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寄与分とは?認められる要件や計算方法・特別寄与料制度についても解説

寄与分とは?認められる要件や計算方法・特別寄与料制度についても解説

「寄与分って何?」
「寄与分として認められる条件を知りたい」
「寄与分」は相続時に考慮しなければならないことですが、詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか。

 

本記事では寄与分とは何なのか、寄与分が認められる条件や認められるパターン、寄与分が認められた場合の算定方法や寄与分を主張する際のポイントなどをまとめています。

 

この記事を読むことで寄与分のことが知れ、寄与分の権利を持った場合、適切に主張できるようになるでしょう。

 

他に寄与分が認められない場合や「特別寄与料」についても解説しています。それらの情報を知り、相続をスムーズに進められるようになるでしょう。

 

寄与分について疑問や不安がある場合は、ぜひこちらをご覧になってみてください。

寄与分とは?

寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加について特別の寄与をした相続人に対して認められ、本来の相続分に寄与分を加算した遺産を受け取ることができます。寄与分については、共同相続人間の協議で決定します。

 

出典|参照:民法(寄与分)第九百四条の二|e-Gov法令検索サイト

寄与分が認められる5つの要件

寄与分は被相続人の財産を増やすことに貢献していたり、あるいは生活の面倒を見ていたりすれば、必ず認められるというものでもありません。

 

ここでは寄与分が認められるために必要とされる、5つの条件について解説します。条件を満たしていても必ず認められるとは限らないため、これらは最低限満たすべき条件だと理解しておきましょう。

1:相続人である

寄与分として認められるためには、被相続人の財産維持や増加に寄与した人がそもそも「相続人」でなければなりません。もし寄与した人がいても、その人が相続人でなければ、寄与分は認められないため注意しましょう。

 

相続人については民法で定められており、被相続人に配偶者がいれば常に相続人となります。

 

それ以外の相続人を優先順位で紹介すると、被相続人の子ども(もし子どもがなくなっていれば直系卑属)、被相続人の直系尊属(父母または祖父祖母)、最後に被相続人の兄弟姉妹です。

 

出典|参照:No.4132 相続人の範囲と法定相続分|国税庁

2:貢献度が非常に高い「特別の寄与」にあたる行為を行った

「特別の寄与」は、通常行うべき範囲を超えた行いということです。もし被相続人の親や配偶者が被相続人の療養看護として身の回りの世話をしていたとしても、それが通常の助け合いの範囲内ならば特別の寄与とは認められないでしょう。

 

これは民法において同居する親族に対しては互助義務、夫婦にはお互いに協力する義務や兄弟にも親族の扶養義務があるためです。義務の範囲内の行いと考えられれば、寄与分として認められないでしょう。

 

出典|参照:民法(寄与分)第九百四条の二|e-Gov法令検索サイト

3:長期間にわたって行為を行った

被相続人への「特別の寄与」が認められるためには、その貢献が長期間にわたって行われている必要があります。

 

たとえば1週間だけ被相続人の介護を行った場合、長期間の行為ではないため「特別の寄与」として認められない可能性が高いでしょう。

 

ではどの程度の期間であれば、長期間と言えるのでしょうか。継続性の判断ポイントとなる期間については個人の考え方や解釈によって変わるため、一概には言えません。

 

しかし一般的に、約3年以上行っていれば継続性があると認められ、長期間にわたって行為を行ったと見なされやすいでしょう。

 

出典|参照:私の寄与分は認められる?寄与分が認められるために重要な5つの条件|[運営]ランドマーク税理士法人

4:被相続人の財産の増加又は維持に寄与をした

特別寄与者として認められるためには、被相続人にいくら貢献していたとしていたとしても、そのことで被相続人の財産を増やしたか減るのを防いだ、という事実が証明できなければ寄与分とは認められません。

 

寄与分を定義している民法第九百四条の二において、特別寄与者として認められる条件が定義されています。

 

