遺骨がいっぱいで新しい遺骨が入らない時はどうする?タブーのない7つの対処法を解説!
・お墓の遺骨がいっぱいになったらどうする?
・新しい遺骨を納めるスペースを作る方法は?
・古い遺骨を移動するタブーのない対処法は?
お墓の地下にある、遺骨を納める収納室「カロート」はスペースに限りがあるため、遺骨がいっぱいになるトラブルもあります。
この場合、何らかの方法で対処をして、新しい遺骨を納めなければなりません。
本記事を読むことで、お墓の遺骨がいっぱいになって新しい遺骨が納められない時にできる7つの対処法が分かります。
遺骨がいっぱいになってしまうとは?
◇遺骨を納めるスペース「カロート」がいっぱいになります
先祖代々墓などの一般墓は継承して、先祖代々の遺骨を埋葬していますが、遺骨を納骨するスペースである「カロート」に納めた遺骨がいっぱいになってしまうと、当然新しい遺骨が納骨できません。
特に近年の一般墓はコンパクトな設計が多く、カロートも小さいものが多いです。
また古い先祖代々墓でカロートが大きなものであっても、遺骨の柱数が多くなれば、やはりいっぱいになってしまいます。
一部地域ではカロートの一部分の床を外し、古い遺骨を土に還す構造があります。
それでも親族が続けて亡くなった時など、いっぱいになるケースもあるでしょう。
お墓には何人まで入るの?
◇一般的にお墓には6柱~8柱入るとされます
お墓に何人入るか?については法的な制約はないため、お墓のカロートに何柱入るか?と言う物理的な問題になるでしょう。
現代のお墓はコンパクトにできているので4柱~6柱、古い大きな先祖代々墓でカロートが広いお墓であれば、8柱~10柱ほどが一般的です。
また日本の風習として先祖代々墓は入第三親等までなど、制約がある家もありますが、基本的には墓主が許可さえすれば、誰でも入ることができます。
※墓地の規約で制限されることもあるので、確認をしてください。
・大阪で建てるお墓、誰が・何人まではいれるの?お墓に入れない時、5つの対処法を紹介
遺骨でいっぱいになったらどうする?
◇遺骨でいっぱいになった場合、主に7つの対処法があります
カロートの遺骨がいっぱいになり、新しい遺骨が埋葬できない時には、遺骨を粉骨してコンパクトにする、古い遺骨を合祀墓(永代供養墓)へ改葬するなど、何らかの対処をしなくてはなりません。
①粉骨
②遺骨を土に還す
③合祀墓(永代供養墓)
④弔い上げをする
⑤古い遺骨をまとめる
⑥カロートを広げる
⑦お墓を建て直す
ちなみにお墓は自分達でも開閉できますが、事故などの危険性を回避する意味合いも含め、一般的には石材業者に依頼すると良いでしょう。
お墓を開閉してなかのご遺骨を取り出す場合、石材業者に依頼すると約3万円前後~/1柱が目安です。
①粉骨
◇遺骨をパウダー状に粉骨し、1柱をコンパクトにします
「粉骨」とは、遺骨をパウダーのような粉状にすることです。
カロートが遺骨でいっぱいになった時だけではなく、海や山林に撒く自然葬「散骨」や、自宅で遺骨を祀り供養する「手元供養」でも利用されます。
<粉骨業者> | |
[粉骨業者] | [費用目安] |
①ご遺骨サポートこころ | ・税込み2万7千円 |
②清和電気産業株式会社 | ・税込み3万円 |
③愛の手 | ・税込み2万5千円 |
粉骨業者は他にもありますが、遺骨がいっぱんいなった時には霊園に相談をすると、粉骨業者を紹介してくれることが多いでしょう。
②遺骨を土に還す
◇古い遺骨を土に還して、新しい遺骨スペースを作る対処法です
遺骨を収蔵するカロートの底面が土(地面)に接している造りのお墓だった場合、古い遺骨を土へ還すことで、新しい遺骨を納骨するスペースを作ることができるでしょう。
遺骨は土に分解されるサラシや骨袋に納め、カロート下の土に埋めます。
長い時間をかけて微生物がサラシや遺骨を分解し、自然へと還る流れです。
ただしお墓を建てる段階で、カロートの一部分が土に接している構造にしなければなりません。
このようなお墓は、地域性もあるでしょう。
③合祀墓(永代供養墓)
◇遺骨の一部を合祀墓(永代供養墓)に移す対処法です
「合祀墓(永代供養墓)」とは、遺骨を施設内の合祀墓(永代供養墓)に、他の遺骨と一緒に合祀埋葬することを指します。
遺骨は骨壺や骨袋から取り出して、他の遺骨と混ざるため、一度埋葬すると改めて遺骨を個別に取り出すことはできません。
けれども合祀墓(永代供養墓)に遺骨を埋葬すると、墓地管理者が家族に代わり、永代に渡って供養や管理をしてくれます。
