
相続に必要な戸籍謄本の集め方とは?ケース別の集め方や種類について解説

「戸籍謄本にはどんな種類があるの?」
「相続手続きに必要な戸籍謄本の集め方とは?」
「戸籍謄本を集めるにはどのくらいの費用がかかるの?」
このように、相続に必要な戸籍謄本の集め方について詳しく知りたいという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、相続手続きに必要な戸籍謄本の種類や戸籍謄本の集め方などを紹介しています。この記事を読むことで、どのようにして戸籍謄本を集めれば良いのか把握することができるでしょう。
また、戸籍謄本を集める際にかかる費用なども紹介するため、具体的にどのくらいの費用がかかるのか知りたい人も参考にできます。
相続に必要な戸籍謄本の集め方について知りたい人は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
戸籍謄本の種類
「戸籍」と呼ばれるものには、「戸籍謄本」と「戸籍抄本」の2種類があります。相続の手続きを行う際に必要な戸籍は戸籍謄本です。しかし場合によっては戸籍抄本でも利用可能なケースがあります。
両者の違いとしては、戸籍謄本は原本の全ての情報が載っており、戸籍抄本は一部のみを抜粋しているという違いがあります。
また、戸籍には現在の戸籍の他に「除籍謄本」や「改製原戸籍」などの種類があり、相続の手続きを行う際には「除籍謄本」や「改製原戸籍」も必要になるケースがほとんどです。
相続手続きに必要な戸籍謄本は?
相続手続きを行う際には戸籍謄本が必要になります。相続人を確定させるために戸籍謄本を用意する必要がありますが、誰がどのような戸籍謄本が必要になるのかわからないという人も多いでしょう。
ここでは相続手続きに必要な戸籍謄本を紹介していくため、参考にしてみてください。
相続人全員の最新の戸籍謄本
相続の手続きを行う際には、相続人全員の最新の戸籍謄本が必要です。相続が発生した場合、相続人が生存していることを確認する必要があるため、相続人全員の戸籍謄本を用意する必要があります。
出典|参照:相続手続きに必要な戸籍謄本の種類と取得方法を徹底解説!どのような時に必要で有効期限はある?|税理士法人チェスター
被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本
相続の手続きを行う際には、被相続人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本が必要です。被相続人の相続人を確定させるためには、最新の戸籍だけでなく、被相続人が生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本を集める必要があります。
現在の戸籍だけでなく、前述の除籍謄本や改製原戸籍なども必要です。除籍謄本とは、結婚や離婚、転籍、死亡などによってその戸籍に誰もいなくなった状態の戸籍を指します。
また、改製原戸籍は現在の新様式に切り替える前の戸籍のことです。戸籍は様式変更の際に有効な戸籍の作り変え作業が行われていますが、改製原戸籍は作り替わる前の戸籍のことを指します。
特殊なケースの戸籍謄本の集め方は?
一般的なケースの相続であれば、前述の通り相続人全ての戸籍謄本と被相続人の生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本を集めることになります。しかし多数の戸籍謄本が必要になるケースなど、特殊なケースの場合は、上記とは異なる方法で戸籍謄本を集める必要があります。
ここでは特殊なケースの戸籍謄本の集め方を紹介していくため、参考にしてみてください。
相続人が兄弟の場合
被相続人に子供がおらず、両親や祖父母などの直系尊属が亡くなっている場合、相続人は兄弟姉妹になります。このように相続人が兄弟姉妹になる場合は、被相続人の両親それぞれの出生から死亡に至るまでの戸籍謄本が必要です。
両親それぞれの戸籍謄本を集めることにより、直系尊属が死亡している事実と、異父母の兄弟姉妹がいるかどうか確認することができます。
代襲相続の場合
被相続人が亡くなった時点でその子供が亡くなっており、亡くなった子供に子供(被相続人から見た孫)がいる場合は、孫が相続人になります。このような相続を「代襲相続」と呼び、この場合の子供を「被代襲者」、孫を「代襲相続人」と呼びます。
このような代襲相続の場合は、被代襲者の出生から死亡するまでの戸籍謄本と、代襲相続人全員の現在の戸籍謄本が必要です。亡くなった子供の全ての戸籍謄本と孫の最新の戸籍謄本を入手し、代襲相続人を確定します。
多数の戸籍謄本が必要な場合
子供が多い場合など、多数の戸籍謄本が必要なケースもあります。女性で結婚や離婚を繰り返している場合、本籍の変更が伴うため、戸籍謄本の数も増えます。
