生前葬ってどんなお葬式?マナーやメリット・デメリットもあわせて紹介
「生前葬は何のためにするの?」
「生前葬に参列する際のマナーがわからない。」
「生前葬はどのくらい費用がかかるの?」
終活している方や生前葬を検討している方の中には、このように疑問や悩みを持つことも少なくありません。
本記事では、生前葬の意味やメリット・デメリットの他に、生前葬のマナー、生前葬を検討する際の大事なポイントや費用相場などを紹介しています。
この記事を読むことで、生前葬について知識を深めることができます。また、生前葬をする上で大事なポイントや費用相場について解説しているため、その知識をもとに自分に合った生前葬を選択できるでしょう。
終活している方や、生前葬に興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
生前葬ってどんなお葬式?
生前葬という言葉は聞いたことがあっても、実際に生前葬に参加した方や自分で生前葬を行ったという方は多くないでしょう。
有名人やタレントの生前葬は、しばしばニュースなどで報道されていますが、一般の方には浸透していないのが実情です。
以下では、生前葬の特徴や生前葬を行う意味を解説していきます。
生前葬の特徴
生前葬とは、本人が亡くなった後ではなく、元気なうちに喪主となって行うお葬式のことです。多くの場合、お世話になった方へ感謝の気持ちを伝えるために行われます。
従来のお葬式とは異なり、本人と友人・知人が直接会って交流できるのが1番の特徴といえるでしょう。
また、従来のお葬式とはマナーや形式が全く異なり、本人の趣向が反映されたものが多く、宗教的儀式が行われることは稀とされています。
生前葬を行う意味
生前葬を行う意味は、さまざまなものが挙げられます。
病気で余命が少ないなどの理由で、自分が元気なうちに仲がよかった人やお世話になった人に直接お礼を言いたいという場合や、定年退職などの人生の区切りに自分の気持ちを親戚や友人・知人に伝えておきたいという場合もあります。
また、生前葬であれば自分で準備ができるため、家族にお葬式の負担をかけたくないという思いから行う場合も少なくありません。
生前葬を行うメリット
一般的に浸透していない生前葬は、どのようなメリット・デメリットがあるかあまり知られていません。
ここでは、生前葬の主なメリットについて紹介していきます。生前葬に興味がある方は、参考にしてください。
- 家族への負担を軽減できる
- 準備に時間をかけられる
- 自分で自由に企画できる
家族への負担を軽減できる
従来のお葬式の場合、自分が亡くなった後、家族がお葬式を手配します。葬儀社との打ち合わせや参列者への挨拶など、やらなくてはならないことがたくさんあります。
一方、生前葬は基本的に自分自身で打ち合わせや手配をするため、家族が何かするということはあまりありません。
また、生前葬を行っておくと、亡くなった際のお葬式をある程度簡略化しやすくなるため、その分、家族への負担が軽減できるでしょう。
準備に時間をかけられる
従来のお葬式の場合、まず火葬の日にちを決め、それに合わせてお通夜や葬儀・告別式などのスケジュールを組んでいきます。その間に葬儀社との打ち合わせ、料理の手配などもしなくてはならないため、限られた時間の中で準備を行わなくてはなりません。
しかし、生前葬の場合はそのような時間制限がなく、自分が納得できるまで準備に時間をかけられるでしょう。
自分で自由に企画できる
自分の死後に行われるお葬式は、一般的に遺族が内容を決めることがほとんどです。自分の希望を遺言で残すことや、エンディングノートに記すこともできますが、必ずしも自分の思い通りに実行されるとは限りません。
それに対し生前葬は、誰を呼んで何をするかなど、自分で企画した葬儀を執り行えます。一般的なお葬式とは異なり、そこまで形式にとらわれないため、自分の好きなように葬儀の内容や流れを決められるのがメリットです。
生前葬の一般的な内容とマナー
前述したように生前葬は決まった形式がないため、内容も人によってさまざまです。また、生前葬に参列するにあたって、マナーはどのようにしたらいいのか疑問に思う方も多いことでしょう。
ここでは、一般的に多いとされる生前葬の流れと、服装や香典・会費といったマナーについて解説していきます。
生前葬の流れについて
式の冒頭は、司会者が開式の言葉を述べた後、主催者本人が生前葬をする理由を交えて挨拶を行います。
次に、本人のこれまでの軌跡をビデオや写真のスライドなどで演出することで、参列者にも思い出を共有してもらいます。その後は、友人代表のスピーチや歌などの余興、会食といったように、結婚式と同じような流れで構成されるのが一般的です。
最後に司会者が閉会の言葉を述べた後、主催者が参列者を見送って終了です。
服装について
一般的な生前葬では、まず喪服を着用することはありません。
「平服でお越しください」などと服装について生前葬の案内状に記載されている場合は、その案内に従いましょう。基本的に、男性はスーツ・女性はワンピースやアンサンブルといったインフォーマルな服装で参加します。
