遺言に永代供養について書くときのポイント!生前に家族としっかり話し合おう
「永代供養は遺言でお願いできるの?」
「遺言でお願いするにはどうやって書いたらいいの?」
「永代供養について決めるには、どんなことに気を付けたらいいの?」
このように、永代供養について考える方の中には、様々な疑問や不安があるのではないでしょうか。
本記事では、遺言で永代供養をお願いできるかどうか、遺言に永代供養について書くときのポイントと永代供養を遺言に残す前の注意点を紹介しています。
この記事を読むことで、遺言で永代供養の希望を実現させるためにはどのようにしたら良いかを把握できます。その知識をもとに家族と話し合えるため、永代供養の選定や遺言作成もスムーズに行えるでしょう。
遺言に永代供養について書きたいと考えている方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
遺言で永代供養はお願いできる?
永代供養のお願いは遺言に書くことが可能であるものの、法定遺言事項ではないため、必ずしも希望が叶うとは限りません。
「法定遺言事項」とは、遺言において拘束力を持つ事項のみを指すため、それ以外の事項は法的効力がありません。したがって、遺言には何を書いても法的効果を生じさせられるわけではないということを把握しておくことが大切です。
ただし、法的効力を持つのは法定遺言事項のみであるものの、葬儀の希望などは自由に書けます。自分の想いを伝わりやすく書くことで希望が叶う可能性もあるため、ぜひ本記事で紹介するポイントを参考にしてみてください。
遺言に永代供養について書くときのポイント
埋葬方法は法的遺言事項ではないため、遺言に書いても法的効力を持ちません。そのため、遺言で永代供養の実現を希望する場合は、いくつかポイントを押さえて書くと実現しやすいでしょう。
ここからは、遺言に永代供養について書くときのポイントを5つ紹介していきます。
- 永代供養の希望は「付言事項」になる
- 「祭祀承継」を信頼できる人に承継する
- 「負担付遺贈」をうまく活用する
- 「負担付死因贈与」を活用する
- 信頼できる人と「死後事務委任契約」を結ぶ
永代供養の希望は「付言事項」になる
「付言事項」とは、遺言を作成した経緯や理由など、遺言者のメッセージの部分を指します。この付言事項は、故人の考えを伝えたり家族の理解を促したりする役割があります。
付言事項があれば、相続人に遺言者の気持ちが伝わりやすくなるため、遺族間の争いを防げるでしょう。
そのため、相続人の理解を促せるよう、「なぜそう決めたのか」という思いや考えをしっかりと記すことが大切です。
「祭祀承継」を信頼できる人に承継する
「祭祀財産」とは、祭祀を営むために必要となる財産のことを指します。代表的なものとして挙げられるのが、家系図などの系譜、仏壇・神棚・位牌などの祭具、墓地や墓石などの墳墓です。
民法第897条によると、祭祀承継は一般財産と区別されて継承され、一般財産のように相続されずに、祖先の祭祀を主宰すべき者が承継するとされています。
ただし、祭祀承継者として被相続人が指定した人物がいる場合は、その人物が継承するとされているため、信頼できる人に承継しましょう。
「負担付遺贈」をうまく活用する
「負担付遺贈」とは、受贈者に一定の義務を負担させることを条件にした遺贈を指します。一定の義務とは、例えば「自宅を遺贈する代わりに残りの住宅ローンを払う」や「預貯金を遺贈する代わりに残された妻の面倒を見る」といったものです。
受遺者は、遺贈を受けると義務の履行責任を負うことになりますが、遺贈分以上の義務を負う必要はないとされています。また、相続人や遺言執行人は、受遺者が義務を履行しない場合に家庭裁判所に遺言の取り消しを請求できるため、うまく活用しましょう。
「負担付死因贈与」を活用する
「負担付死因贈与」とは、贈与する方から贈与を受ける相手に、ある一定の義務や負担を強いることが可能となる契約を指します。
義務や負担の例として挙げられるのが、「家を贈与する代わりに残りのローンを支払ってほしい」といったものや、「毎月一定の額を贈与する代わりにペットの面倒を見てほしい」といったものです。
遺言書よりも実行度合いが強いため、希望を実現したい場合には活用すると良いでしょう。
信頼できる人と「死後事務委任契約」を結ぶ
「死後事務委任契約」とは、自身の葬儀や埋葬など、死後に必要となる諸手続きを第三者に委任する契約を指します。
人が亡くなったあとは、永代供養に関する事務を含め、医療費の支払いや家賃・地代・管理費等の支払いなど、様々な手続きが発生します。それらの代理権を付与して、死後事務を委託するといったものです。
身寄りがない方はもちろん、頼れる親族や家族が近くにいない方は特に、信頼できる人と契約を結ぶことで、後々の安心を得られるでしょう。
永代供養を遺言に残す前の注意点
永代供養を希望する場合、前述のように遺言を書く際のポイントを押さえておくことが大切です。さらに希望をより実現しやすくするには、遺言を書く前に注意点を踏まえておくと良いでしょう。
ここからは、永代供養を遺言に残す前の注意点を3つ紹介していきます。
生前に家族と永代供養について話し合う
永代供養を遺言に残す前は、生前に家族と永代供養について話し合いましょう。例えば、後世に墓守の負担をかけたくないという理由で永代供養を選択したものの、家族は負担だと感じておらず、かえって合葬に抵抗を感じる場合があります。
また、手続きしてくれる人に永代供養についての希望が伝わっていなかった場合、遺言書を見る前に埋葬を手配してしまうなど、実現してもらえない可能性もあるでしょう。
そのため、家族の想いを聞いたり自分の希望をしっかり伝えておいたりするなど、自分ひとりで決めるのではなく、家族と相談しながら決めることをおすすめします。
永代供養の依頼先を決めておく
永代供養を遺言に残す前は、依頼先を決めておきましょう。永代供養を依頼する場合、様々な場所や方法があるため、色々と見て回り希望する永代供養の依頼先を決めておくことが大切です。それにより、残された家族を困らせずに済むでしょう。
さらに、永代供養の手続きをしてくれる方と一緒に出向くことで、疑問点や不明点に気付きやすくなるため、スムーズな選定が可能です。
遺言書サポートを依頼する
永代供養を遺言に残す前は、遺言書サポートを依頼するのもおすすめです。遺言書の作成には手間がかかるほか、不明点や疑問点も多く、1人での作成は難しいでしょう。
遺言書サポートでは、財産調査や財産の分け方、相続人の確認など、遺言書作成の際に必要となる手続きを法律のプロである公証人と進めていきます。
そのため、相続時に使用できず無効になる恐れが少なく、さらに本人の意思で作成されたことの証明となります。
遺言で永代供養をお願いする際のポイントを知ろう
本記事では、遺言に永代供養について書くときのポイントや、遺言に残す前の注意点などを紹介しました。永代供養は、法的効力がなく遺言に書いても希望が実現できるとは限らないため、様々な契約を活用するほか、家族と話し合って決めることが大切です。
ぜひこの記事で紹介した遺言に永代供養について書くときのポイントを参考に、生前に親族とよく話し合って、希望を実現してもらいましょう。
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