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檀家制度ってなに?利用するメリットやデメリット・歴史などについて紹介

檀家制度ってなに?利用するメリットやデメリット・歴史などについて紹介

「お寺にお墓を建てる場合、檀家制度を利用するの?」
「両親や祖父母が檀家だったけど、檀家ってなにをするの?」
「そもそも、檀家や檀家制度ってなに?」
このように、檀家制度についての疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。

 

檀家制度を利用しようと考えていたり、お寺にお墓の建立を検討していたりする場合など、檀家や檀家制度をよく知らなければ不安は大きくなるでしょう。

 

本記事では檀家制度についてや檀家制度のメリットやデメリット、檀家になることでかかる費用といった基礎知識について紹介しています。

 

また、檀家制度を利用するかどうかの判断基準や、檀家制度の歴史についても紹介しているため、制度を利用するために必要な知識がしっかりと身につくでしょう。

 

家族や親族に合ったお寺を見つけて後悔のない供養ができるよう、檀家制度について知りたい方は、ぜひご一読ください。

檀家制度ってなに?

近年では民間や公営の霊園などでお墓を持つ人も増え、さらに核家族化や宗教観の変化によって檀家離れが進んでいると言われています。その影響か、「檀家制度についてよく知らない」という人も見受けられるようになってきました。

 

檀家制度とは家単位で特定のお寺に所属し、葬儀や供養などの仏事すべてを任せる代わりに、お寺を経済的に支援することです。

檀家制度を利用するメリット

檀家離れが進んでいる現代で、檀家制度を利用するメリットはあるのでしょうか。

 

ここからは、檀家制度を利用するメリットについて詳しく見ていきます。まずは、以下に挙げる5つのメリットから、檀家制度を考えてみましょう。

  • お坊さんに相談にのってもらえる
  • 先祖に手厚い供養をしてもらえる
  • いざという時に頼れる場所ができる
  • 法要の準備をお寺に依頼できる
  • 地域のつながりの中に入れる

お坊さんに相談にのってもらえる

お坊さんには、葬儀や法事に関する相談だけでなく生活の中での悩みや困りごとなどについても相談できます。また、先祖代々檀家である場合などは、代々その家に伝わる供養の仕方も聞けるでしょう。

先祖に手厚い供養をしてもらえる

檀家に入っていれば、葬式はもちろんのこと、先祖の定期的な法事の際にも供養をお願いできます。例えば、両親や祖父母の法事に自宅での供養をお願いしたり、こちらから出向いてお寺で法事を行ってもらったりできるなど、先祖への手厚い供養をしてもらえます。

 

また、檀家になっていることで、お彼岸やお盆などの忙しい時期でも、優先して法事の依頼を受けてもらえる点も大きなメリットでしょう。

いざという時に頼れる場所ができる

檀家になっていることで、突然のお葬式にも慌てる必要がありません。葬儀を挙げるお寺があり、また万が一の時にお寺を頼れるのも檀家制度のメリットと言えるでしょう。

 

また、普段から関わりのあるお寺の場合、お葬式の挙げ方など故人の遺志や家族の考えを伝えやすいでしょう。

法要の準備をお寺に依頼できる

家族が亡くなると、定期的に法要・法事を行う必要が出てきます。法要は初七日法要に始まり、四十九日法要、一周忌や三回忌、七回忌、十三回忌、そして三十三回忌まで続いていくのが一般的です。

 

法要の際には、読経や卒塔婆の準備をお寺に依頼でき、また法要後の会食もお寺で行えるケースもあります。

地域のつながりの中に入れる

檀家制度の始まりとされている寺請制度では、お寺は民衆が檀家に入っていることを証明し、民衆を管理する役割を担っていました。

 

僧侶が葬式を行ったのは江戸時代からで、お寺と民衆とのつながりもこの頃から強くなっていったという背景があります。

 

時代の流れや影響を受けながら、お寺は民衆や地域と密接なつながりを持ち、また民衆も檀家になることで、地域のつながりの中に入れるようになっていきました。

 

