
浄土真宗の仏壇じまいをする際の手順は?閉眼供養と遷座法要の違いも解説

「閉眼供養と浄土真宗の遷座法要の違いは何?」
「仏壇じまいをする際の手順を知りたい」
「仏壇じまいをした後の供養はどうすれば良い?」
仏壇じまいを検討している方は、このような疑問を持つ方も少なくありません。
本記事では、閉眼供養と浄土真宗の遷座法要の違いなどの基礎知識に加え、仏壇じまいの手順と仏壇の処分方法、仏壇じまいの費用相場や仏壇じまいした後の供養方法について紹介しています。
この記事を読むことで、閉眼供養と浄土真宗の遷座法要の違い、仏壇じまいをする際の正しい手順や処分方法、費用相場が分かります。さらに、仏壇じまいをした後の供養方法について解説しているため、自分たちが納得できる仏壇じまいができるでしょう。
仏壇じまいを検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
仏壇じまいをしたい時はどうすればいい?
仏壇じまいとは、その名の通り様々な事情から仏壇を処分することを指します。仏壇を置くスペースがなかったり、仏壇を継承する子供がいなかったり、現代の住環境やライフスタイルの変化からやむを得ず仏壇を手放さなくてはならない方もいるでしょう。
しかし、仏壇じまいというのはただ単に処分するのではなく、然るべき手順を踏んで処分しなければなりません。
仏壇じまいをする場合の4つの選択肢
仏壇じまいをする際の仏壇の処分方法は、自分で処分する方法と、お寺や仏具店・専門業者などに依頼する方法があります。
ここでは、仏壇じまいをする場合の4つの選択肢について紹介します。
1:お寺に引き取ってもらう
お寺に仏壇を引き取ってもらう場合は、代々お世話になっている菩提寺が引き受けてくれるか問い合わせてみましょう。仏壇の処分の際に行う閉眼供養、浄土真宗の場合は遷座法要も一緒にお願いできるため、まずは菩提寺に相談してみることをおすすめします。
菩提寺以外に仏壇を引き取ってくれるお寺があれば、そのお寺を利用するのも良い方法ですが、宗派が違うと断られる可能性もあるため、事前の確認が必要です。
2:仏具店に引き取ってもらう
仏壇の処分をお願いできる寺院がなければ、仏具店に引き取ってもらうという方法もあります。仏具店の場合は、お寺とは違い、宗旨・宗派の違いを気にする必要はありません。
また、仏壇の搬出から運搬まで全て行ってくれるお店がほとんどですが、大きな仏壇の場合は別途費用がかかることもあるため、確認しておきましょう。
3:自分で粗大ごみとして出す
もし、仏壇を粗大ごみとして出すならば、自治体のルールに従って処分しましょう。仏壇はほとんどが木と金具でできていますが、木部分と金具部分に分類し、決められた大きさまで解体しなくてはいけないこともあります。
自治体のルールに違反していると回収してくれない恐れもあるため、疑問点はあらかじめきちんと問い合わせておくことが大切です。
4:専門業者に引き取ってもらう
仏壇回収専門業者に依頼する場合は粗大ごみに出すより費用はかかりますが、仏壇の搬出や運搬はもちろん、仏具なども一緒に廃棄を依頼することが可能です。
また、仏壇の回収だけを専門に行っている業者と、閉眼供養や遷座法要から処分までの一連の流れを請け負う業者があるため、自分たちの予算やスケジュールに合わせて選べます。
仏壇じまいをする際の手順
仏壇じまいをする際は、どのような手順を踏んで準備をすれば良いのか分からない方もいるでしょう。ここからは、仏壇じまいをスムーズに進めるための4つの手順を解説していきます。
親しい親戚に連絡をする
仏壇は故人の家族が守っていくものですが、親しい親戚がお参りに来て祖先を供養する場所でもあります。連絡が取れる親戚には、仏壇じまいをしたいということをあらかじめ相談・報告するのが一般的と言えるでしょう。
自分たちの意見だけで勝手に物事を進めてしまうと、後々トラブルに発展する可能性も少なくないため、親戚の了承を得ることは重要です。
お寺で閉眼供養を行う
閉眼供養とは仏様の魂を抜く仏教の儀式のことで、仏壇じまいやお墓じまいをする際に行います。仏壇には先祖や仏様の魂が込められているため、魂を抜いて仏壇をただの箱に戻してから作業に取り掛かるのが一般的とされています。
また、仏壇を処分することに罪悪感を感じている方も少なくありません。寺院から僧侶を呼び閉眼供養を行うということは、先祖の魂を敬い、感謝の気持ちを表すことにつながります。閉眼供養をすることで、仏壇じまいに対するうしろめたさも軽減されるでしょう。
仏壇の中に入っているものを整理する
長年受け継がれてきた仏壇には、土地の権利書や通帳・印鑑などの大事な書類がしまわれていることがあります。
仏壇の中を確認せず、解体・処分してしまったとなれば、二度と手元に戻りません。仏壇を処分する前に、仏壇の中に入っているものをきちんと確認するようにしましょう。
