
副葬品とは?花をはじめとした選ばれるものの例や火葬できないものの対処法も紹介

「副葬品として棺に入れられる品には、どんな種類のものがあるのだろうか」
「故人の好きだった品を一緒に入れてあげたいが、禁止されていないか心配」
身内や知人に不幸があり、故人と一緒に埋葬する副葬品を選ぶときには、このような疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、故人と一緒に埋葬する副葬品にはどんなものを選べば良いのか、また禁止されていることや事前に確認しておくものについても詳しく紹介しています。
この記事を読むことで、副葬品としてよく選ばれる品にはどのようなものがあるのか、禁止されている副葬品や迷ったときのポイントについても知ることができます。
この知識をもとに事前に準備をしておくことで、故人との最後のお別れを悔いの残らないものにすることができるでしょう。
不幸は突然起こる出来事とはいえ、事前に心構えや準備をしておくことは必要ですので、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
故人と一緒に埋葬する「副葬品」とは?
副葬品とは、故人が愛用していたものや、遺された方から故人への手向けのために一緒に埋葬する品々のことをいいます。
生前に故人が好きだった愛用品などはぜひ一緒に入れてあげたいと思うものでしょう。しかし、中には副葬品として選べない品や事前に申請をしなければいけないものもあります。
この記事では、副葬品として選ばれるのはどのようなものが多いのか、選べない品物や注意しておく点について紹介します。
副葬品として選ばれることが多いもの
副葬品の歴史は古く、さまざまな品が故人のために選ばれてきました。現代では、旅立ちのための手向けとして、生前に故人が愛用していた品々を選ぶのが一般的です。
また、現代の日本では火葬が一般的な葬法になるため、副葬品は棺の中の遺体と一緒に火葬できるものを選ぶ必要があります。
ここでは、副葬品として選ばれることが多い品について詳しく説明します。
故人が好きだった花
生前、故人が好きだった花は副葬品として選ばれることが多い品です。その際は、切り花を選ぶようにしましょう。
日本の葬儀では、棺に故人が納められた後に、祭壇に備えられた花を切り取って入れてあげるケースが多いといえます。そのときに、準備しておいた花も一緒に入れてあげましょう。
故人のお気に入りや思い出の服
故人のお気に入りや思い出の服も副葬品としてよく選ばれますが、納棺された遺体はすでに白装束が着せられている場合が多いため、たたんで花や他の副葬品と一緒に棺に入れてあげましょう。
化学繊維の衣類ではなく、絹や綿、麻などの天然素材のものを選ぶようにします。また、葬儀社によっては死装束の代わりに故人の愛用していた服を着用させてくれることがあるため、希望する場合は早めに相談するようにしましょう。
故人に宛てた手紙
故人への感謝や思いの丈をつづった手紙や寄せ書きなども、副葬品として選ばれることが多い品の一つです。
葬儀は遺された人々が故人との思い出を偲び、別れを受け入れるための儀式です。そのため、心のこもった手紙を書くことでより気持ちを整理することができるため、故人を見送るための準備に繋げることができます。
故人が写っている写真
旅行やイベントなどで楽しんでいる故人が写っている写真なども、副葬品としておすすめです。
ただし、ご存命の方が一緒に写っている写真を副葬品として扱うのは、一緒にあの世に連れて行かれてしまうという説があり、縁起が良くないために嫌がられることがあります。故人以外の方が写っている写真はできるだけ避けるか、きちんとご本人に確認しておくようにしましょう。
故人が事前に希望していたもの
愛用品やコレクションなど、生前に故人が副葬品として取り扱って欲しいと希望していた品がある場合は、できるだけ故人の意思に沿って棺に入れてあげましょう。
生前に副葬品の話をしたことがなくても、エンディングノートなどに故人の希望が書かれている場合があるため、葬儀の前にきちんと確認しておくようにしましょう。
御朱印帳や千羽鶴
寺院を巡って集めた御朱印帳や写経帳、病室に飾られていた千羽鶴なども副葬品としてふさわしい品々です。
