
永代供養と樹木葬の違いとは?選ばれる理由やポイントもあわせて紹介

「樹木葬や永代供養ってよく聞くけれどどんなもの?」
「樹木葬ってどういうものなの?」
このように、樹木葬や永代供養という名前を聞いたことはあっても詳しいことを知らない、という方は多いのではないでしょうか。
本記事では、永代供養と樹木葬のそれぞれの違いや特徴、永代供養の樹木葬が人気となっている理由や注意点、永代供養の樹木葬を選ぶ際のポイント、かかる費用の相場などを紹介していきます。
この記事を読むことで、永代供養や樹木葬についての知識を得られるでしょう。永代供養の樹木葬を選ぶポイントを押さえ、費用の相場を知ることで、自分に向いた永代供養の樹木葬を選べるようになるでしょう。
樹木葬や永代供養に興味はあるけれど詳しくない方、将来的に樹木葬や永代供養を考えている方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
永代供養と樹木葬の違いとは?
「永代供養」や「樹木葬」は近年注目を集めてきている人気のお墓ですが、この2つはそもそも供養方法と埋葬方法であるため、違うものです。ここでは、永代供養と樹木葬についてそれぞれの特徴について紹介します。
永代供養と樹木葬が混同されることがあるのは、永代供養の樹木葬があるためでしょう。永代供養の樹木葬の場合、永代供養が供養方法で、樹木葬が埋葬方法となっています。
永代供養は管理と供養を任せられる
永代供養は永代供養墓を運営している寺院や霊園が、お墓の管理や供養をしてくれる供養方法のことです。お墓の供養が大変な方やお墓はあっても継承してくれる後継者がいない方が、永代供養を選ぶケースが増えているでしょう。
永代供養のお墓は、永代供養墓と呼ばれています。永代供養墓には一般のお墓や納骨堂、樹木葬などがあります。
永代供養は永遠ではなく、期間が過ぎればいずれ他の方と合祀されてしまうでしょう。しかし、後継者の有無や宗旨・宗派を問わず入れる施設が多いことが、永代供養のメリットでしょう。
樹木葬は墓石の代わりに樹木を墓標にする
樹木葬は霊園や里山の中の決まったスペースに埋葬し、目印として墓標ではなく樹(シンボルツリー)を植樹するという埋葬方法のことです。墓石の中に埋葬したり納骨堂の中に埋葬したりするのではなく、土の中に埋葬されることで、自然に還る埋葬方法として人気が出ています。
樹木葬には霊園型や公園型、里山型など様々な種類が存在します。樹木葬と永代供養は違いますが、永代供養付きで供養や手入れの手間がかからない樹木葬もあるため、検討する際は参考にしましょう。
霊園型のケース
霊園型の樹木葬では、他の樹木葬とは違い墓標が用いられていることや、永代供養が付いているケースが多いという特徴があるでしょう。霊園によって用意されているタイプが違い、人数制限があるもの・ないものといった種類があります。
1本の樹(シンボルツリー)の下に埋葬し、周囲に埋葬された人の墓標を建てているケースや、ガーデニング樹木葬といって花々の中に墓石や墓標を用いているケースがあります。永代供養付きとなっているケースも多いでしょう。
公園型のケース
公園型(庭園型とも)の樹木葬は、多くは霊園の一角に設けられた専用のスペースに埋葬され、樹や花々を植えられたタイプの樹木葬です。都市にお住まいの方で、近隣の霊園の樹木葬を利用しようとした際には、多くの場合で霊園型か、公園型になるでしょう。
公園型の樹木葬は霊園という施設の中にあることからきちんと管理・整備されていて、公園のように美しく保たれているのが特徴です。永代供養付きとなっているタイプもあるでしょう。
里山型のケース
里山型の樹木葬は霊園型や公園型とはまったく違い、自然にある里山の一画のスペースに埋葬され、目印になる樹(シンボルツリー)が植樹されているタイプの樹木葬です。自然の中に埋葬されるという点が、霊園型や公園型とは違います。
ただ、里山型というだけに都市の近くにはないことが多く、交通の便が悪い可能性が高くなります。お墓参りに行くのが困難な里山がお墓になってしまうケースもあるでしょう。しかし、いずれ土に還るという目的は達しやすい樹木葬となっています。
永代供養の樹木葬が選ばれる理由
永代供養や樹木葬はそれぞれ現代的な供養方法として、埋葬方法として人気があります。その2つが合わさった永代供養のついた樹木葬も人気がありますが、どうして永代供養の樹木葬が選ばれるのか、4つの理由を紹介します。
