
「会葬」の意味とは?マナーと注意点・弔問との違いもあわせて紹介

「会葬って何か特別な意味があるの?」
「会葬と弔問は何が違うの?」
葬儀の案内などで会葬という言葉を目にすると、あまり見慣れない言葉に戸惑ってしまう人もいるのではないでしょうか。
この記事では会葬の意味や会葬に参列する際のマナーについて解説します。記事を読むことで、会葬と弔問の違いや、会葬でのマナーについて知れるでしょう。
また、会葬に参列する際の注意点についてもあわせて解説しているため、どのような点に注意して会葬に参列すれば良いのかがわかります。
会葬では参列する側だけでなく、遺族側にも注意点があるため記事を読んで注意する点を知っておきましょう。
記事の内容を参考に、会葬についての理解を深め、参列者と遺族側それぞれの注意点を知っていざという時に困らないよう備えましょう。
「会葬」の意味とは?
会葬とは故人に縁がある人が最期のお別れをするために、葬儀に出席することを意味します。葬儀、告別式に参列すことを会葬と言いますが、通夜は会葬には含まれません。
葬儀・告別式に参列する方々を会葬者と言います。会葬者は親族以外の参列者です。親族は「遺族側」となり、会葬者は「お客さま」という立場になります。
弔問との違いとは?
通夜や葬儀でよく耳にする会葬者や弔問者という言葉は、どちらも故人の死を偲んで挨拶に来る人のことを指します。この二つの言葉は、通夜に訪れるのか、葬儀に訪れるのかで使い分けられます。
葬儀、告別式に参列することを会葬と呼び、通夜に訪れることを弔問と言います。通夜に訪れた人は弔問客です。
葬儀と告別式は続けて行うことが多いため混同されがちですが、葬儀が故人の冥福を祈り、葬るための宗教的儀式なのに対し、告別式は故人と最期のお別れをするための式典となります。
「会葬」に参列する際のマナーと注意点
葬儀は儀式であり、告別式は式典です。そのため、参列する会葬者にも相応のマナーが求められます。マナーを守ることで、故人への敬意を表すことにもつながり、また遺族の方に対しても弔意を示せます。
ここでは、服装や持ち物、行動まで会葬で押さえておきたいマナーを解説します。
持ち物について
会葬者は数珠や袱紗に包んだ香典、ハンカチなどを持ち物として準備します。準備したこれらの持ち物を入れる鞄やバッグなどの小物は光沢のない素材のもので、金具のないものを使うようにしましょう。
また、派手なアクセサリーや髪飾りは葬儀の場にふさわしくありませんが、パールのアクセサリーは身に付けても問題はありません。
服装について
原則的に喪服を用意します。一般の会葬者であれば、ブラックフォーマルなどの礼服や、黒のフォーマルドレスなどの準喪服が適切でしょう。
葬儀や告別式は故人にとっても遺族にとっても大切な最期の儀式、式典ですので、ふさわしい服装で参列しましょう。
到着時間について
一般の会葬者は、葬儀開始時刻までに到着していれば良いとされます。しかし、受付などで時間がかかる場合があるので、余裕を持って30分から15分前には会場に到着し、受付を済ませましょう。
遅刻してしまった場合には、会場係の指示に従って入場し後方に着席しましょう。やむを得ない事情で途中退席する場合には、会場の係の方か受付でその旨伝え、後方の退席しやすい席に座り、お焼香を終えた後、退席します。
香典について
香典は不祝儀袋に入れて、袱紗などに包んで持参しましょう。香典の額は故人との関係や年齢、社会的な地位によって変わります。
香典は受付がある場合には受付で、ない場合には遺族に直接渡すか、祭壇に供えましょう。
ほかの人の香典を預かった時にはその旨を受付や遺族の方に伝えます。受付で芳名帳に記帳する際に預かった人の名前も記入しましょう。
自分も香典を出している場合には、自分の分と預かった人の情報両方を記帳し、預かった人の名前の左下に「代」、配偶者であれば「内」と書き、自分の名前を小さく入れます。
通夜に弔問し、すでに香典を渡している場合には受付で香典をすでに出している旨を伝えます。香典を二度渡すことは「不幸が重なる」としてマナー違反なので注意しましょう。
また、親族が香典を辞退されている場合もあります。この場合、無理に渡すことはマナー違反となります。
受付での対応方法
記帳の際には、省略することなく住所氏名を記入します。記帳する芳名帳は誰が葬儀に来てくれたのかを確認するほか、後ほど会葬御礼を発送する場合にも必要になるため、正確に記帳します。
