
永代供養後、大阪でおりんを通して供養を続ける家が増えたのはなぜ?その役割と鳴らし方

永代供養の後にお仏壇を仕立てる家が大阪では増えています。おりんには、天国(極楽浄土)へメッセージを届ける役割があると言われているため、遺骨がなくとも故人と生きる身を繋げるひとつの方法として、広がるようになりました。
合葬墓などに永代供養をすると、個別の墓標がなくなりますので、お仏壇を仕立てる流れも分かりますよね。
では、本来大阪ではどのようにおりんが扱われ、どのような役割を果たしてきたのでしょうか。
今回はその役割の他、大阪でお仏壇、そしておりんを仕立てた後、日々の供養における、宗旨宗派別の鳴らし方などについてもお伝えします。
永代供養後、大阪でおりんを通して供養を続ける家が増えたのはなぜ?その役割と鳴らし方

大阪で広がるおりん、その役割

冒頭でお伝えしたように、永代供養後に大阪でお仏壇やおりんを購入する家が増えた理由には、おりんが極楽浄土へ生きる身のメッセージや供養、弔いを届けるとされているためです。
ただ本来仏教の教えとしては、大阪においてもおりんの役割はそればかりではありません。おりんには主に3つの役割があるとされています。
(1) 天国(極楽浄土)へ想いを届ける
… 天国へ供養や生きる身の想いを届けるには、お線香の煙とおりんで繋げると言われてきました。宗派によっては回数毎に鳴らす音(鳴らし方)を変えるものもあります。
(2) 読経供養の合図、リズムを取る
… 現代の大阪ではおりんは、故人との繋がりとして需要が高いですが、本来は読経の合図として用いられます。そのため大阪でも読経以外ではおりんを鳴らさない宗派もあるため、注意をしてください。
(3) 場の空気を清める(邪念や邪気を祓う)
… 「カーン」と言う澄み切った音を場に通し、その場の邪念や邪気を祓って場を清めます。そのため大阪では、読経前におりんを鳴らす意味合いとして、「供養のために場を清める」と考える家も多いです。
…以上が大阪で広がるおりんの、本来の3つの役割です。
そのため現代の大阪では、おりんを「電話のコール」のような感覚で頻繁に鳴らす方もいますが、これは本来良しとされません。
● 例えば読経など本腰を据えて供養をする、神様や仏様・故人と繋がりたい時に、大阪でおりんを鳴らす場合は問題ありません。
→ けれども、お線香を上げてチーン、お供物を上げてチーンと、頻繁に鳴らし過ぎるのはあまり良くないとされています。
生きる身に例えて考えてみると、料理をしていたり、勉強をしていたりと集中したい時間に、「ピロピロピロピロ…」としょっちゅう電話が鳴るのでは、落ち着きませんよね。これと似たような感覚です。
宗派でちがうおりんの鳴らし方