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
墓石が要らず費用を安くできる
墓石を使うとなると、墓石代として数十万円の費用がかかるでしょう。樹木葬では従来のお墓と違い、多くの場合で墓石を建てる必要がなく、代わりに墓地の目印となる樹(シンボルツリー)や花を植えます。
新たな墓石を購入しなくて済むため、費用を節約できることが永代供養の樹木葬が選ばれる理由の1つになっています。
お墓に継承者がいなくても供養してもらえる
永代供養の樹木葬であれば、従来のお墓とは違い、後継者を用意しなくても寺院や霊園に供養してもらえます。永代供養のない従来のお墓は、お墓の管理や供養を自分たちでやる必要があるでしょう。後継者がいなければ、いずれ管理や供養してくれる人がいなくなります。
現代では少子化が進んでいることから、お墓の後継者がいないという悩みを持っている方は増えているでしょう。永代供養であれば、後継者がいなくても寺院や霊園が供養してくれます。お墓の後継者がいないことが、永代供養の付いた樹木葬を選ぶ理由になるでしょう。
死後に関する価値観が変わる
これまでは、亡くなったら先祖代々の墓に入る、という考え方が一般的でした。
しかし、時代が変わったことから死後に関する価値観や、お墓に対する考えが変わったため、永代供養でよいと考えたり、自然に還りたいと考えたりする人が増えたのでしょう。
これまでのように親族単位で同じお墓に入るのではなく、好きな人とお墓に入りたいと考える人や、ペットと一緒にお墓に入りたいと考える人が増えています。永代供養の樹木葬は、そういった需要にマッチしたお墓の形なのでしょう。
毎年供養をしっかりしてもらえる
永代供養の樹木葬が選ばれる理由に、永代供養ならば自分たちができなくても、あるいは後継者がいなくても毎年供養をしっかりしてもらえることが挙げられます。
昔は代々、お墓を受け継ぐことが多くありましたが、現代では少子高齢化が進んだことなどの理由からお墓の継承や管理・供養が難しくなっているため、永代供養の樹木葬が選ばれているのでしょう。
永代供養の樹木葬に向いている人の特徴
ここでは、永代供養の樹木葬に向いている人の特徴をご紹介します。「供養にかかる費用を抑えたい」を始めとした6項目をピックアップしていきます。
永代供養の樹木葬に向いている人の特徴についてご興味がある方は、参考にしてください。
- 供養にかかる費用を抑えたい
- 継承者に余計な負担を与えたくない
- お墓の跡継ぎがいない
- 宗派や宗教にこだわりが無い
- ペットとも一緒に居たいと思っている
- 最後は自然に還りたいと思っている
供養にかかる費用を抑えたい
永代供養の樹木葬を選ぶことで、供養を寺院や霊園に任せることができるため、供養にかける費用を抑えたい人は向いているでしょう。従来までのお墓と違い、永代供養の樹木葬であれば、基本的に自分たちで供養する必要はありません。
ただ、寺院や霊園に供養を任せられると言っても、どのタイミングで供養するか、何回供養するかはそれぞれの永代供養墓によって違いがあります。気になる場合は、供養のタイミングや回数といった供養方法を調べてみましょう。
継承者に余計な負担を与えたくない
永代供養でなければ、お墓の管理・供養してくれる人が必要になります。たとえお墓の継承者がいたとしても、お墓を管理したり供養したりする負担を与えたくないと考える人は、永代供養の樹木葬が向いているでしょう。
永代供養の樹木葬であれば、供養や管理を寺院や霊園が行ってくれるため、お墓の継承者を探す必要はありません。管理や供養といった手間も、寺院や霊園が受け持ってくれます。余計な負担を与えることはないでしょう。
お墓の跡継ぎがいない
お墓の跡継ぎがいない場合、現在管理している人が亡くなれば、お墓の管理や供養をする人がいなくなってしまいます。永代供養の樹木葬は跡継ぎがいなくても契約できますし、永代供養の安置期間が過ぎてもそのまま自然に還るか、合祀されることになるため安心でしょう。
注意点は、樹木葬なら全てすぐ自然に還るのかというとそうではないということです。霊園型や公園型のケースでは、安置期間を経た後は遺骨を取り出し、改めて合祀されます。しかし、その後も供養が続けられるケースが多いため、心配はいらないでしよう。
