縁起熊手とは?縁起物とはなぜ?いつ・どこで買える?2024年酉の市で買う飾る注意点
・「縁起熊手」とは?
・縁起熊手はいつ・どこで買えるの?
・2024年酉の市で縁起熊手の買い方・飾り方は?
・縁起熊手の注意点や、バチが当たらない処分方法は?
「縁起熊手」とは、熊手におかめや招き猫など縁起物を飾り招福を願う縁起物の熊手で、商売人や経営者の他、一般家庭でも収入アップ祈願に求められてきました。
毎年11月酉の日、酉にまつわる神社で行う「酉の市」で購入します。
本記事を読むことで、2024年酉の市や縁起熊手の由来の他、縁起の良い入手方法、購入してからの注意点が分かります。
縁起熊手とは?
◇「縁起熊手」とは、福をかき集める縁起物の熊手です
縁起熊手が購入できるのは、毎年11月の「酉の日」に、大鳥神社など酉と御縁のある神社で開催される「酉の市」です。
かき集める「熊手」に小判や招き猫、おかめなどの縁起物を飾り「商売繁盛」を祈願するようになり、主に下記5種類の縁起熊手で招福の種類が変わります。
<縁起熊手とは?> | |
①赤物熊手 | ・指物(縁起物)が手作り ・全体的に赤く見える ・両脇に大福帳 ・おかめはない ・宝船に見立てる |
②黒爪熊手 (鬼熊熊手) |
・指物(縁起物)が機械で作られる ・緑松が多い |
③みの熊手 | ・竹ざるに飾る ・シンプル ・竹の棒にザルを付ける (熊手を使わない) |
④桧扇熊手 (ひおうぎくまで) |
・扇の中央におかめ |
⑤宝船七福神熊手 | ・七福神の宝船 |
基本的にはこの5種類ですが、この他、価格の安い小さな熊手「豆熊手」や、熊手商によってさまざまな種類があるでしょう。
酉の市の縁起熊手の由来
◇縁起熊手の由来は、主に3つの説があるとされます
縁起熊手は落ち葉をかき集める熊手が、あらゆる果報(縁起の良い知らせ)をかき集めるとして、飾り物「指し物」に縁起の良いおかめや米俵、小判をかき集め掴んで離さない縁起物です。
由来としては、下記3つの説があります。
<酉の市の縁起熊手:3つの由来> | |
①運をわし掴み | ・鷲が獲物を捕らえる |
②戦に勝つ軍扇 | ・武将が戦前に奉納 ・戦の後、軍扇が骨だけになっていた |
③江戸時代の収穫祭 | ・大鷲神社に鶏を奉納 ・露店で熊手やホウキを購入 (露店で販売されていた) |
特に関東地方では江戸時代の大鷲(おおとり)神社(東京都足立区)の由来です。
収穫祭の帰り、露店に並ぶ実用的な熊手を購入したことがきっかけと言われます。
農耕儀礼のひとつとして、一年の豊作に感謝するとともに、来年の更なる豊作祈願を行っていたのが、江戸時代の酉の市ですが、現在は商売繁盛のお祭りになりました。
また酉の市の由来は、神道「日本武尊(ヤマトタケルノミコト)」の物語とされます。
●諸説ありますが、神道では日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東夷征討で勝利し、お礼祭をした時、熊手を奉納した物語です。
このお礼祭の日が酉の日だったとして、酉の市を行う日取りが「酉の日」になりました。
縁起熊手が有名になったのは?
そんな酉の市の縁起熊手ですが、全国的に有名になったのは、また後の話とされています。
●市の一角で商人が店の前に熊手を飾ったことが始まりです。
熊手本来の役割から「落ち葉をかき集める」→「福をかき集める」に変化し、今では酉の市で欠かせない縁起物になっているのです。
縁起熊手が入手できる「酉の市」とは?
