されています。
遺骨が少なければ、最初の1人分に追加人数1人あたりの料金が加算されるタイプの方が、安く済む傾向があります。遺骨の数が多ければ、数を問わず一括で料金を提示してくれるタイプの人を選ぶ方が良いでしょう。
ただし、行政書士の中には墓じまいのアドバイスと言うだけで、料金を請求してくる人もいるようです。価格ばかりではなく、代行内容についてもしっかり見極めを行うようにしましょう。
墓じまいでトラブルにならないよう代行業者を見極めよう
墓じまいを進めるためには手続きや費用がたくさんあるため、一見簡単そうでも実際には思ったように行かないケースも少なからずあるのが実情です。代行業者の見極めは、依頼したい内容と予算に合っているかだけではなく、信頼できるかどうかも重要なポイントになります。
今回紹介した流れや費用相場、注意点について理解して、墓じまい代行業者を選ぶ際に役立ててください。
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