出典|参照:民法(寄与分)第九百四条の二|e-Gov法令検索サイト

5:無償又は無償に近い行為を行った

寄与分として認められるためには、被相続人に対する行為が無償又は無償に近い行為でなければなりません。

 

もし被相続人の事業で働く代わりに適切な報酬を得ていた場合、無償又は無償に近い行為ではないため、寄与分とは認められないでしょう。

 

ただ、報酬を受け取っていた場合でも、明らかに他の人の報酬より低かったり無償に近いほど低額であったりした場合は、寄与分と認められる可能性があります。

 

出典|参照:私の寄与分は認められる?寄与分が認められるために重要な5つの条件|[運営]ランドマーク税理士法人

寄与分が認められる5つのパターン

ここでは、寄与分が認められる5つのパターンを紹介します。寄与分が認められるパターンとはどのようなものなのか、実際の例を参考にしてみましょう。

 

ただ、寄与分が認められるかどうかはケースバイケースです。これらのパターンと類似の事例だったとしても必ず寄与分が認められるとは限らず、認められない可能性もあるため、注意してください。

1:家業従事型

「家業従事型」とは、被相続人の事業に関する労働を無償又は無償に近い行為で行っていた場合に該当するパターンです。

 

たとえば被相続人が家業として農業を行っており、相続人が農業を長年にわたり手伝うことで収穫量が増えた場合、被相続人の財産を増やすことに貢献したと見なされた場合に該当します。

 

家業従事型は農業で適用されることが多いのですが、家業として農業以外を行っていた場合も該当します。

 

出典|参照:私の寄与分は認められる?寄与分が認められるために重要な5つの条件|[運営]ランドマーク税理士法人

2:療養看護型

「療養看護型」は被相続人の療養看護のために、通常の義務の範囲を超えて貢献した場合にあてはまるパターンでしょう。たとえば被相続人を長年にわたり介護し、介護費用の発生を防ぎ、被相続人の財産を維持することに貢献したと見なされるケースです。

 

ただ、療養看護型の場合は、それが義務の範囲かどうかが重要な判断基準となります。ちょっと面倒を見ていた、病院にお見舞いした程度では認められません。被相続人の介護をした場合も自宅で主体的に、かつ無償又は無償に近い行為でなければ認められにくいでしょう。

 

出典|参照:私の寄与分は認められる?寄与分が認められるために重要な5つの条件|[運営]ランドマーク税理士法人

3:金銭等出資型

「金銭等出資型」は、被相続人の事業に関して金銭や不動産などで出資を行ったパターンです。たとえば被相続人が事業を行うための不動産を貸し出していた場合や、事業資金を支援した場合などが該当するでしょう。

 

ただ金銭等出資型で注意しなければならないのは、被相続人に対する支援であれば該当するものの、被相続人の会社に対する支援は原則寄与分とは認められないということです。被相続人への金銭等の出資でなければ認められない、ということに気をつけてください。

4:財産管理型

「財産管理型」は、被相続人の財産を管理することによって管理費用の発生を防ぎ、それによって被相続人の財産の維持に貢献したと見なされるパターンです。

 

財産管理型と認められるケースには、被相続人が所有する不動産の清掃やメンテナンスを長年にわたって行った場合があるでしょう。相続人の1人が不動産の管理を行うことで、本来発生するはずだった管理費用が発生しなかったと認められる可能性があります。

 

他に、被相続人が所有する不動産の固定資産税を長年の間、負担していたといった場合もこちらのパターンになるでしょう。

5:扶養型

「扶養型」は、被相続人に生活費等を支援することで本来被相続人が支払う必要だった生活費等の支出を防ぎ、財産の維持に貢献したと見なされるパターンです。

 

たとえば父が亡くなり残された母が高齢といった理由で働けず、息子が母親の生活費等を支援していた場合には、その支援があることで母親の財産の維持に貢献したとして、寄与分が認められるでしょう。

 

また同居している扶養型の場合は、そもそも扶養の義務があるため認められない可能性があることに注意してください。

 

