
仏壇を選ぶときに押さえておくと良い17のポイントとは?選び方についても解説

「うちにはお仏壇がないけれど、親が亡くなったときは位牌の置き場に困るかな」
「親が亡くなって、四十九日までに仏壇を買う必要があると聞いたけど、どこで買うのが良いのかわからない」
「仏壇のCMを見かけるけど、CMをやっているところで買うのが良いのかな」
仏壇を買うことになったとき、どのように選べば良いかという疑問を持つ人は少なくありません。
本記事では、仏壇の分類や仏壇の4つの選び方、さらに良い仏壇店の選び方を含めて紹介しています。
この記事を読むことで、仏壇を購入する前に押さえたいポイントや、仏壇に関する基礎知識を知ることができ、良い仏壇店で相談を受けながら、仏壇を安心して購入できるでしょう。
仏壇の購入を検討している人、仏壇について知りたい人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
仏壇の分類
仏壇は見た目や材質、製造過程などの特徴から、都市型仏壇、唐木仏壇、金仏壇に分類できます。どれが良い仏壇かは、購入する人の個人的な主観もあり、一概に言えません。毎日手を合わせるものですから、よく考えて選ぶようにしましょう。
都市型仏壇の特徴
和室でもリビングでも、どのような部屋にもマッチする和モダンなデザインを特徴としているのが都市型仏壇です。
すっきりしたデザインで、彫刻などの飾りがないおしゃれな構造をしており、他の家具やインテリアとも調和しやすいように考えられています。
唐木仏壇の特徴
唐木仏壇は、江戸時代から100年を超える歴史を持つと言われる、美しい木目の重厚な風合いを特徴とした仏壇です。代表的な産地としては、静岡や徳島が有名で、それ以外にも東京や大阪の唐木仏壇があります。
東京唐木仏壇は、桑や欅、屋久杉などの国産銘木や黒檀や紫檀、鉄刀木など唐木銘木が主な材料です。大阪唐木仏壇は、仏壇内部の三方が金で、両脇の金紙が板ガラスで保護されているのが特徴です。
東京唐木仏壇は東京都知事から伝統工芸品の、大阪唐木仏壇は大阪府知事から伝統工芸品の指定をそれぞれ受けています。
徳島唐木仏壇は、もともと家具や鏡台の産地であった徳島が、大阪唐木仏壇の技術の伝来により、高級唐木仏壇の産地となったものです。
静岡唐木仏壇は、1945年代後半から、1955年代に正宗仏壇の産地として発展したと言われるもので、現在では仏教のあらゆる宗派の唐木仏壇の産地となりました。
金仏壇の特徴
全体的に黒の漆塗りが施され、内側に金箔を張っている仏壇を金仏壇と言います。どの宗派でも用いられるものですが、特に浄土真宗の家に置かれていることが多いものです。
伝統的な金仏壇は、木地師、宮殿師、彫刻師、塗り師、呂色師、金箔押師、蒔絵師、彩色師、錺金具師、仕立師といった多くの職人により作られています。
金仏壇は、宗派により内部の構造に違いがあるため、注意が必要です。ご本尊を安置する須弥壇上の宮殿の形が、それぞれの本山の形を模して作られるため、自分の宗派にあったものを選ぶようにしましょう。
仏壇の4つの選び方
仏壇を選ぶとき、どのようなポイントを気にすれば良いのでしょうか。住居に仏壇を置く部屋である仏間がなくなってきていることもあり、リビングや寝室などに置くことが多くなっています。仏壇の4つの選び方について解説していきます。
- 値段は仏具込みであるか確認する
- 形や材質を見る
- 置く場所やお参り方法を考慮して選ぶ
- 宗派に適したものを選ぶ
1:値段は仏具込みであるか確認する
仏壇には、ご本尊や脇仏という祈る対象となる礼拝仏具や、お参りの際に必要となる三具足、おりん、仏飯器、湯飲みといった仏具を揃えるものとされています。
三具足とは、花立、香炉、仏壇用ロウソクを立てる火立の3つの総称です。花立と火立をそれぞれ2つずつで用意した場合は、5具足となります。
仏壇には基本的に仏具を用意する必要性がありますので、仏壇を購入するときは、これらの仏具が含まれているか、仏壇のみの値段なのかを確認する必要があります。
2:形や材質を見る
仏壇の形としては、伝統的な形式のもので黒の漆塗りと内部の金箔貼りが施された金仏壇と、木目を活かした唐木仏壇があります。他にリビングにもセッティングしやすい都市型仏壇もあり、これらの形を考えるのが必要でしょう。
さらに、仏壇の材質は何が使われているかにより、価格が異なるでしょう。特に唐木仏壇では、黒檀や紫檀、黄王檀、鉄刀木などの外国産銘木や、国産の欅や桑、屋久杉などの国産銘木を使用しています。
金仏壇は塗装をしていることから材質が見た目では判別できませんが、針葉樹であるヒノキや松、スギなどを使って作られています。
3:置く場所やお参り方法を考慮して選ぶ
仏壇の配置には、良い方角や位置などのルールはなく、仏間がない住宅の場合は、リビングなど故人を偲びやすい場所に置くと、普段からお参りしやすいでしょう。上置き型の仏壇はコンパクトで、家具の上に配置ができ、どの部屋にでも置きやすいものです。
押入れを改造して、仏間として仏壇を置くという方法もありますし、仏壇店によっては仏壇リノベーションによりリビングに置きやすくリサイズしてくれるという方法もあります。