◇「酉の市」とは、毎年11月酉の日に開催される縁日です
「酉の市」は大鷲神社や大鳥神社など、全国の鳥にまつわる神社で、毎年11月酉の日に開催されます。
「酉の日」とは毎日十二支が繰り返される暦を差し、12巡で巡るため、毎年酉の日は違うでしょう。
・11月5日(火)…一の酉
・11月17日(日)…二の酉
・11月29日(金)…三の酉
酉の日が1ヶ月に何回巡るかによって、その年の酉の市の回数は違います。
2022年は11月に酉の日が3回巡り、三の酉までありました。
ただ昔から三の酉まで開催される年は火事が起きるとの言い伝えもあるため、本来は二の酉までが好まれます。
全国的に有名!浅草酉の市
◇浅草大鷲神社が最も有名です
全国に大鳥神社や鳥にまつわる神社はあるため、さまざまな地域で酉の市が行われるのですが、取り分け関東圏の酉の市が盛況で人気があります。
関東では酉の市を開催する有名な3社を「江戸三大酉の市」と呼び、なかでも浅草鷲神社で行う、通称「浅草酉の市」は海外からも観光客が訪れる縁日です。
<関東の三大酉の市> | |
[神社] | [地域] |
①鷲神社 | ・台東区千束3-18-7 |
②花園神社 | ・新宿区新宿5-17-3 |
③大國魂神社 | ・府中市宮町3-1 |
※住所をクリックすると、Googlemapへ飛びます。 |
ただし前述したように、鳥にまつわる全国の神社で酉の市は行われます。
東京都でも上記三大酉の市だけではありません。
・調布市…布多天神社
・杉並区…出世大鷲神社
などなど、数多くの神社で開催されるでしょう。
・2024年(令和5年)の酉の市はいつ、どこで開催される?三大酉の市の場所や日程は?
大阪では酉の市は開催される?
◇大阪では堺市の大鳥神社で開催します
酉の市は全国的に、「おとりさま(お酉様)」などと呼ばれ、鳥(酉/鷲)と縁の深い神社や寺院で行われてきました。
大阪では鳥と縁の深い神社や寺院は少ないのですが、堺市の大鳥大社は鳥信仰の総本山とも言われ、毎年11月の「酉の日」に酉の市を開催してきました。
<大阪酉の市:大鳥神社> | |
①酉の市(大鳥神社) | |
[住所] | 〒593-8328大阪府堺市西区鳳北町1-1-2 |
[TEL] | 072-262-0040 |
[HP] | https://www.ootoritaisha.jp/ |
ただ「おとりさま」と酉の市が親しまれる様子は関東圏に多く、関西圏では「えべっさん(戎さん)」の方が、より親しまれているのではないでしょうか。
関西圏では1月に3日間かけて開催される恵比須様の縁日「十日戎(とおかえびす)」で、酉の市と同じく商売繁盛を祈願し、縁起熊手も販売されます。
縁起熊手の買い方とは?
◇縁起熊手は値切って購入し、差額を熊手商への「祝儀」とします
酉の市名物と言われる風景が「熊手の商談」、縁起熊手を購入する時には、熊手商と値下げ交渉を楽しむ姿が多いです。
安く買うほど縁起が良いとされるためですが、その差額は熊手商への「お祝儀」とし、最初に熊手商が提示した金額を祓います。
(1)最初は小さい縁起熊手を買う
(2)熊手を買う時は安く買うほど運気UP
(3)昨年より小さいものは選ばない
必ずではないですが、風習として熊手を一度購入すると、毎年買い替えます。
2024年に初めて酉の市へ行くのであれば、最初は小さめの熊手から購入して、「育てて行く」ようにすると良いでしょう。
(1)最初は小さい縁起熊手を買う
◇縁起熊手は「最初に買う時は小さいものから購入するのが縁起がいい」とされます
「少しずつかき集める」ためです。
縁起熊手を家に迎え入れる時には、最初から大きくかき集めないようにするように選んでください。
・最初から大きくかき集めない
・金運を育てる
・年々、少しずつ大きな熊手を購入する
実際に縁起熊手を家に迎えてみると、毎年大きく買い替えることは大変です。
そのため「必ず前年より大きな熊手を購入しなければならない」訳ではありません。
ただ購入した年の次の年には、昨年購入した熊手よりも少し大きなものを購入することで、もっと大きな福かき集めると言われます。
酉の市では、毎年大きな熊手に買い替える風習はありますので、最初に購入する時は小さいもの、翌年から大きい熊手を購入するようにしましょう。
(2)熊手を買う時は安く買うほど運気UP
◇縁起熊手は値切り交渉「熊手の商談」が名物です
実は酉の市では熊手を購入する時に値切りを行います。
これが「熊手の商談」です。
酉の市では値切り交渉をして、縁起熊手を安く買えれば買えるほど縁起がいいとされてきました。
熊手商さんに値切り交渉をしましょう。
・値切れば値切るほど、縁起が良い!