受付ではお悔やみを述べますが、長々と話すのは受付の方にも後に続く方にも迷惑になるのでやめましょう。
また、お悔やみを申し上げる場合には宗教の用語に気を付ける必要があります。「冥福」や「供養」などは仏教用語のため、神式やキリスト教では使いません。
そのため、「お悔やみ申し上げます」や「御愁傷様でございました」を使うのが適切でしょう。
会葬者の着席場所
会葬者が葬儀場で着席する場合には、親族の後方に着席するようにしましょう。祭壇に一番近い場所は故人に近しい家族が着席します。そして、その後ろに親族が着席することになるため、会葬者は親族の後ろの空いている席に座るようにしましょう。
また、会葬は故人にとっても遺族にとっても大切な儀式であり式典です。途中退席はマナー違反となるため避けましょう。やむを得ず退席する場合には、ご焼香をした後にタイミングを見てそっと退席しましょう。
途中退席はマナー違反なので、参列する場合にはできるだけ最後まで参列します。もちろん電話を受けるための離席もふさわしくありません。事前に携帯電話の電源を落として、参列しましょう。
最後のお別れの場合
最期のお別れの際には、一般会葬者は外に出て出棺を待ちますが、遺族から求められた場合、遺族と共に故人と最期のお別れをしましょう。
自分の意思で最期のお別れをしたい場合には、必ず遺族に申し出てください。
最期のお別れの際には、係の方が用意してくれたお別れの花を一輪、遺体の周りに置いていきます。この時の順番は故人との縁が深い人からです。花は顔の近くから置いていきますが、故人の顔を隠さないように注意しましょう。
出棺の見送りの場合
出棺が故人を見送る最期の儀式となります。一般会葬者もできるだけ出棺を見送ることが望ましいでしょう。出棺を見送る際、霊柩車が火葬場に向けて出発する直前になったら黙礼し合掌します。
お斎に招かれた場合
お斎に招かれた場合には、遠慮せずに参加しましょう。お斎では通夜のように振る舞い、近くの席の方と故人の思い出を語り合います。大声で話したり、飲み過ぎたりすることのないよう注意をしましょう。
途中退席する場合には、隣の席の方や喪主、遺族の方に挨拶をしてから退席しましょう。
「会葬」へ参列できない時は?
会葬に参列することができなかった場合、弔問は葬儀が終わって3日程経ってから四十九日前までに行くようにしましょう。
遺族に故人との関係性を伝え、事前に同意を得た上で、遺族の都合の良い日時に合わせて弔問してください。
海外出張などで四十九日までに弔問に行けない場合や、四十九日を過ぎてから訃報を聞いた場合でも、事前に遺族の都合を伺った上で弔問するようにしましょう。
遺族側の「会葬」御礼のマナー
遺族は葬儀、告別式に参列された会葬者の方に御礼をします。会葬に参列していただいた御礼ですので、香典の有無関係なく渡すのがマナーです。
近年は、会葬御礼も受付の際や、焼香を終えた後に直接手渡しするのが一般的となっています。
会葬礼状をお渡しする
会葬礼状とは、会葬に参列してくれた方に渡す御礼状です
会葬礼状はハガキサイズのカードが一般的です。通常は葬儀社に依頼しますが、礼状の内容はテンプレートになっていることも多く、自作することもできます。
会葬返礼を渡す際に、会葬礼状も一緒に渡すのが一般的です。参列されずに弔電や供物をいただいた場合には、後日、礼状と御礼品を送ります。
会葬返礼品をお渡しする
会葬返礼品も会葬に参列してくれた方に渡す御礼の品です。「参列した」ことに対する御礼の品なので、香典がある・なしにかかわらず会葬者に渡します。
返礼品に特に決まりはありません。参列していただいた方の負担にならないように、持ち運びが容易な小さくて軽いものを用意します。
葬儀社に依頼すれば用意してもらえますので、相談してみましょう。
「会葬」の意味とマナーを知っておきましょう
会葬の意味やマナーなどについて解説しました。
コロナ禍で家族葬などの小規模なお葬式や会葬を辞退する方も増えています。会葬辞退とは「親族自体の会葬を遠慮します」という意味です。その場合は故人や遺族の意向に沿って、弔問や香典は遠慮します。
どうしても弔意を表したい場合には、その旨を遺族の方に連絡し、確認をとってから行動しましょう。
会葬マナーはコロナ禍でも変わりありません。マナーを守って参列し、故人との最期のお別れをしましょう。
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