そのため、お寺は現在でも盆踊りやお祭りの会場になったり、自治会の会合場所になったりと、地域コミュニティの中心的役割を担っています。

 

出典:日本の近代史の中で果たした仏教の役割とは?|立正大学

檀家制度を利用するデメリット

ここまで、檀家制度を利用するメリットを見てきましたが、デメリットはないのでしょうか。ここからは、檀家制度の利用によるデメリットについて詳しく紹介していきますので、参考にしてください。

  • お寺の行事に参加しなければならない
  • 金銭的な負担がかかる
  • お寺が遠い存在になっている
  • 葬儀や戒名などが自分の自由にできなくなる

お寺の行事に参加しなければならない

檀家になると経済的にお寺を支援するだけでなく、お寺の行事や法要などへの参加、準備の手伝いを求められる場合があります。

 

また、上記への参加以外にもお寺の清掃、団体参拝、さらには檀家総代や役員の務めも果たさなければならないケースも発生します。

 

檀家に入るかどうか検討している方は、お寺の行事や法要へなど檀家の務めについて事前に確認しておくとよいでしょう。

金銭的な負担がかかる

檀家制度の大きなデメリットとなるのは、経済的支援による金銭負担でしょう。かかる費用としては、お寺への寄付やお布施、お寺の修繕費や新築工事、さらにはお墓の年間管理料などです。

 

毎年必要になるお布施には、月参り、お盆参り、法要があります。お布施の金額は、居住地によっても相場が異なるため注意が必要です。

お寺が遠い存在になっている

現代では、たとえ檀家であっても菩提寺の近くに住んでいないケースが多くなっています。また、時代が変わるにつれ変わっていく宗教観や死生観の影響を受けている場合もあるでしょう。

 

そのような中で、お寺を身近に感じることは難しいと言えるでしょう。

葬儀や戒名などが自分の自由にできなくなる

檀家の場合、お葬式や法要などの相談や依頼ができる一方で、お寺のルールや意向に従わなければならない場合があります。

 

戒名はお寺の僧侶が付けるのが一般的なため、自分で戒名を考えたい場合には必ずお寺に相談し、事前に了承を得ておくようにしましょう。

檀家制度を活用する場合にかかる費用

檀家制度を利用する際にかかる費用についてはきちんと知っておきましょう。ここからは、入檀料をはじめ、お寺の行事や法要の際のお布施、葬儀の際のお布施などについて紹介していきます。

入壇料

檀家になるためには、お寺に入檀料を払う必要があります。

 

一般的な入檀料の相場は、10万~30万円程度です。ただし、この金額は入檀するお寺によって違いがあるため、必ず事前に確認しておいてください。

行事の時のお布施

お寺の行事の際に、僧侶へのお礼として渡すお金がお布施です。お寺では春・秋に行われる彼岸会や、7月あるいは8月に開かれる盂蘭盆会(うらぼんえ)など、年に複数回の行事や合同法要が行われます。

 

行事の際は、参加費としてお寺にお布施を3千円~2万円程度を渡します。ただし、初盆のお布施は3~5万円程度が一般的と言われているため注意してください。

葬儀や法要の時のお布施

葬儀で必要になるお布施の内容は、お通夜・葬儀・告別式、読経や供養です。葬儀2日間で用意するお布施の金額には地域差があるものの、一般的には15~50万円程度と言われています。

 

また、四十九日法要や一周忌、三回忌などの法要では、供養や読経してもらったお礼としてお布施を渡します。特に、四十九日法要や一周忌の法要は重要とされているため、三回忌以降の法要よりも少し多めの3~5万円程度が一般的でしょう。

お墓の管理やお寺の運営のための費用

檀家制度を利用するためには「護持会費」などと呼ばれる、お墓の管理費やお寺の運営費も必要になります。

 

一般的な護持会費の金額は、5,000円~20,000円(年間)程度が相場と言われています。

 