このように多数の戸籍謄本が必要になるケースでは、相続人全員の戸籍謄本を取り寄せる必要があります。その場合は、戸籍のある市区町村の役場にそれぞれ交付申請を行わなければいけません。
戸籍謄本の集め方
相続の手続きで戸籍謄本が必要になった場合、本籍地のある市区町村の役場で戸籍謄本を取り寄せることになります。被相続人の本籍地がわからない場合は、まずは本籍地が記載されている住民票を取り寄せましょう。
ここでは具体的な戸籍謄本の集め方を紹介するため、参考にしてみてください。
直接市区町村の役所に請求する
戸籍謄本を取り寄せるには、直接市区町村の役所に請求するという方法があります。直接市区町村の役所に請求する場合は、「戸籍証明等交付申請書」、「印鑑」、「本人確認書類」が必要になります。
また、代理人が代わりに請求する場合は、「委任状」と「代理人の本人確認書類」が必要です。
郵送で役所に請求する
戸籍謄本は郵送で請求する方法もあります。郵送で戸籍謄本を請求する場合は、「戸籍証明等交付申請書」、「本人確認書類の写し」、「手数料分の定額小為替」、「返信用封筒と切手」を封筒に入れて、役所に送付します。
代理人が代わりに請求する場合は、「委任状」と「代理人の本人確認書類の写し」が必要です。
なお、請求する時点では何通の戸籍謄本が返ってくるのかわからないため、返信用封筒は大きめの封筒を用意し、余裕を持った金額の切手を同封しましょう。
戸籍謄本を集める際にかかる費用
戸籍謄本を集めるためには費用がかかります。戸籍謄本の場合は1通450円、除籍謄本の場合は750円、改製原戸籍謄本の場合は750円の発行手数料が必要です。
郵送で請求する場合、何通の戸籍謄本が必要になるのか不明な状態で定額小為替を同封することになるため、必要な発行手数料に足りていない場合は改めて送ることになります。
そのため、請求先の市区町村の役所に事前に何通分の定額小為替を送ればよいのか問い合わせておくとよいでしょう。
出典|参照:証明書の手数料|京都市
「法定相続情報一覧図」を利用すると相続手続きに便利
「法定相続情報一覧図」とは、亡くなった人の相続関係をまとめた一覧図です。相続の際、戸籍謄本の代わりに法定相続情報一覧図を提出することが認められているため、戸籍謄本を取り寄せたタイミングで法定相続情報一覧図を作成すると便利です。
「法定相続情報一覧図」の作成に必要な書類
「法定相続情報一覧図」を作成する場合、戸籍謄本一式が必要になります。必要となる主な書類は、「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本」、「被相続人の住民票の除票」、「相続人全員の戸籍謄本」、「申出人の本人確認書類」、「相続人全員の住民票の写し」です。
申出人の本人確認書類としては、「マイナンバーカード」や「運転免許証などの写し」が該当します。
「法定相続情報一覧図」の作成方法
「法定相続情報一覧図」はA4用紙を使って自分で作成します。一覧表に記載する情報は以下の通りになります。
・被相続人:「氏名」、「最後の住所地」、「最後の本籍地」、「生年月日」、「死亡年月日」
・相続人:「氏名」、「生年月日」、「被相続人から見た続柄」、「住所」
・申出人:法務局に申し出る相続人の氏名の横に「(申出人)」
・作成者:用紙の末尾に5cmほどの空白を設け、その上に「作成日」と「作成者の住所・氏名」
出典|参照:相続手続きに必要な戸籍謄本の取り方を徹底解説 |八十二銀行
出典|参照:主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例|法務局
法務局に認定を受ける
作成した法定相続情報一覧図は法務局に申し出て、認証を受ける必要があります。法務局で認証を受けると一覧図の写しが交付され、申し出た日の翌年から5年間保存されます。
なお、法務局のWebサイトに法定相続情報一覧図の様式や記載例が掲載されているため、法定相続情報一覧図を作成する際の参考にすると良いでしょう。
戸籍謄本使用時の注意点
相続が発生する際には戸籍謄本を取り寄せる必要があります。
戸籍謄本を使用する際には気を付けなければいけないポイントがあり、ここでは最後に戸籍謄本使用時の注意点を紹介していきます。
有効期限がある
戸籍謄本そのものに有効期限はありませんが、提出先によっては6ヵ月以内のものと定められているケースがあります。たとえば、金融機関での相続手続きの際に必要な戸籍謄本の場合、3ヵ月もしくは6ヵ月と決まっているケースが多いため、事前に確認しておきましょう。
相続に必要な戸籍謄本は早めに集めよう
相続の手続きの際には相続人と被相続人、場合によっては被相続人の両親などの戸籍謄本も必要になるため、早めに行動することが大切です。
ぜひ本記事で紹介した相続手続きに必要な戸籍謄本や戸籍謄本の集め方などを参考に、相続が発生した際には早めに戸籍謄本を集められるようにしましょう。
お電話でも受け付けております
