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墓じまいから散骨までの流れを紹介!費用やポイント・注意点を合わせて解説

墓じまいから散骨までの流れを紹介!費用やポイント・注意点を合わせて解説

「墓じまいを考えているが、散骨するかで迷っている」
「子供や孫に負担をかけたくないから、お墓の要らない散骨にしたい」
「散骨するメリット・デメリットや注意点が知りたい」
少子高齢化による承継者不足や経済的負担など、様々な事情から墓じまいや散骨を検討している人もいるのではないでしょうか。

 

この記事では、最初に墓じまい後の選択肢の1つとして散骨があることについて触れていき、次に散骨の種類やメリット・デメリットについて、また散骨が向いている人の特徴を紹介していきます。

 

また、墓じまいから散骨までの一連の流れやそれぞれの費用について、散骨以外の供養方法についても紹介しています。

 

この記事を読むことで、散骨に関する知識に加え、墓じまいから散骨までの流れについても詳しく知ることができ、自分や家族に合った供養方法を見つけられるでしょう。

 

墓じまい後の散骨について知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

墓じまい後に散骨することはできる

近年、墓じまいを行う人が増加傾向にあります。しかしながら、様々な理由や事情で墓じまいを行った後に、お墓に納められていた遺骨を勝手に遺棄したり埋葬したりすることはできません。

 

遺骨の取扱いについては法律で定められています。遺体や遺骨、遺髪または棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、あるいは領得した人に対して3年以下の懲役刑が科せられており、さらに墓地以外の区域に埋葬あるいは焼骨の埋葬を行うことも禁止されているためです。

 

遺骨は、勝手に遺棄したり埋葬したりすることができないため、墓じまい後には別の埋葬先に移す必要がありますが、最近ではその供養方法として散骨を選ぶ人が増えてきています。

 

散骨とは、遺骨をパウダー状になるまで細かく砕き、それを海や山などに撒いて自然に返す供養の方法です。この散骨にいくつかの種類があり、種類ごとに特徴やメリット・デメリットなどもあるため、事前にしっかりと検討しておくことが大切です。

 

出典|参照:e-Gov法令検索 刑法

 

出典|参照:墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)

散骨の種類

遺骨を自然に還す散骨には、海洋散骨・森林散骨・バルーン散骨・宇宙散骨といった4つの種類があります。代表的なものとして海洋散骨と森林散骨が挙げられますが、海洋散骨についてはさらに「個別散骨」、「代行散骨」、「合同散骨」に分けられます。

 

海洋散骨の場合、その名の通りに遺骨を海に撒く供養方法です。このとき、海岸や浜辺、防波堤などで散骨することはできないため、人が立ち入ることができる陸地から1海里以上離れた海洋上で散骨する必要があります。

 

そのため、ほとんどの場合、海洋散骨の専門業者に散骨の依頼を行うことになるでしょう。業者による海洋散骨では「個別散骨(1家族のみで行う)」、「代行散骨(業者による散骨)」、「合同散骨(複数の家族と合同で行う)」のいずれかの方法で執り行われます。

 

以下では、この海洋散骨を含めた4つの散骨方法についてみていきます。墓じまい後の散骨を検討する際には、ぜひ参考にしてみてください。

 

出典|参照:日本海洋散骨協会ガイドライン

海洋散骨

海洋散骨とは前述したように、海岸や浜辺、漁場や養殖場などから一定距離離れた海洋上で遺骨を撒いて、供養する方法です。

 

この海洋散骨に関しては、漁場関係者とのトラブル防止、環境保全、供養者の安全確保などの点から、「一般社団法人日本海洋散骨協会」によりガイドラインが制定されています。具体的には、1mm~2mm程度までの粉骨化や散骨場所選定の義務、自然環境への配慮などがあります。

 

こうしたガイドラインを遵守するためには、海洋散骨専門の業者に依頼する必要があるでしょう。専門業者が行う散骨方法には個別、合同、代行の3つが挙げられ、それぞれの方法によって費用などに違いが出てくるため、事前に確認しておくことが大切です。

 

出典|参照:日本海洋散骨協会ガイドライン

森林散骨

森林散骨は、山や森の中で遺骨を撒いて供養することをいいます。このとき、海洋散骨と同じように遺骨を粉骨する必要があることに注意してください。

 

また、森林散骨の場合、海洋散骨よりも散骨すること自体が難しいケースがあります。理由としては山の中などで散骨し、それに葉や土をかぶせたり覆ったりすると「埋葬」行為に当たってしまい、結果として法律に抵触してしまう可能性があるからです。