この会費については、入檀後に「聞いてなかった・知らなかった」といったトラブルにならないよう、事前に確認しておくことをおすすめします。

お寺の改築や修繕のための費用

お寺には、本堂以外にも書院や庫裡鐘楼、住居などの施設があります。これらの施設の修繕や改築を行うための費用を、「寄付」として求められるケースが多く、また寄付の最低金額を設定しているお寺もあります。

 

お寺によって金額に違いがあるため、気になる場合には事前に確認しておくとよいでしょう。

檀家を辞める方法

近年では仕事や家庭の事情、また後継不足で檀家を辞めるケースもあります。しかしながら、菩提寺となるお寺にお墓を持つ多くの檀家家庭では、「離檀したい」と申し出るだけでは、檀家を辞めることは難しいでしょう。

 

ここからは、スムーズに檀家を辞めるために必要なポイントと手順を紹介していきます。

お寺に離壇したい旨を申し出る

入檀しているお寺から離檀したい場合には、まずその旨をお寺に申し出ましょう。お寺によって、口頭で済む場合と文書で届け出る場合とがあるため、事前に入檀した際の契約書を確認してみてください。

 

また、改葬する場合は併せて伝えておくことで、手続きなどにおける不要なトラブルを防げるでしょう。

離壇料を支払う

初めにお寺への入檀料を支払ったように、離檀の際にも費用がかかるケースがあります。この「離檀料」の有無は、入檀時の契約書に記載されていることが多いです。

 

一般的な離檀料は、10~20万円程度が目安と言われています。この離檀料には、閉眼供養(お墓から魂を抜く供養)や読経などへの費用も含まれていることがあるため、気になる場合には、お寺に確認・相談しておくと安心でしょう。

市町村に改葬許可を申請する

離檀して境内にあるお墓を新しいお墓に移す場合には、改葬の申請を行う必要があります。改葬の主な手続きと流れは以下の通りです。

 

・新しい墓地の購入
・改葬許可申請書の入手と埋蔵証明の受取
・改葬許可の申請と改葬許可証の受取
・現在のお墓からの遺骨の取り出し
・新しい墓地への埋蔵・収蔵

 

改葬許可申請書の入手と申請先は、現在のお墓がある市町村役場です。埋蔵証明は改葬許可申請書の所定欄に墓地管理者が証明するか、墓地管理者が定める様式で作成されます。

 

出典:改葬(遺骨の移動)の手続き|横浜市 市民局区政支援部窓口サービス課

閉眼供養をしてもらう

閉眼供養とは、僧侶にお墓の前で読経してもらうことでお墓に宿っている故人の魂を抜き取る儀式のことです。この儀式は、改葬やお墓のリフォーム、戒名の追加彫刻などに伴い、遺骨をお墓から取り出す時に行います。

 

離檀とともに改葬する際には、お寺に閉眼供養と併せて依頼しておくとよいでしょう。

お墓を撤去して更地にする

お墓の閉眼供養が終わったら、いよいよお墓の撤去工事に入っていきます。お寺によっては工事業者を指定している場合があるため、事前にお寺に指定業者の有無を確認しておきましょう。

 

指定業者がない場合は、複数の業者から相見積もりを取りできるだけ価格を抑えるとよいでしょう。

 

工事業者が決まり、閉眼供養と遺骨の取り出しが完了したら工事を行います。墓じまいの工事は、墓石の撤去だけでなく土台や外柵材なども取り除いた原状回復までです。

新しいお墓で納骨式を行う

離檀とともに墓じまいをすると、遺骨が手元に残ります。

 

新しいお墓に遺骨を納める際に行われる儀式が、「納骨式」です。この納骨式でのお布施は、3万~5万円程度が一般的でしょう。

檀家制度を利用するかどうかを決める基準

檀家になることで先祖に対して手厚い供養ができたり、お坊さんに相談できたりなどのメリットがある一方で、入檀料やお布施、行事や法要への参加などはデメリットにもなります。

 