御朱印帳は生前に仏様を厚く信仰した証であり、故人の死後の幸せを願うという意味があるためおすすめです。また、千羽鶴は大量の紙を燃やすことで火葬炉に異常が起こる場合があり、禁止している火葬場もあるため、注意が必要になります。
副葬品として選ぶことができないもの
現在の日本ではほとんどが火葬のため、燃え残りが発生しやすい、爆発の危険性があるなど、副葬品として選ぶことが禁止されている品もあります。
また一般的には燃やすことができる素材でも、サイズや状態によっては火葬炉の故障に繋がるため、棺に入れることのできないケースもあるでしょう。
ここからは、副葬品として選ぶことができない品々を詳しく説明します。
本物のお金
金属である硬貨は燃やすことができず、また本物のお金を故意に損傷させることは貨幣損傷等取締法という法律に触れるため、副葬品に選ぶことはできません。
地方によっては、三途の川の渡し賃として六文銭を副葬品にするという風習もありますが、現在はレプリカや印刷したお金を代用するケースが一般的です。
メガネや腕時計など金属やガラス類が使われているもの
故人の生前の愛用品であっても、メガネや腕時計など金属やガラス類が使われているものは副葬品として選ぶことはできません。
ガラスが溶けて遺骨に付着したり、金属が燃え残って火葬炉の故障の原因になったりすることがあります。もし故人のお気に入りやトレードマークだったのであれば、葬儀が終わるまでは着用してもらい、出棺の前までに外してあげるようにしましょう。
カーボン製品や皮革製品
カーボン製品や皮革製品は燃えにくく、燃え残った成分が遺骨を汚したり、火葬炉の換気設備の故障の原因になったりする可能性があります。
スキーやスノーボードの板、釣り竿やゴルフクラブのシャフトなどにもカーボン製品が含まれているため、注意が必要です。火葬場によっては禁止されている場合もありますが、気になる際は事前に確認しておくようにしましょう。
有害物質の発生や爆発の危険があるもの
有害物質が発生する恐れのあるビニール製品やプラスチック製品、爆発の危険があるものは、副葬品に選んではいけません。
ビニールやプラスチックは日用品にもよく使われている素材のため、注意が必要です。
またスプレー缶やライター以外にも、スイカやメロンなどの大きなフルーツも丸ごとの状態で熱すると爆発する恐れがあります。もし副葬品にしたい場合は、小さくカットして入れてあげるようにしましょう。
副葬品として棺に入れる前に確認しておく必要があるもの
火葬場によっては一概に禁止されていないものの、副葬品として選ぶ際に注意しておく品もあります。
迷ったらやめておくのも無難な選択ではあるでしょう。しかし、故人との最後のお別れの儀式で後悔を残さないように、事前に注意点を確認しておくことをおすすめします。
ここからは、棺に入れる前に相談や届出が必要な副葬品について詳しく説明します。
故人の好きな食べ物や飲み物
故人の好きだった食べ物や飲み物は、遺体と一緒に火葬炉で燃やすことができるため、よく選ばれやすい副葬品とはいえますが、種類や包装の状態によっては注意が必要です。
大きめの果物のように水分が多く含まれているものや、缶や瓶に入っている飲料などは燃え残ってしまうため、棺に入れることはNGです。紙パック入りのものなどは問題ありませんが、サイズが大きい場合は念のため、火葬場に確認しておいた方が無難でしょう。
ペースメーカーなどの医療機器
生前にペースメーカーなどの医療機器を体に入れていた場合、火葬の際には注意が必要です。
ペースメーカーをつけていた方が亡くなった場合は、取り外すことなくそのまま葬儀を行うことになります。ですが、そのまま火葬してしまうと爆発などの危険な事故を引き起こす可能性があるため、事前に葬儀社や火葬場に申し出ておく必要があります。
大きなぬいぐるみ
大きなぬいぐるみなどは燃やすことのできる素材であっても、念のため葬儀社や火葬場に確認しておいた方が良い副葬品です。
大きなぬいぐるみや布団などは燃えにくく、たとえ燃やすことができても大量の灰が出る恐れがあります。火葬場によっては、ぬいぐるみ自体が禁止品に指定されている場合もあるため、棺に入れる前に確認が必要です。
ページ数が多い書籍
ページ数が多い書籍や大きなアルバムなども、燃え切るまでに時間がかかったり、大量の灰が出たりするため注意が必要です。