出典|参照:民法|e-Gov法令検索サイト

 

出典|参照:扶養型の寄与分とは|弁護士法人ALG&Associates 大阪法律事務所

寄与分が認められない場合がある理由

寄与分は、主張すれば認められるとは限りません。この記事で紹介したような寄与分が認められるパターンと類似の事例であったとしても、認められないケースも存在します。

 

寄与分が認められるかどうかはケースバイケースで、類似の事例でも認められる場合もあれば認められない場合もあるためです。

 

寄与分が認められない場合があるのは、認められるためのハードルがかなり高いことが理由として考えられています。

介護などの貢献の証明となる資料を揃えづらい

被相続人の療養看護で寄与分を主張するような場合、介護により被相続人の財産維持に、どの程度貢献したのか証明することは困難でしょう。また、それを証明する資料を揃えづらいことが理由です。そのため、寄与分として認められなくなってしまいます。

それぞれの主張があるため話し合いで折り合いがつきにくい

1人の相続人の寄与分を認めると、他の相続人の相続分が減ることになります。

 

金銭的な事情もあり、当事者間で寄与分であるかないかといった主張の食い違いが生じ、話し合いでは折り合いがつかず寄与分が認められないことがあるでしょう。

 

これは、被相続人の財産の維持や増加への貢献具合が目に見えない場合が多いことが理由の1つです。目に見える貢献度の違いがわからないため、それぞれが被相続人の財産への貢献を主張すると折り合いがつかなくなってしまいます。

「特別の寄与」の要件が厳しい

寄与分として認められるには、それが「特別の寄与」として認められなければなりません。

 

特別の寄与として認められるには、無償性や継続性(長期間行っていること)、専従性などが必要です。しかし、これらの要件を全て満たすのは難しいことから、寄与分が認められにくくなっているでしょう。

 

また、これらの要件の他にも家業従事型であれば事業への特別な貢献、療養介護型であれば、療養介護する必要性と被相続人に対する特別な貢献が求められます。

 

通常の範囲内と認められる行為では特別な貢献にはならないため、要件はかなり厳しいでしょう。

【パターン別】寄与分が認められた場合の算定方法

もし寄与分を認めてもらえた場合、寄与分を相続分に上乗せされます。家業従事型や金銭等出資型など、パターンによって寄与分の算定方法は変わってくるため、注意してください。

 

ここでは、それぞれのパターンごとの算定方法を紹介します。寄与分を計算する際の参考にしてみましょう。

1:家業従事型の場合の計算

家業従事型の場合の寄与分の算定方法は、「本来受けられるはずだった年間給与額×(1-生活費控除割合)×寄与年数」になります。

 

本来受けられるはずだった年間給与額とは、特別寄与者が家業に従事していなかった場合に受け取れるはずの給与額のことです。これは、同業種・同年齢の平均賃金で算定します。

 

家業従事型の場合は同居しているケースも多いでしょう。その際は同居等で被相続人から生活の援助を受けたとして、その割合を生活費控除割合として差し引いた上で寄与年数分を乗算しましょう。

 

出典|参照:【5つのタイプ別】寄与分の計算方法|弁護士法人サリュ

2:療養看護型の場合の計算

療養看護型の算定方法は、「療養看護で本来支払う日当額×療養看護日数×裁量的割合」です。

 

療養看護で本来支払う日当額とは、もしヘルパー等を雇用していた場合に必要となる日当額のことです。日当額については、介護報酬基準額を用いて計算するのが一般的でしょう。その日当額に療養介護した日数を乗算することで療養看護型の寄与分が計算できます。

 

最後の裁量的割合は、個別の事情を考慮して決めます。扶養義務や助け合いの義務があることなどの事情により、全額ではない場合が多いでしょう。

 

出典|参照:【5つのタイプ別】寄与分の計算方法|弁護士法人サリュ

3:金銭等出資型の場合の計算

金銭等出資型の場合の算定方法は、何を出資したのかによって算定方法が変わることに注意しましょう。以下が算出方法です。

 