宗派や宗教にこだわりが無い
永代供養の樹木葬であれば、基本的に宗派や宗教にこだわりなく受け入れてもらえるため、特定の宗教や宗派の人でも利用しやすく向いているでしょう。
たとえば、家族で宗教や宗派が違った場合、従来のお墓では一緒に入れないことがあります。樹木葬であれば宗教・宗派にこだわりがないため、宗教や宗派が違っても家族単位で入ることも可能でしょう。
ただ、供養方法についてはそれぞれの永代供養墓によって違うため、確認することをおすすめします。
ペットとも一緒に居たいと思っている
現代ではペットを飼っている人が増え、ペットは家族だという意識を持つ人も増えています。永代供養の樹木葬にはペットと一緒の埋葬ができる場合があるため、ペットといつまでも一緒にいたいと思っている人に向いているでしよう。
ペットのお墓を建てることはできても、ペットと一緒にお墓に入るのは難しい場合があります。ペットも入れる樹木葬であれば、同じお墓に入って一緒にいたいという希望を叶えられるでしょう。
最後は自然に還りたいと思っている
環境や自然を意識して、最後は自然に還りたいと思っている人は、永代供養の樹木葬が向いているでしょう。その場合は、なるべく人工物が少なく自然に近い樹木葬を選ぶのがコツです。
樹木葬の里山型であれば、直接土の中に埋葬されたり、専用の袋の中に遺骨を入れて埋葬されたりするケースが多くなっています。納骨した後で、合祀のために取り出されるといったようなことも基本的にはないため、時間がたてばいずれ自然に還ることになるでしょう。
永代供養の樹木葬に関する注意点
永代供養の樹木葬にしたいと希望したとしても、親族や家族とトラブルになったり、思っていたのと違うといったトラブルが起こったりする可能性があります。
ここでは永代供養の樹木葬に関する注意点を紹介します。あらかじめこれらの注意点を押さえてきちんと対応しておき、トラブルが起こらないようにしましょう。
原則として一世代のみのお墓になる
樹木葬は多くの場合で、申し込む際にあらかじめその区画に入る人数を計算して契約することになるため、代々のお墓として継承できず、原則として一世代のみのお墓になることを知っておきましょう。
樹木葬の永代供養墓の中には様々なタイプがありますが、基本的には入れる人数が決まっており、人数によって価格が決まっています。里山型でも区画があるため、後から何人でも入れるということはありません。
樹木葬は一世代限りで、代々受け継ぐお墓としては向いていないことを知っておきましょう。
親族や家族との話し合いが必須になる
樹木葬について理解してくれない親族や家族がいると、樹木葬しようとなった段階でトラブルが発生する可能性があるため、あらかじめ親族や家族と話し合っておく必要があります。
永代供養や樹木葬に人気があって、認知度が高まっていることは事実です。しかし、樹木葬について詳しくない方、先祖代々の墓を大切に考えている方には、永代供養や樹木葬の考え方が理解されないことがあります。決定する前に、意思を伝えてしっかり話し合っておきましょう。
景観は年月や時間で変化してしまう
樹木葬では基本的に、樹(シンボルツリー)や花を墓標の代わりに目印と使用することが多いでしょう。石の墓標とは違い、自然にある植物を墓標としていることから、どうしても年月や季節の影響を受けてしまい、時期によってはお墓が寂しく見えてしまうことがあります。
とくに里山型の場合は、季節によってお墓周りの景観が一変してしまいます。天候が荒れれば、お墓の周囲が荒れてしまうこともあるでしょう。樹木葬の注意点として、景観が常に一定ではないことを知っておきましょう。
合祀型だと遺骨の取り出しは難しい
基本的に、樹木葬した後で遺骨を取り出すことは難しいです。とくに合祀型の樹木葬の場合、合祀の段階で他の方の遺骨と一緒になってしまうため、後から遺骨を取り出すことはほぼ不可能になります。
また、里山型の樹木葬の中でも、土の中に直接遺骨を埋葬するような場合は遺骨の取り出しが難しいことがあります。従来のお墓とは違い、いつでも遺骨を取り出せる訳ではないため注意が必要です。
里山型は交通の利便性が低い
里山型は自然の里山であることから都市の近くにはないため、交通の利便性が低いでしょう。
いざお墓参りに行こうとすると、乗り換えが多かったり到着まで長時間かかったりする可能性があります。また、里山についてもすぐにお参りできる訳ではありません。故人が埋葬されている場所によっては、里山の奥まで行く必要があるでしょう。