このようなことから、檀家制度を利用すべきかどうか悩んでしまう方もいるでしょう。ここでは、檀家制度を利用する際の判断基準を紹介していきます。

お寺の住職は信頼できる人か

最終的な判断材料になるのは、住職の人柄です。いくら制度が優れていても、それを扱うのはあくまでも「人」であることを念頭に置きましょう。

 

檀家になるか悩んでいる場合には、お寺の住職の人柄を考慮し、信頼できるかどうかで判断していくとよいでしょう。

先祖の供養にお寺が必要なのか

檀家になることを検討している場合、「先祖供養のため」と考えている人もいるのではないでしょうか。

 

お寺に入檀することにはメリットとデメリットの両方があるため、後悔しない選択をするためにも、本当にお寺に入檀する必要があるのか親族と話し合っておきましょう。

ずっと同じ土地に住むのか

転勤が多い場合や、将来的には別の場所に引っ越す可能性がある場合は、家族やお寺に事前に相談しておきましょう。

 

檀家制度では入檀時だけでなく離檀時にも費用が発生し、また檀家になったことでお寺の法要や行事に参加する必要も出てきます。

 

この先の居住地が変わる可能性がある場合は、よく検討してから入檀するかどうか決めましょう。

檀家としてお寺と強いつながりが欲しいのか

一度檀家になれば菩提寺の境内にお墓を持ったり、法要や行事に参加したりと、お寺と強いつながりを持つようになります。

 

反対にお寺と一定の距離を持ちたいと考えている場合は、檀家ではなく信徒(個人で寺院に所属する場合)としてお寺とつながるという選択肢もあります。

 

自分がどのようにお寺と付き合って行きたいのか、熟慮してから決めましょう。

檀家制度の歴史

近年ではあまり耳にすることがなくなった檀家制度ですが、その起源は古く江戸時代まで遡ります。ここでは、檀家制度の起源や変遷、また現在の状況について紹介していきます。

今につながる檀家制度ができたのは江戸時代

寺請制度とは、キリシタンを弾圧し排除する目的で出された禁教令を受け、民衆がキリスト教徒ではないことを証明するための制度です。

 

この制度では、必ず民衆を寺院に入檀させるとともに、日本全国の寺院に入檀者が檀家であることを証明する「寺請証文」の発行の義務付けを課しました。その結果、寺院と檀家が結びつき、檀家制度が形成されるようになりました。

 

出典:檀家制度の成立と展開|明治大学

いったん火葬が禁止されても檀家制度は残った

現在では一般的な火葬ですが、1873年に明治政府によって一度火葬が禁止されたことがあります。

 

禁止された背景には火葬が仏教の象徴であることや、1868年に出された神仏分離令と廃仏毀釈運動の存在がありますが、江戸時代から続いていた檀家制度は残っていきました。

 

これは、江戸中期から民衆の葬祭はお寺で行うことが義務付けられており、死者供養を神道で行うことへの民衆の違和感、また土葬するための土地が不足したことが理由です。

 

廃仏思想を目的とした火葬禁止令は、1875年には解除される結果になりました。

 

出典:明治六年の火葬禁止令における火葬観について|佛教文化学会

 

出典:神仏分離令が出される|国立公文書館

 

出典:檀家制度の成立と展開|明治大学

現在は檀家離れが進んでいる

先祖代々にわたって檀家であったという時代もありましたが、現在では様々な要因によって離檀・退檀する家庭が増えていると言われています。

 

檀家離れが進んでいる主な要因は、都市部への人口流出により入檀しているお寺との物理的な距離が発生したことや、核家族化と少子化による檀家の後継不足でしょう。

 

他にも、宗教観や価値観の変化による影響もあるため、年々檀家離れは深刻になっていくと言えるでしょう。

お寺にお墓を建てる際は檀家制度について理解しておこう

ここまで檀家制度の目的をはじめ、檀家制度を利用するメリット・デメリット、檀家制度にかかる費用などについて紹介してきました。

 

現在では様々な理由から離檀するケースも増えていますが、檀家制度はお寺と家や地域をつなぐ制度でもあります。お寺にお墓の建立を検討する際には、檀家制度についてしっかりと理解しておきましょう。

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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