 

さらに、森林に散骨することで、土地所有者や近隣の人たちとトラブルが生じてしまったり、農産物への風評被害が起きてしまったりするおそれもあります。

 

こうした理由により、森林散骨が実際に行われにくく、また個人で行うことも難しいといえるでしょう。

 

出典|参照:墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)

バルーン散骨

バルーン散骨は、散骨の範囲を地上や海上だけでなく、空(成層圏)にまで広げて行われるものになります。このバルーン散骨では、遺骨を気球に載せて成層圏まで飛ばし、そこで空中に撒いて供養します。

 

バルーン散骨を執り行うためには、約10メートル四方の空き地が必要になり、さらに気球の打ち上げ時に障害物になるようなものがないことや、約45度角の上空付近に高層ビルや電線などがない必要もあるのです。

 

このような理由から、バルーン散骨も個人で行うことが難しいため、専門業者に依頼するようにしましょう。

宇宙散骨

宇宙散骨は宇宙葬とも呼ばれ、粉末状にした遺骨をカプセルに納めてロケットで打ち上げ、そして宇宙空間で散骨を行う供養方法のことをいいます。

 

この宇宙散骨はまだ歴史が浅く、世界で初めて行われたのは1990年代の後半になります。日本では、2010年代の後半に1回目の宇宙散骨が実施され、最近では比較的安価に行えることもあり注目されつつある散骨方法です。

 

宇宙散骨には2種類あり、流れ星供養ともいわれる「大気圏散骨」と「月面散骨」があります。

 

1つ目の大気圏散骨では、最初に遺骨を納めたカプセルを人工衛星に搭載し、宇宙空間にロケットで打ち上げます。打ち上がった人工衛星は地球を数日~数年の間に周回したのち、大気圏に再び突入し、最後に流れ星となるのです。

 

2つ目の月面散骨では、遺骨の入ったカプセルを月面までロケットで運び、そののち散骨か安置、あるいはロケットごと月に落下させます。月面散骨の場合、月をお墓として捉える考えのため、月を見上げることでお墓参りや供養が行えます。

散骨する場所を決めるときの注意点

海洋散骨や森林散骨の紹介でも触れたように、散骨する場所には注意が必要です。

 

散骨を行う際には、法律による手続きや届出は基本的に不要ですが、散骨の場所や地域住民、土地所有者、また関係者への配慮などが求められています。そのため、散骨に関係する法令や自治体の条例、また散骨を行う事業者によるガイドラインが設けられています。

 

たとえば、散骨を行う場所については、陸上の場合では河川および湖沼を除き、あらかじめ特定した区域で、海洋の場合では海岸から一定の距離以上離れた海域で行う必要があるのです。

 

出典|参照:散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)

 

出典|参照:日本海洋散骨協会ガイドライン

散骨するメリット

お墓が不要になるなどといったメリットに惹かれて、散骨を検討している人も多いのではないでしょうか。

 

散骨には、従来のようなお墓を用意する必要がないこと以外にも、お墓がないことで管理が不要であることや経済的負担を和らげられるなどのメリットがあります。

 

以下では、こうした散骨ならではのメリットを4つ紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。

  • 費用が抑えられる
  • お墓の管理をする必要がなくなる
  • 遺された家族の負担を減らせる
  • 宗教や宗派に関係なく埋葬できる

費用が抑えられる

散骨のメリットとして、発生する費用を抑えられる点が挙げられるでしょう。たとえば、比較的費用が抑えられる合祀墓に遺骨を埋葬する場合でも、供養料として5万~10万円程度が必要になります。

 

一方、散骨の場合には、遺骨を粉骨するところから散骨に至るまでの全工程を専門業者に委託したとしても、1人あたり3万円程度の費用でまかなうことが可能です。

お墓の管理をする必要がなくなる

遺骨を細かく砕いて海や山などに撒く散骨では、基本的にお墓は不要です。お墓自体がないため、従来のような定期的な清掃や修繕といった維持・管理を行う必要がありません。そのため、将来の健康や体力の面でも不安を解消できます。

遺された家族の負担を減らせる

前述の通り、散骨ではお墓が不要になります。散骨の場合、墓地や墓石の購入費だけでなく、継続的に発生する維持・管理費なども必要ありません。そのため、遺された家族の経済的な負担を抑えることが可能です。

 