お墓参りに行こうと考えても距離が遠かったり、電車やバスが利用できない里山の中を歩く必要があったりするため、参拝のハードルが高くなることを知っておきましょう。
お墓だという認識が低い
墓標ではなく樹や花を墓標にしている場合、そこをお墓だということを知らない人にとってはただの公園や里山にしか見えないため、お墓だという認識になりにくいでしょう。
里山型はとくに、どこがお墓なのか分かりにくくなっています。火事の危険を考え、火気が使用できない場合もあります。お線香をあげられない、お墓がどこか分かりにくいといった理由から従来のお墓とは違い、お墓参りしてもお墓参りした気分になれないことがあるでしょう。
供養が他人と共有される
ガーデニング型や合祀型の樹木葬では、参拝できるスペースが決まっていて供養すると他人と共有されることがあります。永代供養も他人と共有で供養されるため、個別に供養されたいという方には向いていないでしょう。
供養するためのスペースが共有であれば、混み合う期間にはゆっくり供養できないという問題も発生する可能性があります。個別の樹木葬で個別に供養できるタイプもあるため、選ぶ際は気をつけましょう。
自然だからとすぐに土に還るわけではない
樹木葬といっても、すぐに土に還るものばかりではないことに注意しましょう。たとえば、里山型で直接遺骨を土に埋葬するという場合はもっとも自然に近く、土に還るのが早くなります。
しかし、遺骨が布や袋に包まれて埋葬される場合はすぐには土に還りません。また、骨壺のままカロート(納骨室)に納められる場合では、さらに時間がかかるでしょう。ただ、そのケースでも合祀される際に取り出され、改めて埋められて土に還ることになる場合があります。
樹木葬と言っても、埋葬方法によってはすぐに自然に還る訳ではないため、注意しましょう。
永代供養の樹木葬に納骨までの流れ
ここでは永代供養で樹木葬に納骨するまでの流れについて紹介します。まずは永代供養の樹木葬についての情報を集め、家族や親族と相談した後で現地見学を経て、契約し入金します。
樹木葬の永代供養に申し込んでいた人が亡くなった後は、通夜や葬儀を行い、火葬してから遺骨を骨壺に納め、納骨します。納骨のタイミングに決まりはありませんが、一般的に四十九日にすることが多いでしょう。
納骨前に、永代供養墓に埋葬する日の連絡を入れておきます。樹木葬で埋葬の際に粉骨しておく必要がある場合は、業者に依頼して行っておきましょう。
永代供養の樹木葬で選ぶポイント
永代供養の樹木葬には霊園型や里山型のタイプがあり、埋葬方法にも違いがあります。ここでは、永代供養の樹木葬を選ぶ際のポイントについて紹介します。
樹木葬にしたいけれど、どのような永代供養の樹木葬を選べばよいのか分からないという方は、これらのポイントを参考にして選んでみましょう。
- 契約するプランや供養タイプを選ぶ
- 埋葬の方法を選ぶ
- 事前に家族や親族の合意を得る
- 霊園型のタイプを選ぶ
- 里山型は1家族に1区画のみになる
- 現地確認を必ずする
契約するプランや供養タイプを選ぶ
永代供養の樹木葬のプランや供養タイプを調べ、自分の希望に近いプランや供養タイプから選んでみましょう。
永代供養の樹木葬には、墓標を使ったタイプや自然に還ることを重視しているタイプ、花の下で眠るタイプやペットと一緒に埋葬されるタイプなど様々な種類があります。
まずは自分がどのような樹木葬がしたいのかを考え、希望に沿ったプランや供養タイプを見つけることが大切でしょう。
埋葬の方法を選ぶ
樹木葬の埋葬方法は大きく分けて3種類あります。専用の筒や壺に入れて埋葬する方法と、土の下に埋めるなど自然に遺骨を戻す方法、袋や布に包んで埋葬する方法の3つです。
永代供養の樹木葬によっては、選べる埋葬方法が限られている場合があります。埋葬方法によっては、自然に還るまでに時間がかかるものもあるでしょう。樹木葬を選ぶ際には、遺骨の具体的な埋葬方法も調べておくことをおすすめします。
専用の筒や壺に入れる方法
永代供養を運営している寺院や霊園専用の筒や壺に遺骨を入れ、埋葬する方法です。樹木葬として埋葬されますが、遺骨は筒や壺に入っているため、すぐに土に還ることはありません。