さまざまな仏教宗派(真言宗や浄土宗など)が集まる大阪では、おりんの鳴らし方もそれぞれの宗派によって分かれます。
(1) 真言宗 … 大阪で多い真言宗では、おりんは2回鳴らしますが、それ以上に「鳴らし方」が特徴的です。1回目はそっと鳴らし、2回目にしっかりと鳴らす方法です。
※ 東本願寺の大谷派では、最初と中盤にそれぞれ2回おりんを鳴らし、最後に3回鳴らします。
(2) 曹洞宗 … 曹洞宗は寺院によってそれぞれに違う鳴らし方をします。大阪の寺院で多いおりんの鳴らし方は3回ですが、おりんを内側から2回鳴らす寺院もあるでしょう。
(3) 臨済宗 … おりんは3回鳴らします。
(4) 天台宗 … 天台宗の場合、読経の節目で鳴らす点が特徴的です。読経始めに2回のおりん、ひとつの読経ごとに1回、全ての読経が終わった時点では3回です。
(5) 日蓮宗 … 日々のお供養において日蓮宗では朝におりんを1回鳴らし、夕方のお供養で2回を鳴らします。
…ここで大阪でのおりんの鳴らし方で、注意をしたい宗派が浄土宗や浄土真宗です。これらの宗派では勤行(ごんぎょう)を大切にしているため、勤行や読経時のみ、大阪の寺院ではおりんを鳴らすことが多いでしょう。
(1) 浄土宗 … 日ごろお仏壇のお世話では、おりんは鳴らしません。読経の時には「八下(はちさげ)」です。「八下(はちさげ)」はおりんを8回鳴らします。
(2) 浄土真宗 … 浄土真宗でも大阪では勤行でおりんを鳴らすのみなので、日ごろお仏壇のお世話では鳴らさない家が一般的です。浄土真宗は大阪で派が分かれ、おりんの鳴らし方も派によって異なります。
・本願寺派 … 勤行時は最初に2回おりんを鳴らし、中盤は1回のみ、そして終了時に3回です。
・大谷派 … 勤行時には最初と中盤それぞれ2回おりんを鳴らした後、終了時には3回鳴らします。
以上が仏教宗派によって異なる大阪でのお倫の鳴らし方ですが、最近の大阪では手元供養で、おりんが必須アイテムになっています。
そしてこの場合、離檀(特定寺院の信徒から離れること)して、無宗教になっていることが多いでしょう。大阪でも無宗教なら、おりんが必ず必要とも言えません。
ただ現代の手元供養の傾向として、大阪ではおりんは揃える家が多いです。そして、それぞれの宗派の鳴らし方を理解しながら、自分達にしっくりきたものを自由に選んでいます。
合葬墓に永代供養をしても、故人と繋がる

現代の大阪で、おりんが注目されている背景には、お墓を持たない手元供養の広がりや、他の遺骨と一緒に埋葬される合葬墓などによる永代供養の広がりがあります。
特に合葬墓やシンボルツリー型の樹木葬、故人の遺骨を海へ撒く海洋散骨などの場合、どうしても個別の墓標を持つことができません。
● そこで「永代供養をしても位牌を残すことはできますか?」「お仏壇を仕立ててお供養はできますか?」などの質問が多くありますが、もちろん、合葬墓や海洋散骨などで個別のお墓を持たずとも、ご自宅でお供養はできます。
→ そこで墓標の代わりに「故人と繋がる」アイテムとして、ご遺族の心の支えとなっているのが、おりんです。
※ 大阪ではおりんを鳴らすことで極楽浄土へ繋がる…、つまり故人へメッセージが届くと考える方が多くいます。そのため手元供養でも三具足以上に、大阪ではおりんを真っ先に購入する方が増えました。
遺族にとっては大切な人を亡くしたグリーフ(喪失体験によるショックや哀しみ)のなかにいます。そんななかで大阪では、お線香を上げておりんを鳴らし、手を合わせながら故人と対話をすることで、少しずつ回復を辿る体験談は多いです。
いかがでしたでしょうか、今回は永代供養後に大阪で増えた、おりんの購入と仏壇仕立てについて、特に「なぜ今、大阪でおりんが求められているのか…」、その役割について詳しくお伝えしてきました。
宗派によって違うおりんの鳴らし方についても詳しくお伝えしてきましたが、最近の大阪では、おりんを鳴らす意味合いを重視しています。
そのため、大阪ではペット供養でもおりんは重要視されていて、ペット供養や手元供養の小さなお仏壇でも対応できる小さなおりんなど、さまざまなデザインが販売されるようになりました。
もちろん、合葬墓でも供養塔へ手を合わせることはできますが、より故人と心を繋げ、メッセージを届けたい場合には、大阪の自宅におりんとお仏壇を仕立ててみてはいかがでしょうか。
※ 手元供養について「大阪で娘の手元供養を決めた体験談。娘の遺骨を納骨できないまま5年、分骨をして祭壇へ」では体験談をお伝えしています。
またお墓を持たない永代供養についても、別記事「大阪でお墓がない、予算もないときはどうやって納骨するの?お墓を持たない葬送の選択肢」に詳しいので、ご参照ください。
まとめ
永代供養後、おりんが求められる理由
●おりんの3つの役割
(1)天国へ届ける
(2) 読経供養の合図
(3) 場の空気を清める
●宗派で鳴らし方が違う
●故人と繋がるアイテムとして需要が増えた
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