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ひとり暮らしの親が要介護1の認知症!老人ホーム入居検討の矢先、母が階段から落ちて…

ひとり暮らしの親が要介護1の認知症!老人ホーム入居検討の矢先、母が階段から落ちて…

山本由紀さん(55歳会社員:仮名)は、ひとり暮らしだった母親が要介護1の認知症を発症し、「まだ要介護1だから」と、ゆっくりとケアプランを検討していた矢先に、母親が階段から落ちてしまいました。
 
・要介護1でのひとり暮らしはできる?
・認知症ひとり暮らしで起きたトラブルは?
・自宅の事故で亡くなったら、どこに連絡するの?

 
今回は「要介護1だから」と気が緩んでいたと後悔する由紀さんが話す、ひとり暮らしの母親が認知症を発症した体験談をお話しします。
 

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認知症の兆候

認知症の兆候

●認知症を疑うようになる1年ほど前から、母親の性格に変化がありました
 
「今から振り返ると、ひとり暮らしの母親に認知症の症状が出始めてから私が気づくまで、もしかしたら1年は経っていたのかもしれません。」
…そう由紀さんは言います。
 
父親が定年退職を迎えた頃から、母親がだんだんと言いたいことを言うようになってきたため、あまり気に掛けていなかった「性格の変化」があるためです。
 

<ひとり暮らしの親が認知症:兆候>
・地域の人とのコミュニケーションが減った
イライラしやすくなった
・傷付きやすくなった

 
ただ、これらの性格的な変化は父親が肺癌で亡くなった後から目立ってきたため、配偶者を亡くした哀しみ、高齢のひとり暮らしによる変化だと思っていました。
 

病院へ行くきっかけ

●診察を決めた大きなきっかけは、料理をする姿を見たためです
 
けれども、この性格的な変化が顕著になってから1年ほど経った頃、由紀さんがひとり暮らしの母親の認知症を疑う出来事が増えていきます。
 
由紀さんが「決定的だった」と言うのは、母親が夜ご飯の準備をしていた時、慣れ親しんだ料理をしているのに、食材に迷ったり、手順が分からなくなっている様子を見た時です。
 

<ひとり暮らしの母親が認知症:診察まで>
同じことを連絡してくる
料理の手順が分からなくなっていた
・外出先での落とし物

 
この頃には「○○日は法事だから」と、同じ連絡を何度もするようになっていました。
そこで由紀さんは、遠方に住む姉と相談し、母親を病院へ連れて行きます。
 

認知症の診断

●総合病院の受付で相談をしたところ、脳神経内科で診断を受けました
 
「実は、ひとり暮らしを続けたい母親は、認知症と診断されることを恐れていたので、ひどく嫌がって苦労しました。」と、由紀さんは話してくれました。
 
当時の母親は、「ともかく1人で気楽に暮らしたい、それだけ叶えばいい!」と強く言っていて、本人も自覚があったのか、病院へ行くことを受け付けてくれなかったと言います。
けれども「認知症になったら大変だから、受けてみよう?」と、やっと促しました。
 

<ひとり暮らしの母親が認知症:診断>
①問診を受ける
・どんな症状があった?…料理の手順が分からない
・家族や暮らしに変化は?…父親が亡くなる
・家族が困っていることは?…電話が頻繁にかかる
・日常生活に支障は?…外出先で頻繁に持ち物をなくす
・今、飲んでいる薬などは?…高血圧の薬
 
②診察
・血圧測定
・聴診
・会話(発語・聴力の確認)
・歩き方や手足の状態…小刻み歩行の可能性
 
③検査
・簡単な質問に答える検査
(長谷川式簡易知能評価スケール)
 
④頭部MRI(脳委縮などの確認)
・MIBG心筋シンチグラフィ
 
⑤心電図などの検査

 
…病院では以上の検査を進めました。
由紀さんは何となく気付いてはいたものの、高齢のためだと考えていた症状に、小刻み歩行があります。
 
病院で診察した結果、歩幅が小さくなる小刻み歩行が確認され、その後の検査によりレビー小体型認知症と診断されました。
 

レビー小体型認知症とは

●高齢者に多い認知症の種類で、自律神経症状や睡眠障害などの症状が見られます
 
レビー小体型認知症は脳幹などにタンパク質が蓄積されて起きる、パーキンソン症状で知られている、認知症のなかでも高齢者が発症しやすい認知症の一種です。
 

<ひとり暮らしの母親が認知症:レビー小体型認知症>
①レビー小体型認知症の症状
・睡眠障害
・自律神経症状
・幻視
・パーキンソン症状
 
②パーキンソン症状とは
手足の震え、小刻み歩行など
筋肉のこわばり
・身体のバランス感覚が鈍くなる
・動きが遅く、鈍くなる

 
幻視」とは本人だけが見える幻で、いないはずのペットや人が見える症状ですが、由紀さんの母親には、この症状はありません。
 
小刻み歩行は確認されたものの、まだ初期症状だったためか、「当時はそれほど重要に感じていなかった…」、今は後悔していると言います。
 

認知症の認定

認知症の認定

●母親が住む地域の役所(福祉課)に相談し、由紀さんが付き添って認定を受けました
 
由紀さんが事前に役所に問い合わせたところ、福祉課で要介護認定を受けられるとのこと…(高齢者支援課など、役所によって窓口の名称が変わるので、問い合わせてください)。
 