一般的には古い遺骨から合祀墓(永代供養)に移動しますが、現代は新しい遺骨を永代供養する選択も多いです。
・永代供養墓とは?4つの種類と費用相場、向いている・向いていない人や、選び方と注意点
④弔い上げをする
◇遺骨がいぱいにならないよう、弔い上げと同時に改葬する家もあります
「改葬(かいそう)」とは、お墓や遺骨を引っ越すことを指し、前述した合祀墓(永代供養墓)へ一部の遺骨を移動することも「改葬」のひとつです。
カロートの遺骨がいっぱいになってから対処することもできますが、最初から遺骨がいっぱいにならないよう、弔い上げと同時に遺骨を合祀墓(永代供養墓)などへ、改葬する風習を持つ家も多くあるでしょう。
「弔い上げ」とは、年忌法要などの供養を辞めることを指し、弔い上げを済ませることで故人はご先祖様の一員となり、家を代々見守ってくれます。
⑤古い遺骨をまとめる
◇古い遺骨をひとつにまとめて、新しいスペースを作ります
古い遺骨をひとつの骨壺にまとめ、新しい遺骨を納めるスペースを作る対処法です。
遺骨をそのままの状態でひとつの骨壺にまとめることもありますが、よりコンパクトにしたい場合には、粉骨を行います。
もしくは分骨をして、一部は合祀墓(永代供養墓)へ埋葬することもあるでしょう。
複数の骨壺をひとつにまとめるため、それだけカロート内のスペースを確保できます。
⑥カロートを広げる
◇墓石で建てられたお墓は、建て直しになります
一般的に木造住宅などとは違い、墓石で建てられたお墓は、カロート部分のみを広くする改修工事などは多くのお墓でできないでしょう。
特にカロートはお墓の地下の基礎部分を担いますので、上部にも影響が出てきます。
…カロートを拡張する場合、拡張工事の費用目安は約10万円ほど~です。
ただし基本的に同じ墓地でカロートを広げるには、結果的に多くは一度お墓を撤去して建てる「建て直し」となり、費用も大幅にかかるでしょう。
遺骨がいっぱいになった時には、まず他にできる対処法を試してみてから検討することをおすすめします。
⑦お墓を建て直す
◇お墓の撤去費用、そしてお墓を建てる費用がかかります
遺骨がいっぱいになった時、遺骨の移動やカロートを広げるなどの対処法ができなかった場合、予算に余裕があるとお墓を建て直すこともあるでしょう。
もちろん大きなお墓やデザイン性の高いお墓など、こだわりがあれば建墓費用は約300万円以上かかることもあります。
また一般的にはお墓を建てると、開眼供養・閉眼供養も執り行うため、それぞれ約3万円ほどのお布施も用意するでしょう。
ただしお墓の建て直しは、建墓費用だけではなく、お墓の撤去費用もかかるので予算立てには注意をしてください。
遺骨がいっぱいになった時のタブーはある?
◇弔い上げのタイミングが最も対処しやすいです
遺骨がいっぱいになったら、古い遺骨は弔い上げをすることで、家族や親族も安心して
対処ができます。
弔い上げのタイミングは一般的に33回忌ですが、現代では早い段階で弔い上げを行う家も多いです。
また33回忌を弔い上げとする家では、複数の年忌法要をまとめて繰り上げる「繰り上げ法要」を執り行い、弔い上げとすることもあります。
遺骨の扱いにタブーはある?
◇遺骨の粉骨や、ひとつにまとめる行為はタブーではありません
遺骨がいっぱいになった時、遺骨を粉状に砕く粉骨は、しばしば「宗教的にタブーではないか?」と不安を抱える人も多いです。
またご先祖様の複数の遺骨をひとつにまとめる行為に抵抗を示す人もいるでしょう。
けれども、いずれも仏教的なタブーはありません。
現在では遺骨を粉骨して自宅に祀る「手元供養」も増えていますし、合祀墓(永代供養墓)では、他の遺骨と一緒に合祀埋葬された後、供養されます。
まとめ:遺骨がいっぱいになったら永代供養が多いです
遺骨がいっぱいになったら、一般的には古い遺骨から合祀墓(永代供養墓)などに改葬(遺骨の引っ越し)をして、新しい骨壺を納めるスペースを作ると良いでしょう。
この他にも、遺骨を残したいならば粉骨などの方法もあります。
遺骨を粉骨すると骨壺も手の平サイズになるため、納骨できる柱数はずっと多くなるでしょう。
また弔い上げのタイミングで古い遺骨を移動する流れが自然ですが、弔い上げまで日がある場合は、繰り上げ法要や早い年忌法要での弔い上げも可能です。
一方、新しい遺骨を手元供養にしたり、納骨堂に一時期的に収蔵するなどして、古い遺骨の弔い上げを待つ人もいます。
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