・金銭で支援した場合「贈与金額×貨幣価値変動率×裁量的割合」
・不動産を贈与した場合「相続開始時の不動産評価額×裁量的割合」
・不動産取得のために資金出資していた場合「相続開始時の不動産評価額×(出資額÷不動産取得時の価格)×裁量的割合」
・不動産を無償で被相続人に貸与していた場合「相続開始時の賃料相当額×使用期間×裁量的割合」

 

金銭での支援は支援した時の価格で計算するため、貨幣価値変動率を考慮する必要があります。不動産贈与の場合は支援した時ではなく、相続開始時の評価額が軸になります。裁量的割合は、個々の事情により割合が異なります。

 

出典|参照:【5つのタイプ別】寄与分の計算方法|弁護士法人サリュ

4:財産管理型の場合の計算

財産管理型の場合の算定方法は、「第三者に管理を委任した場合の報酬額×裁量的割合」になります。

 

特別寄与者が不動産の管理をしていた場合、その不動産の管理を第三者に依頼した場合の報酬額はいくらになるのか、その額と裁量的割合によって寄与分が決まります。財産管理型の裁量的割合は、個々の事情により変わってくるでしょう。

 

出典|参照:【5つのタイプ別】寄与分の計算方法|弁護士法人サリュ

5:扶養型の場合の計算

扶養型の場合の算定方法は、「負担した扶養料×期間×(1-寄与相続人の法定相続分割合)」です。扶養として実際に負担していた額と扶養していた期間、それに裁量的割合を乗算したものが扶養型の寄与分となります。

 

実際に負担した扶養料については、仕送りした額や同居していた時に渡していた生活費や小遣い額が相当します。生活保護基準額を用いて計算する場合もあるでしょう。

 

出典|参照:【5つのタイプ別】寄与分の計算方法|弁護士法人サリュ

「特別寄与料」制度について

寄与分の他に、「特別寄与料」という制度が創設されています。特別寄与料というのは、相続人以外の親族が無償で被相続人の介護等を行い、特別の寄与をした場合、他の相続人に対して特別寄与料を請求できるという制度です。

 

たとえば父親の介護が必要になって長男夫婦が無償で引き受け、長男が先に亡くなった後も長男の妻が介護を行っていた場合、特別寄与料を請求することは可能です。

 

寄与分が相続人の被相続人への貢献に報いる制度なら、特別寄与料は相続人でない親族の被相続人への貢献に報いる制度という違いがあります。

 

出典|参照:民法 第千五十条|e-Gov法令検索サイト

特別寄与料の主張ができる親族

特別寄与料は、誰でも主張できるという訳ではありません。特別寄与料の主張ができる親族とは、民法の親族の範囲により、6親等内の親族あるいは3親等内の姻族と定められています。

 

ただ、相続人や相続放棄していた人、相続の欠格事由に該当しているか相続廃除されていた人は相続権を失っているため、特別寄与料の主張ができません。

 

出典|参照:特別の寄与|不動産名義変更手続センター

特別寄与料の決定方法と期限

特別寄与料の決定は、まず当事者間で協議をする必要がありますが、もし協議がまとまらないか協議が行われない場合は、家庭裁判所に処分を請求して特別寄与料が決定する流れとなります。

 

ただ、家庭裁判所への処分の請求には期限があるので注意しましょう。相続人が相続の開始を知った日から6か月経過した時、又は相続開始から1年が経過する時に期限を迎えます。

 

出典|参照:民法 第千五十条|e-Gov法令検索サイト

寄与分を主張する際のポイント

寄与分が認められるための条件を理解するだけでなく、主張の仕方や申し立てる方法、手続きの仕方についても覚えておきましょう。

 

また寄与分の主張方法を理解しておくことで、交渉を有利に進められる可能性もあります。

 

ここでは寄与分を認めてもらうために、寄与分を主張する際のポイントについて解説します。

 