また、見た目では分からない隠し引き出しがある仏壇も存在します。念のため、隅々まで調べておくと安心です。
決めた方法で処分をする
閉眼供養を行い供養を済ませたら、いよいよ仏壇の処分に取り掛かります。先ほど紹介した4つの方法から、費用などを考えた上で仏壇を処分する方法を選びましょう。
業者に依頼する場合は、いくつかの業者から見積もりを取るのがなるべく費用を安く抑えるポイントです。
浄土真宗の場合は閉眼供養ではなく遷座法要を行う
浄土真宗は仏教の他の宗派とは異なり、人は亡くなると阿弥陀如来によって極楽浄土に導かれるという教えのため、魂が仏壇に宿るという概念がありません。
そのため、魂を抜く閉眼供養ではなく、仏壇の仏さまに感謝を伝え移動していただくという意味の遷座法要を行います。遷座法要は閉眼供養と同じように、お寺から僧侶を呼び、仏壇の前でお経を読み上げてもらうという流れが一般的です。
仏壇じまいをする際の注意点
仏壇じまいをする際には、閉眼供養、浄土真宗の方は遷座法要を行うようにしましょう。信頼できる業者に仏壇じまいを依頼するためには、口コミなどを参考にして複数の業者を見比べるのがポイントです。
また、粗大ごみとして処分する場合、近隣住民に配慮が必要なこともあります。仏壇が粗大ごみとして出されていたら、信仰深い方など不快に思う方がいてもおかしくありません。
木部分と金具部分を分別し、仏壇と分からないくらいの大きさまで解体してから粗大ごみに出すことをおすすめします。
仏壇じまいをする際の費用相場は?
地域や宗派によって異なりますが、閉眼供養の費用相場は3~5万円程度とされています。また、仏壇の処分費用は処分方法によって大きく差が出ます。
お寺に依頼する場合はお布施として費用を払いますが、4万円程度が相場です。粗大ごみに出す場合は、1千円~3千円程度が目安です。業者や仏具店は、仏壇の大きさや運搬距離で変わりますが、おおよそ2~8万円が相場になります。
仏壇が置けない際におすすめの仏具
仏壇じまいについて詳しく解説してきましたが、仏壇じまいをした後の供養方法も気になるところです。
コンパクトなサイズの仏壇を用意して供養を続けるという方が多いですが、最近は、現代の住環境やライフスタイルに合った手元供養という方法が注目を集めています。
ここでは、仏壇が置けない際におすすめの仏具を紹介します。
メモリアルステージ
メモリアルステージとは、主に遺影や遺骨、故人が生前大切にしていた品を安置するものです。仏壇が仏様を祀る祭壇だったのに対し、故人を中心に祀るものになります。仏壇のように箱型タイプではなく、オープンタイプのものが主流です。
ミニ骨壺
遺骨は納骨堂に納めたり、お墓に埋葬したりするのが一般的とされていますが、遺骨の一部を手元に置いておきたいという方は、手のひらに収まるくらいのサイズのミニ骨壺がおすすめです。
インテリア性が高く、一見して骨壺とは思えないデザインが多いのが特徴です。サイズも小さいため、仏壇やメモリアルステージなど部屋の好きな場所に置くこともできます。
小型の仏壇
現代の住環境やライフスタイルから、従来の仏壇を設置するのは難しいという家庭が増えています。しかし、今までと同じように仏壇を設置して供養したいという方におすすめなのが、小型の仏壇です。
従来の仏壇をそのままコンパクトサイズにしたものや、形式にとらわれないモダンでデザイン性が高いものなど色々な種類があります。床に置くタイプよりも、棚や机などの上における上置きタイプが主流です。
遺骨ペンダント
遺骨ペンダントとは、亡くなった方の遺骨や遺髪、遺灰などを納めて身に着けられるアクセサリーのことです。見た目だけでは、遺骨ペンダントとは分からないものや、遺骨が目に見えて確認できるものなどデザインも豊富です。
遺骨ペンダントにすることで、亡くなった方を身近に感じられ、肌身離さず一緒にいることができます。
壁掛けの仏壇
壁掛けの仏壇は机や棚の上に置くのではなく、壁に掛ける仏壇のことです。薄型設計の仏壇が多く、リビングや寝室、キッチンカウンターの上など場所を選びません。
壁掛け仏壇といっても奥行きがあり、お供え物や仏具を置くスペースが備わっているため、きちんと供養できます。しかし、設置には仏具店などの専門業者に工事を依頼する必要があります。壁に穴をあけて設置するとなると、賃貸では難しいというのが現状でしょう。
仏壇じまいの際は閉眼供養もしくは浄土真宗の場合は遷座法要を行おう
住宅環境やライフスタイルの変化に伴って、やむを得ず仏壇じまいを検討しているけれど、ためらいやうしろめたさを感じている方もいるでしょう。
今回紹介したように、閉眼供養もしくは浄土真宗の方は遷座法要をして仏壇じまいをすることで、先祖に対して失礼になることはありません。仏壇じまいをした後は、自分たちに合った方法で供養し続けると良いでしょう。
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