次の世代へ負担をかけたくない人にとって、お墓が不要になる散骨は大きなメリットといえるでしょう。

宗教や宗派に関係なく埋葬できる

宗教や宗派に関係なく埋葬できる点も散骨のメリットの1つです。

 

近年、個人の価値観や宗教観は多様化しており、宗教や風習に縛られたくないという人の中には散骨を生前予約するケースも増えています。

 

宗教にとらわれず自然の一部に還りたい、思い入れのあった場所に眠りたい、といった故人の遺志を尊重できることは、散骨が選ばれる大きな理由といえるでしょう。

散骨するデメリット

散骨するメリットがある一方で、留意しておきたいデメリットもあります。大きなものとしては、お墓参りする場所がないということが挙げられます。

 

この他にも、散骨によって生じるデメリットがいくつかあります。以下で、それぞれを詳しくみていきましょう。

お墓参りする場所がなくなる

散骨の特徴でもある「お墓がない・不要」ということは、裏を返すとお墓参りする場所がないというデメリットにつながります。

 

その結果、将来的に遺族がお墓参りしたいと考えた場合、お墓がないことでお墓参りができず、心理的に戸惑いや不足感を覚えてしまう可能性があるでしょう。

 

また、供養を行いたいと考えたときにも、お墓や墓石のような祈りの対象がないことによって後悔してしまうおそれもあります。

 

散骨を決める前に、その後のお参りや供養の方法についても家族で話し合っておくと良いでしょう。

遺骨を手元に戻すことができなくなる

散骨を行う場合、一度、海や森林に散骨してしまうと手元に遺骨を戻すことができません。そのため、散骨は従来のお墓のように故人が生きた証を残しにくく、さらに遺骨が残らないことで親族とトラブルになってしまう可能性もあるのです。

 

こうしたデメリットを解消する方法として、散骨のときに一部を手元に残しておくことが挙げられます。遺骨の一部をお墓に納骨したり自宅で手元供養したりする方法があるため、遺骨を手元に残したいと考えている場合には、ぜひ検討してみてください。

周囲の理解が得にくい

近年、散骨を選ぶ人が増えてきたとはいえ、やはり抵抗感を持つ人もいるでしょう。故人の遺志を尊重したいと考えても、現実的には他の家族や親戚の理解が得られないケースもあります。さらに、親族と遺骨を巡ったトラブルに発展してしまう可能性もあるのです。

 

そのため、散骨を行う際には家族だけでなく親戚も含めた話し合いをしっかりと行い、故人に関わる人たちが納得できる形に決めることが大切です。

天候の影響を受けやすい

天候に左右されやすいという点も、散骨のデメリットの1つでしょう。特に海洋散骨の場合は、一般的に船で沖合に出て散骨を行います。そのため、天気の急変や台風の影響などで予定通りに船が出せず、希望した日に散骨できない可能性があります。

墓じまい後の散骨が向いている人の特徴

墓じまい後に、残された遺骨を新しいお墓や納骨堂に納めるか、あるいは散骨するかで悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。散骨を選ぶ場合、その特徴やメリットに対して、故人や遺族の意思がマッチしているかが大切なポイントです。

 

そこで、以下では散骨が向いている人の特徴を紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。

  • 費用を抑えたい人
  • 後継者がいない人
  • 海や山が好きだった人
  • 遺骨の一部を手元供養したい人

費用を抑えたい人

墓じまい後の遺骨の取り扱いで、費用を抑えたいと考えている場合、お墓の用意が不要になる散骨は向いているといえるでしょう。

 

お墓の準備にかかる費用として、たとえば新しいお墓を用意すると墓石の購入だけでなく、永代使用料や管理・維持費なども必要になるためです。

後継者がいない人

近年では少子高齢化の影響により、お墓の後継者がいないといった問題があります。その問題の解決策の1つとして墓じまいを行い、遺骨を散骨する人が増えているのです。

 

遺骨を散骨することで引き継ぐべきお墓や遺骨がないため、無縁墓や無縁仏になる可能性を防げるでしょう。

海や山が好きだった人

散骨の主な場所として、海や森林が挙げられます。そのため、生前に故人が海や山が好きだった場合におすすめの供養方法といえるでしょう。

 

また、最近では死後、自然に還る方法に憧れを持つ人もおり、自然の中に遺骨を撒く散骨を選ぶ人が増えているのです。

遺骨の一部を手元供養したい人

散骨の場合、全ての遺骨を自然に還さずに一部を手元に残しておくことも可能です。手元供養と呼ばれる方法には、おしゃれなミニ骨壺やアクセサリーなどもあります。

 