・最後に「買った!(勝った!)」と言う
・値切った分は熊手商に「お祝儀」として渡す
値引きして熊手を購入し残ったお金は、売り手のご祝儀としてあげるのが、酉の市での購入の仕方です。
つまり値切り交渉は行うのですが、最終的には最初に熊手商が言った値段を出すのですね。
(3)去年より小さいものは選ばない
◇縁起熊手は少しずつ器を広げるとし、昨年と同等、もしくは大きい縁起熊手を選びます
お正月などに神社や寺院で購入する、一般的なお守りや破魔矢と同じように、熊手も1年間神棚などに飾ってから、神社や酉の市でお焚き上げ・返納するのが一般です。
●酉の市では、開催する神社や寺院に、縁起熊手を返納する場所があります。
…熊手を返納した後、帰りに縁起熊手を購入すると良いでしょう。
そのため一度熊手を購入すると、毎年酉の市に行く人が多いです。
ただし熊手は酉の市だけではなく、一般的なお焚き上げでも問題はありません。
昨年よりも小さい縁起熊手で出直す
このような流れで一度熊手を購入すると、毎年酉の市で返納して、昨年より大きめの熊手を購入します。
ただ、なかには「昨年よりも小さい熊手を購入したらダメなのかな?」と思う人もいるのではないでしょうか。
●小さい縁起熊手で一からやり直す
・今年度の業績が悪い
・身内の不幸があった
・今年一年は運がなかった
小さい縁起熊手から大きい熊手を買う方が縁起が良いのは確かです
ただ小さい熊手を購入して運をリセットする縁起担ぎもあります。
確かに、昨年より小さい縁起熊手を買うと「福徳が下がる」と言われます。
けれども現代は、その年ごとに無理のない縁起熊手を選ぶ人もいるでしょう。
縁起熊手の値切りは、運が切れる?
◇酉の市の風物詩「熊手の商談」ですが、なかには値切りを嫌がる人もいます
酉の市に行くと縁起熊手のお店では「熊手の商談」が盛んに行われ、とても賑やかな場面にも遭遇するでしょう。
ただ縁起物の熊手を購入するにあたり、「絶対値切らない!」人もいます。
●値切り交渉…運が切れる?
これは人それぞれの見解で良いでしょう。
また酉の市では熊手以外にも、黄金餅や切山椒(山椒餅)なども販売されているので、このような縁起の良い食べ物を、縁起熊手の買い物がてら、楽しんでみてはいかがでしょうか。
まとめ:縁起熊手は商売繁盛や招福の縁起物です
小さめの熊手から、購入する時には値切りの「熊手の商談」を存分に楽しんでから、熊手商にお祝儀をお渡ししてください。
熊手の販売元では、昔から1万円札を超える熊手が出た時には、「手締め」を行う風習もあります。一本締め、三本締め、などですね。
賑やかに手締めが行われている風景を見ると、ついつい最初から1万円以上のものを購入したくなりますが、「まずは小さめから」が安心です。
商売をしている人々は大きな熊手を購入する様子を見受けますが、一般家庭では3千円~1万円以内の熊手が多いでしょう。
・【縁起熊手の飾り方とは?どの方向に向けて飾る?縁起熊手を飾る注意点やタブーの方角とは
まとめ
縁起熊手の選び方と買い方
(1)最初に買う時は小さい縁起熊手
・最初から大きくかき集めない
・金運を育てる
・年々、少しずつ大きな熊手を購入する
(2)熊手を買う時は安く買うほど運気UP
・値切れば値切るほど、縁起が良い!
・最後に「買った!(勝った!)と言う
・値切った分は熊手商に「お祝儀」として渡す
・「値切り=運切り」の考え方もある
(3)去年より小さいものは選ばない
・毎年酉の市で去年の熊手を奉納
・同じ大きさ~大きい熊手を選ぶ
・「小さい熊手で悪運をリセット」の考え方もある
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