要介護認定を受けることで、介護保険サービスを受けることができます。
そこで、由紀さんは母親とともに、下記のような流れで要介護1の認定を受けました。
 

<ひとり暮らしの母親が認知症:要介護認定>
●持ち物
・身分証明書
・マイナンバー
・介護保険被保険者証
・介護認定の申請書
 
●要介護1の認定まで
①手足の震えや関節、視力・聴力の確認
②日常生活の聞き取り
 
③問診(母親へ確認)
・名前
・生年月日
・年齢
…など
 
④過去1ヶ月の様子
・感情的な起伏はないか?
・社会的に迷惑になる行動はないか?
…など
 
⑤毎日の活動の様子
・買い物はできるか?
・料理の様子
…など
 
⑥過去2週間以内の受診状況
・現在掛かっている病気はないか?

 
以上の診断の結果、ひとり暮らしだった由紀さんの母親は、認知症による要介護1認定を受けました。
 
要支援ではなく要介護だったことは、納得した」と話す由紀さんは、「介護保険サービスを考えると、要介護1で良かった」と振り返ります。
 

要介護、要支援とは?

●要介護と要支援では、受けられる介護サービスや頻度が変わります
 
ひとり暮らしの母親が認知症と診断され、離れて暮らす由紀さんのケースでは、特に要支援1・2では受けることができない、「夜間対応型訪問介護」や「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」が利用できたことが助かりました。
 

<ひとり暮らしの母親が認知症:要支援と要介護>
①要支援(1.2)…日常生活は少しの支援が必要
●訪問型サービス
・訪問介護
・訪問入浴
・訪問看護
・訪問リハビリテーション
・居宅療養管理指導
 
●通所型サービス
・デイサービス
・デイケア
・ショートステイ
 
●訪問+通所型サービス
・小規模多機能型居宅介護
・短期入所生活介護
・短期入所療養介護
・グループホーム(要支援2~)
・地域密着型特定施設入居者生活介護
 
●環境
・福祉用具貸与(要件あり)
・特定福祉用具販売
・住宅改修費の支給
 
②要介護…日常生活全般で、介護が必要
※上記「要支援1.2」に加えて、下記の介護サービス利用が可能
 
●訪問型サービス
・夜間対応型訪問介護
・定期巡回・随時対応型、訪問介護看護
 
●訪問+通所型サービス
・看護小規模多機能型居宅介護
 
●入居型サービス
・介護老人保健施設
・介護療養型医療施設
・介護医療院
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

 
由紀さんの場合、ひとり暮らしをしている母親は認知症ではあるものの、日常生活はこなしていましたし、「要介護1」であったこと、そして何よりも、ひとり暮らしを続けたい母親の意思が強く、認知症ではありましたが、入居型サービスは避けました。
 

要介護と要支援の違いと、要介護の兄が要支援になった美保子さんの体験談は下記です。
要介護と要支援の違いとは?要介護認定だった兄が、頑張って要支援になった結果は退所!

 

ひとり暮らしの認知症トラブルと対策

ひとり暮らしの認知症トラブルと対策

●最もリスクの高いものから、ひとつずつ対策を進めます
 
要介護1の認定を受けた後、由紀さんは地域包括支援センターでケアマネージャーと話し合い、公的介護サービスを利用する他、高齢者向けの食事宅配サービスも契約しました。
 
ケアマネージャーさんより「要介護2まではひとり暮らしの人も多い」とお話をいただいたうえで「認知症であれば、リスクの高い部分から解消しましょう」とアドバイスをいただきます。
 

<ひとり暮らしの母親が認知症:リスク>
●危険度の高いリスクから
火の不始末
・外出先での行方不明
・服薬管理ができない
・失禁など、排泄トラブル
金銭管理ができない
食生活の不備
・近隣住民とのトラブル

 
由紀さんの母親の場合、認知症の診断は受けたものの、失禁トラブルもかつてなく、大掛かりな料理は避けるようにお願いしたものの、簡単な炊飯などはできていたので、まずは最も危険な火の元、外出先での行方不明を予防する対策を取りました。
 

<ひとり暮らしの母親が認知症:対策>
①公的介護サービス
・デイケア…週に2回
・訪問介護…週に3回
訪問看護…週に2回
 
②民間サービス
・高齢者向け食事宅配サービス(見守り付き)
 