両親や自身のパートナーなど近しい人の墓じまいを行った人に、散骨と合わせて手元供養が選ばれています。

墓じまいから散骨までの流れと注意点

引っ越しや後継者不在などの様々な事情によって、今あるお墓を閉じる場合があります。墓じまいを行うと、お墓に納められていた遺骨を別の供養先(お墓や自宅)に移すか、あるいは散骨するかの選択をしなければなりません。

 

以下では、墓じまい後に散骨を選んだ場合の流れとその注意点について紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。

1:墓じまいと散骨について親族に相談する

墓じまいを行う前に、今のお墓を閉じることや散骨することについて家族だけでなく、そのお墓に関わりのある親族に対しても相談しましょう。お墓によっては、先祖代々のものであったり、複数の遺骨が納められていたりすることがあるためです。

 

しっかりと話し合っておくことで、墓じまいや散骨後のトラブル防止にもつながります。

2:墓じまいについてお墓の管理者に相談する

現在のお墓がお寺にある場合には、住職など管理者に対しても墓じまいの相談を行う必要があります。

 

ただし、いきなり墓じまいすることを伝えることはおすすめできません。お寺にとって、墓じまいを行うということは離檀することを意味しており、檀家によって支えられているお寺にとって死活問題になるからです。

 

また、お寺との関係性によっては、お寺を離れる際に用意するお布施(離檀料)が高い額で要求されてしまう可能性があります。

 

円満に墓じまいを進めるためには、理由や事情をお寺側に丁寧に説明し、そして今までお世話になった感謝の言葉も合わせて伝えることが大切になります。

3:墓じまい業者を決める

墓じまいをするためには、まず墓石を撤去・解体してくれる業者を決めましょう。

 

墓じまいを依頼する業者は一般の解体業者ではなく、墓石のプロである石材店を選ぶことをおすすめします。特に、一般的なお墓の場合、地下に納骨室や基礎があり、地上にある墓石のみを撤去・解体してしまうと大切な遺骨を埋めてしまう可能性があるためです。

 

また、石材店を決める際、お墓の運営形態によって選べる業者に違いがあることにも注意が必要になります。たとえば、寺院墓地では多くの場合に指定の石材店がありますが、公営墓地では指定の石材店や業者はありません。

 

そのため、複数の石材店に見積もりを出してもらいたい場合には、今のお墓を運営している母体を確認してから行うとよいでしょう。

4:自治体の役所で手続きをする

墓じまいを行い、そののちに遺骨を別の墓地や納骨堂などの供養先に移すことを、改葬と呼びます。改葬の場合、別の供養先に遺骨を移すためには、現在のお墓がある自治体によって発行される改葬許可証が必要です。

 

しかしながら、お墓がない散骨では改葬に当たらないため、改葬許可証が発行されないことがあります。また、散骨の場合には自治体によって手続きや規定が異なるため、事前に問い合わせしておくとよいでしょう。

5:閉眼法要を行う

仏式のお墓の場合、墓じまいの前に閉眼法要と呼ばれる儀式を行います。閉眼法要には、お墓に込められている故人の魂を抜き、お墓をただの墓石に戻すという意味合いがあります。

 

そのため、お墓の撤去・解体を行う前には僧侶に読経してもらい、魂を抜く閉眼法要が必要になるのです。

 

また、墓じまいを行う多くの石材店では罰当たりにならないようにと考え、閉眼法要を実施していないと墓じまいの工事を請け負わないケースがほとんどです。墓じまいをスムーズに進めるためにも、閉眼法要を行っておくことをおすすめします。

6:墓石の解体撤去工事を行う

閉眼法要後に、墓石の撤去・解体工事が行われます。このとき、地下にある納骨室から遺骨を取り出すのは、工事を行うスタッフか、あるいは墓地管理者に任せるようにしてください。

 

取り出した遺骨については、散骨するまでの間は家族で管理するようにしましょう。また、遺骨を分骨する場合には、墓地管理者に分骨を証明する「分骨証明書」を発行してもらう必要があります。

 

分骨証明書は、分骨された遺骨を埋葬する際に必要になります。散骨を行うときに書類が必要になるかどうかは、業者次第です。そのため、散骨前に分骨を行っている場合には、事前に業者にその旨を確認しておきましょう。

 

遺骨の取り出しと墓石の撤去・解体工事が終わったら、お墓があった場所を更地に戻し、最後に管理者へ土地を返還します。ここまでで墓じまいが完了になります。

 