・遺産分割協議で寄与分を主張する

・裁判所に遺産分割調停の申し立てを行う

・寄与分を求める調停の手続きについて確認する

・銀行預金の通帳の写しやカードの履歴を用意しておく

・被相続人の介護度がわかるものを用意しておく

・介護の期間・時間・内容がわかるものを用意しておく

・家事(家業)に従事していた記録を用意しておく

遺産分割協議で寄与分を主張する

「遺産分割協議」は相続人が全員集まって、相続する財産や分割方法などについて話し合う場です。寄与分がある場合、まずは共同相続人との遺産分割協議の場で主張しましょう。遺産分割協議で自分の被相続人への寄与について主張し、証拠となるものがあれば提示します。

 

介護に費やした時間やお金、あるいは事業に貢献した時間や労務を金銭換算した書類など、寄与の証拠となるものがあれば遺産分割で寄与分を認めてもらいやすくなるでしょう。

 

遺産分割協議で寄与分が認められれば、ここで寄与分が決定します。

裁判所に遺産分割調停の申し立てを行う

共同相続人との遺産分割協議で寄与分が認められなかったり、認められたもののその割合に納得がいかなかったりした場合は、家庭裁判所に「寄与分を定める処分調停」を申し立てることになります。

 

家庭裁判所では、寄与分を定める処分調停では当事者から事情を聴くことや資料、証拠の提示をして当事者間での合意を目指してサポートしてくれます。

 

それでも話がまとまらず、寄与分を定める処分調停が不成立となった場合は審判手続きが開始されます。遺産分割審判の申し立てをしておきましょう。

寄与分を求める調停の手続きについて確認する

調停の手続きを開始する前に、手続きの方法や必要になる書類・費用について確認しておきましょう。

 

家庭裁判所へ寄与分を定める処分調停の申し立てに必要な費用は「申立人の人数分の収入印紙1,200円分」と、連絡用郵便切手です。申し立てに必要になる書類は、以下になります。

 

・申立書(相手の人数分+1枚)
・申立添付書類(遺産分割事件が係属していれば不要)
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員分の住民票、又は戸籍附票
・被相続人の子(代襲者も含む)が亡くなっていた場合、その子どもの出生から死亡までの戸籍謄本
・遺産に関する証明書

 

寄与分を定める処分調停を検討している場合は、これらの必要書類や費用を準備しておきましょう。

 

出典|参照:寄与分を定める処分調停|裁判所

銀行預金の通帳の写しやカードの履歴を用意しておく

寄与分が金銭等出資型や財産管理型、扶養型などで被相続人と金銭のやりとりがあった場合は、「銀行預金の通帳の写し」や「カードの履歴」などが証拠となるため、用意しておきましょう。

 

この場合の注意点としては、銀行預金の通帳の写しやカードの履歴は再発行に期限が設けられている場合があるため、なるべく早いうちに通帳の写しやカードの履歴の再発行を行っておきましょう。

被相続人の介護度がわかるものを用意しておく

寄与分が被相続人の療養看護型であった場合は、被相続人の介護度がわかるものを用意しておく必要があります。

 

たとえば被相続人のカルテまたは診断書、要介護認定関係の書類などを用意しておくと良いでしょう。要介護認定の介護等級が高いほど、当時の介護の必要性が認められて、寄与分を認められる可能性があります。

介護の期間・時間・内容がわかるものを用意しておく

療養看護型の場合は、介護していた期間や介護に要した時間、実際にどんな介護をしていたのか介護内容がわかるものを用意しておきましょう。

 

たとえばヘルパーさんに依頼したことがある場合はヘルパーさんが作成してくれた連絡ノート、特別寄与者本人が療養看護したことを示す日記などが該当します。

 

相続人の被相続人への療養介護は、寄与分として認められないことが多いため、介護の期間や時間、内容などを詳しく記しておきましょう。

家事(家業)に従事していた記録を用意しておく

寄与分として被相続人の家業に従事していた場合、家事(家業)に従事していたことを示す記録や、無償やそれに近いものであったことを示す書類などを用意しておきましょう。

 