③ガスコンロをIHに変更
GPS搭載のキーホルダー
⑤服薬を管理するケース

 
また地域の自治会長さんへご挨拶をして事情を話したところ、昔より親しくしていた近隣住民の人々が気に掛けてくれるようにもなっています。
 
けれどもひとり暮らしのせいか、母親の認知症症状がみるみる悪化し、自治会長さんから連絡がくるようになったのです。
 

自治会長さんより連絡

●自治会長さんから「夜間の徘徊があるようだ」と、連絡がきます
 
ひとり暮らしの母親が認知症の認定を受けてから半年、挨拶の後、日ごろから気に掛けてくれていた自治会長さんから連絡がきました。
 
主な内容は「夜間の徘徊があるかもしれない」と言うもの、子ども向けGPSは付けていたものの、由紀さんも夜間は眠っていたため、気付くことがなかったと言います。
 
実は、定期的にひとり暮らしの母親を訪ねるなか、認知症が悪化していると感じる出来事はありました。
 

<ひとり暮らしの母親が認知症:症状が酷くなる>
ゴミの分別ができていない
お金を神経質に隠す
物が頻繁になくなる
・夜間徘徊(の疑い)
・1日に10回以上、頻繁に電話が掛かる

 
…などなど、認知症が見つかった初期とは明らかに症状が悪化していることを「認めない訳にはいかない」と感じた由紀さんは、老人ホームの入居を検討するようになりました。
 

母親が階段で転倒

母親が階段で転倒

●ある朝、いつものように訪ねると、階段から転倒して倒れている母親を発見します
 
老人ホームの入所に向けて、ケアマネージャーと相談をしていた矢先、いつものようにひとり暮らしの母親を訪ねると、階段から転倒して倒れている母親を発見しました。
 
※認知症の症状(小刻み歩行)によるものかどうかは分かりません
 
認めたくはないことですが、由紀さんが発見した時点で、母親が亡くなっていたことは明らかでした。
 
まず由紀さんが電話をしたのは救急車「119番」でしたが、「母親に触れずにお待ちください」と言ったきり、15分経っても来ないまま、電話をしても繋がりません
 

<ひとり暮らしの母親が認知症:階段から転倒>
●そこで由紀さんは警察「110番」に電話をします。
※警察と救急車、双方が到着しました
 
①警察による「死体見分
 
②立ち合い医師による死亡確認
(医師は警察が手配)
 
葬儀社へ連絡
(警察の葬儀社リストより)
 
④葬儀社の到着と遺体の搬送
死体検案書の受け取り
葬儀の打ち合わせ、段取り

 
階段から転倒した母を発見した後は、警察の言われるままにあれよあれよと進みました。
 
●警察が介入した場合、「死体検案書」が死亡診断書の代わりです
 
「後から聞くと、緊急時や明らかに亡くなっている場合は、24時間対応の警察の方が速やかに動いてくれるそうです。」と由紀さんが言います。
 
「だけど、お医者様は警察の方だし初見なんですよね。最後には警察が介入するとは説明されましたが、かかりつけ医に電話をしていたら、違っていたでしょうか?」と話していたことが印象的です。
 

家族が危篤状態になったら行うことは、下記をご参照ください。
【家族が亡くなったら】家族が危篤になった時、慌てず行うべき5つのこと|永代供養ナビ

 

最後に

以上が、ひとり暮らしの母親が認知症と診断された山本由紀さん(55歳会社員:仮名)の体験談でした。
 
最後に由紀さんが気に掛けていた「かかりつけ医に電話をしていたら…」との後悔ですが、確かに在宅療養中に病気症状による自宅死は、かかりつけ医に連絡をすることで、医師から死亡診断書をもらうことができるでしょう。
 
けれども由紀さんの母親の場合、階段から転倒した事故による突然死なので、いずれにしても医師が死亡診断書を交付することができません
 
ただ、今回のケースでは「誰かが突き落とした事件性」は疑われなかったため、比較的スムーズに手続きが進んだ側面もあります。
 

 

まとめ

ひとり暮らしの母親が認知症になった体験談
●兆候
・コミュニケーションが減った
・イライラしやすくなった
・傷付きやすくなった
 
●診察のきっかけ
・同じことを連絡してくる
・料理の手順が分からなくなっていた
・外出先での落とし物
 
●診断結果…レビー小体型認知症
・睡眠障害
・自律神経症状
・幻視
・パーキンソン症状
 
●認知症の認定、対策
・デイケア…週に2回
・訪問介護…週に3回
・訪問看護…週に2回
・食事宅配サービス
・ガスコンロをIHに変更
・GPS搭載のキーホルダー
・服薬を管理するケース
 
●認知症ひとり暮らしリスク
・火の不始末
・外出先での行方不明
・服薬管理ができない
・失禁など、排泄トラブル
・金銭管理ができない
・食生活の不備
・近隣住民とのトラブル
 
●階段転倒、発見後
・警察による「死体見分」
・立ち合い医師による死亡確認
・葬儀社へ連絡
・葬儀社の到着と遺体の搬送
・死体検案書の受け取り
・葬儀の打ち合わせ、段取り

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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