ページ数や大きさによって違いがあるため一概にはいえませんが、できるだけページを切り離して必要な部分だけを選んだり、薄くて小さめのサイズの本を選んだりするようにします。
迷った際は自分で判断せずに、事前に葬儀社に相談するようにしましょう。
副葬品として棺に入れられるか迷ったときのポイント
故人のためを思って心を込めて選んだ品が、副葬品として取り扱うことができなかったら、後々まで心残りになってしまう可能性もあります。悲しい状況になるのを防ぐため、副葬品として選ぶことのできる品のポイントを押さえておくことはとても重要だといえます。
ここでは、副葬品として棺に入れられるか迷った場合に確認しておきたい点について、詳しく説明します。
- 判断基準を確認しておく
- 心配な場合は葬儀社や火葬場に相談する
判断基準を確認しておく
副葬品として選ぶことのできるものの判断基準とは、溶けて付着するなど遺骨に悪い影響がないか、火葬炉の故障や周囲の環境汚染・公害に繋がらないか、燃えにくく火葬時間が延長にならないかという点です。
日用品には異なる素材が組み合わさった品が多いため、小さな面積であっても上記のような危険性がある素材が含まれていないか、事前にきちんと確認しておく必要があります。
心配な場合は葬儀社や火葬場に相談する
自分で判断をつけることが難しい場合や、心配事がある場合は、諦めてしまう前に葬儀社や火葬場に相談してみましょう。
一般的に問題のない副葬品のように思えても、火葬場や地域の習俗などにもとづいてNGとされる場合や、逆に問題ないとされる副葬品もあります。
葬儀社や火葬場は葬儀のプロであるため、たとえ副葬品としては却下された場合でも、代替案やアドバイスをくれることもあります。迷ったときは火葬の直前ではなく、できるだけ事前に相談するようにしましょう。
副葬品として火葬できないものへの対処法とは?
葬儀社や火葬場と相談した上で火葬が難しいと判断された副葬品は、諦めるしかないのでしょうか。せっかく故人のためを思って選んだ品です。一緒に棺に入れてあげることができなくても、代わりにできることがあります。
ここからは、副葬品として火葬できないものへの対処法をケースごとに見ていきましょう。
代用品を入れてもらう
土葬の時代には、死者が三途の川を渡るための渡し賃として、遺体と一緒に六文銭などの小銭を入れるという風習がありました。現在では、本物の硬貨を副葬品にすることはできないため、代わりに木でできたレプリカや紙に印刷した代用品を入れてあげることが一般的です。
このように、入れてあげたいものの代用品を準備して、本物の代わりに棺に入れるという手段を取ることができます。
入れられないものを撮影した写真を入れる
サイズが大きすぎるものや、燃やせない素材のために棺に入れられない副葬品は、写真に撮ってそれを代わりに棺に入れてあげるということもおすすめです。
写真や絵ならば、愛用のゴルフクラブセットや車やオートバイ、釣り用具など、どんな大きなものでも副葬品に選ぶことができます。ぜひ難しそうだと諦めてしまう前に、色々と工夫を凝らしてみてください。
火葬する直前まで棺の上に置いておく
火葬することができない副葬品は、出棺の直前まで棺の上に置いておき、故人と一緒に拝んであげましょう。
また、故人が生前に愛用した楽器や好きなCDなどがある場合は、出棺するまでBGMとして曲をかけてあげることもおすすめです。お葬式の演出の一つとして、事前に葬儀会場に相談してみましょう。
お骨と一緒に骨壷に入れる
故人の愛用品で火葬ができない小さなものについては、火葬した後のお骨と一緒に骨壷に納めてあげることもできます。
メガネや腕時計、結婚指輪など、故人のトレードマークや常に身につけていた愛用品などは死後も一緒に持たせてやりたいと考える遺族も多いため、そのときは骨壷に入れて一緒に埋葬してあげましょう。
火葬できる副葬品とは何かを確認して故人を送り出そう
ご不幸は急な場合も多く、葬儀は日程が決められていてゆっくり考える余裕もないため、副葬品に悩むことも多いでしょう。
すべてを完璧に準備することが難しい状況にあっても、故人のことを考えながら心を込めて副葬品を選ぶのが重要でしょう。
紹介した記事の内容を参考に、ぜひ故人との最後のお別れで心残りのないように準備してみてください。
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