タイムカードといった勤怠記録や被相続人と交わした契約書(無償又は無償に近い形で働くことが記されている)、メールや周囲の証言などが該当します。

 

被相続人の家業に従事していても、適切な報酬を得ていた場合は寄与分とは認められません。

寄与分を理解する上で身につけておきたい知識

寄与分が認められた場合でも、主張通りの寄与分が受け取れるとは限りません。相続財産に対しては、寄与分以外にも「遺留分」や「特別受益(遺贈)」といった、考慮しなければならないことがあるためです。

 

以下では寄与分を理解するために、身につけておきたい相続関係の知識を紹介しています。寄与分への理解を深めるためにも、それぞれの寄与分との関係を押さえておきましょう。

寄与分と遺留分の関係

「遺留分」とは、相続人(兄弟姉妹を除く)に最低限保証されている相続分のことです。寄与分を主張する相続人がいた場合、他の共同相続人の遺留分を侵害してしまう場合もあるでしょう。

 

寄与分と遺留分には明確な優先順位は規定されていませんが、顕著な寄与があるような場合は、遺留分を侵害する寄与分の額を定めることは可能です。また、遺留分権利者は寄与分に対して遺留分減殺請求することはできません。

 

そのため、遺留分よりも寄与分の方が優先されると言えます。

 

出典|参照:民法|e-Gov法令検索サイト

 

出典|参照:遺言・特別受益・寄与分・遺留分の関係 |ひらおか事務所

寄与分と特別受益の関係

「特別受益」は被相続人から生前、相続人に対して財産を贈与されていた場合、贈与されていた額を相続分に含めて計算するという制度です。寄与分と特別受益はそれぞれ相続分から差し引いたり加算したりして計算するだけであるため、優先順位はありません。

 

出典|参照:民法|e-Gov法令検索サイト

 

出典|参照:寄与分とは?【弁護士がわかりやすく完全ガイド!改正対応】 | 相続の相談はデイライト法律事務所

遺言書で寄与分を定めることはできない

献身的な介護をしてくれる相続人がいるから報いたい、といった事情から遺言書で寄与分を定めたいと考える人もいるでしょう。しかし、遺言書で寄与分を決定することはできません。これは寄与分の決め方に遺言が含まれていないためです。

 

しかし遺言書に寄与分と記載できなくても、特別寄与者である相続人への相続割合を高くすることで報いることは可能です。寄与分について言及したければ、「付言事項」に記して自分の気持ちを伝えましょう。

 

出典|参照:民法|e-Gov法令検索サイト

 

出典|参照:寄与分は遺言があっても主張できる?認められる要件とは? | Authense法律事務所

寄与分には時効はない

寄与分にはとくに請求の時効はありません。そのため、被相続人が亡くなってから数年後に寄与分の主張をすることも可能です。しかし基本的に遺産分割協議中に寄与分は行い、決まってしまった場合覆せないため、注意しておきましょう。

 

また寄与分を主張することに期限がないとはいえ、何年も前に特別な寄与を行っていたことを証明するのは、時間が経過すると難しくなります。

 

また「特別寄与料」の場合は期限がありますので、混同しないように注意してください。

 

出典|参照:寄与分の請求に時効はある?特別寄与料の期限についても解説!| 弁護士法人ALG&Associates 姫路法律事務所

寄与分が認められる場合と認められない場合があることについて知っておこう

寄与分は、主張すれば認められるような簡単なものではありません。認められるには無償での行為や特別と認められる寄与をしている必要があります。また、同じような行為をしていてもそれぞれの事情によって、認められない場合もあるでしょう。

 

しかし認められることは難しいものの、寄与分は生前の被相続人に対する貢献として正当に主張できる権利です。ぜひこの記事を参考に、寄与分が認められるための条件や方法を理解した上で、寄与分の請求を検討してみましょう。

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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