寺院や霊園の専用スペースで樹木葬される際に多い埋葬方法です。このままでは土に還りませんが、多くの場合で永代供養の安置期間が過ぎた段階で改めて合祀され、土に埋葬されることになるでしょう。専用の筒や壺に入っている間は、遺骨を取り出せるメリットがあります。
自然に遺骨を戻す散骨方法
遺骨を自然に還すための方法が、遺骨を粉骨して散骨してから土にまいたり、遺骨をそのまま土の中に埋めたりする埋葬方法です。遺骨を粉骨してから散骨しても、少しでも土をかぶれば埋葬したことになります。
遺骨をそのまま土の中に埋める方法は、霊園型や公園型では選べない場合がありますが、里山型では一般的な埋葬方法でしょう。遺骨を早く自然に還したい方には、自然に遺骨を戻す方法がおすすめです。
袋や布に包んで納骨する方法
遺骨を袋や布に包んで、個別に納骨する埋葬方法です。個別の樹木葬で選ばれる場合や、集合墓や合祀墓で遺骨をそれぞれに袋や布に包んで納骨する場合があります。
樹木葬で袋や布が使われる場合は、土の中で分解されやすい素材でできていることが多いでしょう。直接土の中に埋葬するよりも時間はかかりますが、時間が経てば土に還ることになります。
事前に家族や親族の合意を得る
自分のお墓として永代供養の樹木葬を選ぶことを、事前に家族や親族の合意を得ておくことが大切です。また、合意を得た後も家族や親族の意向を尊重し、永代供養の樹木葬を選ぶ際の参考にするとよいでしょう。
たとえば、お墓参りに行きやすい場所にして欲しいといった家族や親族の希望を叶えることは、お墓参りのことを考えると重要です。交通の利便性が低い、徒歩でかなり歩かなくてはいけない場所の樹木葬では、なかなかお墓参りに来てもらいにくくなってしまうでしょう。
霊園型のタイプを選ぶ
樹木葬には霊園型や公園型、里山型がありますが、交通の利便性や施設の管理がしっかりしているというポイントで選ぶなら、霊園型が候補になるでしょう。
霊園での永代供養の樹木葬といっても様々な種類があって選べること、しっかりと景観を維持してもらいやすく、都市にお住まいの方でも近くにある場合が多いことなどが選ぶポイントになります。受け入れ条件や供養方法などを参考に、どの霊園型にするか選んでみましょう。
合祀タイプのケース
霊園型の合祀タイプのケースとは、最初から他の方の遺骨と一緒に埋葬し、一緒に供養されるタイプのお墓です。樹木葬の合祀タイプは複数の遺骨を同じ場所に埋めて、目印となる樹(シンボルツリー)を植樹しているタイプが一般的でしょう。
ただ、合祀タイプでは後から個別に遺骨を取せないことがあります。合祀タイプでも遺骨1つずつ分けて埋葬するタイプもありますが、基本的には合祀というと他の方の遺骨と一緒になると考えておきましょう。
個別タイプのケース
霊園型の個別タイプとは、1人用や2人用、または家族用といった人数別に個別にスペースが分けられているタイプの樹木葬です。霊園によっては墓標を置く場合もありますが、花や樹を植えて目印にしている場合もあります。
合祀タイプや集合タイプとは違い個別に埋葬されるタイプとなっていることから、費用は他の2つよりも高くなる傾向にあるため、注意してください。埋葬方法は、骨壺を使うか土に埋葬するか、霊園によって変わってくるでしょう。
集合タイプのケース
霊園型の集合タイプのケースでは、目印となる花や樹(シンボルツリー)は共有するものの、区画を分けて複数人が埋葬されるタイプの樹木葬となっています。
合祀タイプとの違いは、他の方の遺骨とは一緒になっていないというポイントです。同じ場所に埋葬されることになりますが、合祀タイプとは違い、埋葬場所はしっかり区分けされています。そのため、後から個別に遺骨を取り出すことも可能な場合が多いでしょう。
費用は合祀タイプよりは高くなりますが、個別タイプよりは安く済むでしょう。
里山型は1区画に1家族のみになる
里山型の樹木葬は、1区画を1家族が使用する形になるため、後でその場所から動かされるということは基本的にないでしょう。
里山型では、1区画につき何人まで埋葬可能といった人数制限があることがほとんどです。スペースが限られるため、後から追加で何人も埋葬することはできません。
しかし、1区画を1家族のみでしか使用しないため、たとえお墓を継承できる人がいなくても、遺骨はそのまま土に還ることになるでしょう。
現地確認を必ずする
永代供養の樹木葬を選ぶ際は現地確認を必ず行い、交通の利便性はどうか、施設の管理状況や周辺の環境などについてもきちんと把握して選ぶようにしましょう。