初めて生前葬に参加する方は服装に悩む方も多いため、どうしても心配な場合は主催者に確認してみるのもいいでしょう。
香典・会費について
生前葬は会費制であることが多く、その場合は会費を支払えば問題ないでしょう。
しかし、香典に関しては持参するかどうかについて明確な決まりはありません。生前葬は主催者が感謝の気持ちを伝えるために友人・知人を招待することから、香典は辞退する旨が案内状に記載されていることがあります。
香典辞退の記載がない場合は、香典を持参するのがマナーとされ、香典の金額は、1万円から2万円が相場とされています。
生前葬を行う費用の相場
生前葬の費用相場は、内容によって大きく変動します。特に参加者数は、生前葬の費用が大きく変動する要因です。
30人から50人くらいの小規模な生前葬の場合、会場利用費・設備費・設営費・生花費などの費用が30万円程とされています。ホテルなどの宴会場を借り、さらに小規模にするのならば費用は20万円前後が目安となるでしょう。
いずれにしても、上記の価格に飲食代や参列者への返礼品代を加算した金額が総額費用と考えましょう。
生前葬を行うデメリット
前述したように、生前葬にはメリットもありますが、デメリットがあることも事実です。以下では、生前葬を行う際のデメリットについて解説していきます。参考にしてください。
死後に葬儀を行わなければならない場合がある
基本的に生前葬の場合、死後の葬儀は不要です。しかし、故人をきちんと見送りたいという遺族の心情から、死後改めて葬儀が行われることも少なくありません。
つまり2回葬儀を行うことになり、家族や参列者の負担になる可能性もあります。
世間に浸透していない
生前葬は世間に広く浸透していないため、周囲の人々に理解されにくいという状況がデメリットとして挙げられます。
また、お葬式は死後に行うものという認識があるため、生前葬は不謹慎で縁起でもないこと、と捉えられがちです。このような点から拒否感を示す方もいるため、親族の理解を得られず反対されることもあると言われています。
生前葬をするには、家族や周囲の方々の協力が必要になるため、事前に相談するようにしましょう。
生前葬に宗教は関係ある?
生前葬の場合、多くの場合が宗教に関係なく行われるとされています。
特定の宗教の儀式や形式にとらわれることのない無宗教葬のようなものや、パーティーのように明るい雰囲気のものなど、主催者の趣向を反映している形が多いのが生前葬の特徴です。
しかし、生前葬をする人の意向によって宗教的儀式が執り行われるケースもあるため、生前葬の形はそれぞれ違いがあるものと考えましょう。
生前葬とお別れ会は何が違うの?
生前葬は自分自身で企画し、生前に行う葬儀のことをいいます。
それに対して、本人が亡くなった場合に遺族や故人に縁がある方が発起人となり、お別れの場を設けることをお別れ会といいます。
生前葬を検討する際の留意点
生前葬をスムーズに行うためには、大事なポイントを事前に把握しておくことが必要です。
ここでは、生前葬を検討する際の留意点について解説していきます。生前葬を検討している場合は、以下の点を理解しておきましょう。
生前葬を行っても死後の火葬をしなければならない
生前葬を行ったからといって、本人の死後に家族がやることがなくなったわけではありません。本人が亡くなった後は火葬が必要になり、遺体の安置から骨上げまで遺族が行います。
従来のお葬式の場合、遺体を納棺した後、通夜や告別式を行うという流れが一般的です。しかし、生前葬を実施した場合は、通夜や告別式を行わずそのまま出棺して火葬します。
生前葬を検討する際には、遺体の安置から火葬までのことも留意するようにしましょう。
死後の葬儀について考えておく必要がある
前述したように、遺された遺族の心情によっては、生前葬を実施していたとしても一般葬が行われるケースがあります。
生前葬を行った場合でも、自分の死後に再度葬儀をするとなると、費用面の負担もかかるでしょう。遺族の負担にならないようにするためにも、死後の葬儀についてよく考え、家族と話し合っておきましょう。
生前葬を行うべきかについて親族とよく話し合う必要がある
生前葬は、自由度が高く本人が個性を発揮できるというメリットがあります。
生前葬は、本人が周囲の方々へ直接感謝の気持ちを伝えられるなど意義あるものですが、家族や親族に負担がかからないように配慮することも必要です。また、生前葬をスムーズに行うためには、家族や親族の協力が不可欠なことを忘れてはいけません。
家族や親族に、なぜ生前葬をしたいのかなど自分の意見をしっかりと伝え、よく話し合ってみましょう。
生前葬を検討する場合は葬儀社に相談してみよう
自由度の高い生前葬は、自分たちで全て決めなくてはならないため、容易ではありません。より良い内容の生前葬にするためには、葬儀社に相談してプランの提案や助言をしてもらうのもいいでしょう。
生前葬を検討している方は、この記事をぜひ参考にしてください。
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