出典|参照:分骨(ご遺骨の一部の移動)の手続きについて

7:散骨業者を手配する

墓じまいが無事に完了したら、散骨業者を手配していきましょう。このとき、事前に決めていた散骨場所や散骨方法に沿うように依頼してください。

 

また、散骨業者を手配する際には、一定の書類を準備しておく必要があります。具体的には、火葬済みを証明する「埋葬許可証」や、墓地管理者が発行する「納骨室証明書」や「遺骨引渡証」などが挙げられます。

 

業者によって提出を求める書類に違いがあるため、必ず確認しておきましょう。

8:遺骨を乾燥・粉骨する

遺骨を散骨するためには、遺骨を乾燥させてパウダー状まで粉骨する必要があります。乾燥させる理由は、お墓の地下にある納骨室に納められていたために遺骨が水分を含んでしまっているからです。

 

また、粉骨するときには、遺骨を見た人がそれが骨だと判別できないくらいの大きさにまで粉骨しておかなければなりません。散骨を行う業界団体に対して遺骨が骨と分からないよう、2mm以下のパウダー状に粉骨するといったガイドラインが設けられています。

 

出典|参照:散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)

 

出典|参照:日本海洋散骨協会ガイドライン

9:散骨を実施する

いよいよ散骨の日を迎えたら、専門業者のスタッフの指示に従い散骨していきましょう。

 

散骨を行う際のマナーとして、散骨が可能な地域や沖合での実施、地域住民や周辺の土地所有者、漁場関係者などの利益や宗教感情を害さないようにすることなどが挙げられます。

 

また、自然環境に対しても配慮が必要になり、自然に還らない副葬品や飾りの使用を避けるといった点にも注意してください。

墓じまいから散骨までの費用目安

墓じまいと散骨を併せて行うことを検討している場合、その費用について気になる人も多いのではないでしょうか。ひと口に墓じまいや散骨といっても、墓地の面積や墓石の大きさ、また散骨の方法によって費用相場に違いがあります。

 

そこで、ここでは墓じまいの相場と散骨の相場に分けて、それぞれを詳しく紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

墓じまいの相場

前述したように、墓じまいを行うには墓石の撤去・解体だけではなく、閉眼法要や離檀料、また改葬許可の申請といったことも含まれます。そのため、墓じまいの基本費用には、こうした儀式や手続きにかかる費用も入ることに注意が必要です。

 

具体的にみていくと、まず墓石の撤去・解体処分工事費用は30万~50万円程度が相場になります。また、工事を行う墓地の面積によって変動し、費用の目安として1㎡あたり7万〜15万円程度といわれています。

 

次に、閉眼法要にかかる費用とは、閉眼法要を行う僧侶に渡すお布施のことです。お布施になるため、厳密に決められていませんが相場としては1万~5万円程度とされています。

 

また、墓じまいをすることでお寺を離檀するケースもあるでしょう。離檀する際には、今までお世話になったお寺に対して離檀料を支払うことがほとんどです。この離檀料の相場は、5万~20万円程度といわれていますが、お寺によって金額に開きがあります。

 

そして、墓じまい後に分骨や手元供養を検討している場合には、改葬許可証が必要になります。こうした許可を受けるための手続きを、行政書士に委託することも可能です。委託する場合、かかる費用は5万~15万円程度とされています。

散骨の相場

散骨といっても、散骨の仕方によってかかる費用に違いがあります。また、散骨の費用には散骨を行うために必要な粉骨の費用が含まれていないため、別途費用を計算しておくようにしてください。

 

粉骨の費用相場は、1万~3万円程度とされています。粉骨と散骨を合わせて専門業者に依頼する場合にはプラン料金に含まれていることが多いため、事前に確認しておくとよいでしょう。

 

散骨の費用は、その散骨を個別(1家族のみ)で行うか、合同(複数の家族)で行うのか、あるいは業者に委託するのかで変わってきます。

 

具体的にみていくと、個別散骨の費用相場は20万~30万円程度、合同散骨では10万~20万円程度、委託散骨では5万~10万円程度になります。

墓じまい後の散骨以外の供養方法

墓じまい後の供養方法として散骨を紹介してきましたが、ここでは散骨以外の供養方法(「永代供養墓(合葬墓)」、「納骨堂」、「樹木葬」、「手元供養」)を簡単に解説していきます。

 

散骨は一度、行ってしまうと元に戻すことができません。そのため、後悔がないように他の供養方法と合わせて検討してみてください。

永代供養墓(合葬墓)