現地確認を行わずに、資料だけで選んでしまった場合、後から実際に行ってみると思っていたのと違ったということが起こりやすくなります。交通の利便性も重要です。いざお墓参りに行く段階になって利便性の悪さに気づいても遅いため、選ぶ前に調べておきましょう。
永代供養墓の違いでかかる費用相場
ここでは永代供養墓にかかる費用について紹介します。永代供養墓と言っても納骨堂や樹木葬など種類がありますし、樹木葬の部分以外でもかかる費用があります。それぞれの費用について相場を紹介していくため、選ぶ際の目安にしてみましょう。
一般的な永代供養墓の相場
一般的な永代供養墓の費用は、合祀墓で約3万円~10万円、集合墓で約10万円~30万円、個別墓で約30万円~100万円、納骨堂で約25万円~100万円が相場となっています。
合祀墓がもっとも安くなりやすく、集合墓や個別墓になるにつれて高くなり、納骨堂がもっとも高くなる傾向にあります。
ただ、お墓の形態によっても相場は変わってきます。一般のお墓を永代供養墓とした場合、都市の納骨堂で自動搬送式の家族型の場合などが高くなるでしょう。
樹木葬以外の基本的な内訳費用
樹木葬以外で永代供養にかかる基本的な内訳費用としては、永代供養するための納骨費用のお布施として約3万円~5万円、永代供養墓の刻字料が約3万円となっています。これらは一般的な永代供養墓の費用の中に含まれている場合が多いのですが、含まれていない場合もあります。
また、これら以外にも永代供養墓によっては管理料が必要となるケースがあったり、入檀料や墓石料、年会費などが必要になるケースもあったりするため、内訳費用をしっかり確認する必要があるでしょう。
樹木葬にかかる相場
樹木葬にかかる費用をタイプ別に分けると、合祀タイプで約5万円~20万円、集合タイプで約20万円~60万円、個別タイプで約50万円~150万円が相場となっています。
個別タイプは埋葬できる人数により費用相場が変わることに注意してください。1人分から夫婦2人分、家族分などの種類があります。埋葬できる人数が多ければ多いほど、費用相場は高くなるでしょう。
樹木葬の基本的な内訳費用
樹木葬の基本的な内訳費用は、永代供養料の他に年間管理料として約5千円、納骨法要や手数料として納骨のたびに約1万円~5万円、基本彫刻料として約1万円~20万円となっています。
管理料は初期費用として一括で支払う方法と、年間で支払う場合に分けられます。初期費用として一括で支払っていれば後の支払いはなくなるでしょう。年間単位で支払う場合は、初期費用を支払った後も年ごとに維持費用が発生することになります。
永代使用料と永代供養料で違う
樹木葬の永代供養では永代使用料と永代供養料を支払いますが、これらは同じものではなくまったく違うものです。永代使用料は、墓地として土地を使うために必要になる費用のことで、永代供養料は樹木葬としてお墓の維持や管理、供養するために必要な費用のことです。
永代使用料の場合
永代使用料の相場は、約60万円~80万円と言われています。墓地を永代に渡って使用するための費用として請求されます。
一般的に関東や関西といった大都市近郊で墓地を購入した場合、永代使用料も高くなる傾向にあるでしょう。地方であれば、相場の半分程度で済むことが多いです。
集合墓や合祀墓では、永代使用料が請求されるケースはあまりないでしょうが、樹木葬の里山型では請求される場合があります。
永代供養料の場合
永代供養料の相場は、合祀タイプで約5万円~20万円、集合タイプで約15万円~60万円、個別タイプで約20万円~80万円と言われています。合祀タイプほど永代供養料も安くなり、集合タイプ、個別タイプになると高くなっていく傾向にあるでしょう。
区画は地価の影響を受けやすい
墓地に使用する区画は地価の影響を受けやすく、大都市近郊エリアの区画であれば高くなり、逆に地方になると安くなるという傾向にあります。そのため、同じ個別墓でも、区画によってはまったく値段が違うといったことがあるでしょう。
安いなら地方の方がよいと考える方もいるでしょうが、遠方の区画ではお墓参りに行くハードルが上がる可能性があります。利便性と価格のバランスを考え、購入を検討しましょう。
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