墓じまいをする理由として、お墓や遺骨の承継者がいないことを挙げる人もいるのではないでしょうか。このような理由のときに、遺骨の供養先として永代供養墓を検討する人も少なくありません。

 

永代供養墓とは、家族の代わりに寺院や霊園の管理者が遺骨を管理し供養を行ってくれるお墓のことをいいます。ただし、永代=永遠という意味ではないことに注意が必要です。一般的な永代供養期間は、33回忌までとしているところが多くなっています。

 

また、永代供養墓には主に4つの種類があり、最初から合祀される永代供養墓(合葬・合祀墓)、永代供養型の樹木葬、永代供養型の納骨堂、そして個人墓付き永代供養墓になります。それぞれメリット・デメリットがあるため、しっかりと比較し決めることが大切です。

納骨堂

前述の永代供養墓でも触れていますが、納骨堂は永代供養墓の1つになります。納骨堂は、昔からあるお墓のように屋外にある墓地ではなく、主に納骨堂と呼ばれる建物の中などに個人や家族で遺骨を納める施設のことをいいます。

 

納骨堂は、一般的に区画単位で購入します。購入費用は個人用、夫婦用、家族用など納める遺骨の数によって、支払う料金が異なるため注意が必要です。

 

また、納骨堂は使用期間を選択することが多く、三回忌、十三回忌、三十三回忌などの回忌法要に合わせた期間で選ぶことがほとんどです。選択した期間までは個別の納骨堂で供養が行われ、その後は他の遺骨と一緒に合葬されていきます。

樹木葬

樹木葬も永代供養墓の1つになり、墓石の代わりにシンボルとなる樹木を用いたり、納骨場所の周りに草花を植えたりしているお墓のことをいいます。

 

樹木葬には様々なタイプあり、たとえば、西洋庭園風の樹木葬や日本庭園風の樹木葬、石材・お花を多く用いた樹木葬などがあります。

 

また、樹木葬は自然に還るというイメージから散骨と同一視されやすいですが、散骨とは似て非なるものです。樹木葬では、散骨のように遺骨を森林や山の中に撒く訳ではなく、樹木葬を行う場所として自治体から許可を受けた墓地内に埋葬します。

 

そのため、樹木葬を利用する場合には、通常のお墓への埋葬と同じように、手続きや書類の準備なども必要にあります。

手元供養

手元供養とは遺骨をお墓に埋葬せずに、自宅や身近な場所に遺骨の全部あるいは一部を保管して供養する方法です。

 

供養方法としては、ミニサイズの骨壺に納めたり、ペンダントやブレスレットなどのアクセサリーにしたり、あるいは花器やぬいぐるみに収めてインテリア用品にしたりする方法が挙げられます。

 

ただし、遺骨の一部を手元供養し、残りを寺院などに納骨する場合には埋葬許可証を準備しておく必要があります。また、遺骨を複数個所に分骨する場合には、さらに分骨証明書が必要になるため注意してください。

 

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墓じまいや散骨を相談できる場所

多くの人にとって、墓じまいや散骨は人生のうちに何度も経験するものではないでしょう。そのため、墓じまいや散骨について相談できる場所があることは大切なポイントです。

 

墓じまいについて相談したい場合には、お墓を建立した石材店や墓地管理者にたずねてみてください。また、散骨についてはインターネットなどで専門業者を見つけることができます。

 

このとき、散骨業者の選定は慎重に行い、悪質な業者につかまらないように注意が必要です。悪質かどうかの判断基準として、散骨の料金が相場よりも極端に低い場合やスタッフの対応が悪いなどが挙げられます。

周囲と相談し納得できる方法で供養しよう

墓じまい後に散骨を行う場合、法律違反にならないように粉骨したり、散骨が可能な場所か確認したりするなど様々な対応や配慮が必要です。個人で行うことも可能ですが、トラブルを避けるためにも専門の業者に依頼する方が安心でしょう。

 

墓じまい後の供養方法として散骨を選択する人の中には、お墓が不要なため後継に負担をかけずに済むといったメリットを重要視している人もいます。

 

一方で、自然に還る埋葬法を選びたいが、お墓がないことで故人を偲ぶ拠り所がなくなってしまうといったデメリットを感じる場合には、自然を感じられる樹木葬などを検討してみるのも良いでしょう。

 

墓じまいや散骨は一度、実施してしまうと後戻りはできず、またデリケートな問題も多いため、事前に家族や親族と十分に話し合った上で決めることが大切です。

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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