4:宗派に適したものを選ぶ
仏壇を購入するときに注意が必要なのが、宗派によるデザインの違いです。浄土真宗の場合は、本願寺派と真宗大谷派でも細部が異なり、いずれも金仏壇を使用するのですが、本願寺派では中の柱が金なのに対して、真宗大谷派では黒い柱の仏壇を用います。
その他の宗派では、唐木仏壇を用いることが多いのですが、好みにより金仏壇を購入するケースもあるでしょう。その場合でも、ご本尊と仏具はそれぞれの宗派に合わせて用意するものです。
良い仏壇店の選び方
仏壇は材質や職人の手の掛け方により価格が異なるものですが、最近では技術の進歩により、フィルムで木目を印刷した人工的な素材でも一目見ただけでは、天然素材と見分けが付かなくなりました。
こうした工法による低価格の仏壇が、多数中国から輸入されるようになってきています。低価格のものを買うのが悪いわけではありませんが、傷みやすく、修復ができないものであるということを理解しておく必要があります。
後悔せずに一生ものの付き合いとなる仏壇を購入するためには、信頼できる仏壇店から購入すると良いでしょう。ここからは良い仏壇店の選び方について紹介します。
- 相談にのってくれる店舗を選ぶ
- 仏壇公正取引協議会加盟店であるか確認する
- 清潔感がある店内か確認する
- 商品を丁寧に説明できる店員がいる店舗を選ぶ
- 仏事コーディネーター資格保有の店員がいる店舗を選ぶ
- 大幅な値引きをしていないか確認する
- しっかりしたアフターサービスや保証があるか確認する
相談にのってくれる店舗を選ぶ
仏壇は購入する側からすれば、価値を判断するのが困難なものです。そのため、仏壇を販売する店舗は、納得がいくまで質問に対して答えてくれるところが良いでしょう。
取り扱っている仏壇に自信を持っている仏壇店なら、「お仏壇の選び方」や「お仏壇は必要か」といった質問に対しても、誠意を持って相談にのってくれるでしょう。
仏壇公正取引協議会加盟店であるか確認する
仏壇業界の団体である、仏壇公正取引協議会は仏壇の品質の表示と原産国の表示にルールを決め、安心してお客様に買ってもらえるように発足した団体です。
加盟店は、店頭ステッカーが貼られており、さらに仏壇公正取引協議会のホームページで確認が可能です。
清潔感がある店内か確認する
店内の掃除が隅々まで行き届いていて、清潔感のあるお店を選ぶと良いでしょう。当たり前のことのようですが、このようなお店は評判が良く、商品である仏壇の取り扱いも丁寧で安心できます。
商品を丁寧に説明できる店員がいる店舗を選ぶ
仏壇や位牌、仏具などの知識がない状態で仏壇を購入するため、商品を丁寧に説明できる店員がいる店舗を選びましょう。あらかじめネットでの口コミなどを調べることで、店員の対応を調べることができます。
仏事コーディネーター資格保有の店員がいる店舗を選ぶ
仏事コーディネーター資格は、仏事コーディネーター資格審査協会が、仏教と仏壇、仏具、それらに関わる仏事に関して、豊富な知識を持つ資格者を講習と試験により、審査を行って証明するものです。
仏事コーディネーターは、地域や宗派によって異なる仏壇の決め方や祀り方についての知識もあるため、どのような仏壇を選べば良いかのおすすめを行うことが可能です。
大幅な値引きをしていないか確認する
仏壇の価格は店舗が自由に設定できます。そのため大幅な値引きとしている商品は、実際の価格よりも高い価格を設定した上で、大幅な値引きに見せかけているだけ、という可能性もあります。
売れ残りや目玉品などの事情で値引きをしているのか、値引きの理由が明確でない場合は、よく確認した方が良いでしょう。
しっかりしたアフターサービスや保証があるか確認する
仏壇は購入すると長く使うものですから、しっかりしたアフターサービスや保証があるかを確認しましょう。例えば「よねはら」では、購入後の仏壇を運ぶのを自社配送で行っています。さらに、保証も特別な保証期間がない永年保証のため安心です。
仏壇を購入する前に押さえたいポイント
仏壇は一度購入すると、そう何度も買い替えるといったものではありません。予算もかなり高額なものとなりますし、詳しいことがわからないまま店舗のおすすめで購入して良いものかもわからないでしょう。
そこで、仏壇を購入するときに、事前に押さえておきたいポイント5つについて、紹介しましょう。
- 購入するタイミングを考える
- 仏壇の必要性を考える
- 配置する場所を決めておく
- 置き場所の広さを確認しておく
- 仏壇のタイプごとの特徴を把握する
- 販売店に宗派名や菩提寺を伝えておく
購入するタイミングを考える
仏壇を購入するタイミングには決まったものがありませんが、故人が亡くなられた同月同日に当たる祥月命日や、本位牌を祀ることとなる四十九日が購入のタイミングと言えるでしょう。
故人が亡くなられた翌年の祥月命日である1周忌や、2年目の祥月命日である3回忌も、重要な法要ですので、そのタイミングでも仏壇を購入するタイミングとなることが多いようです。
また、ご先祖様を供養する日であるお盆やお彼岸も、新しい仏壇を購入するタイミングとなります。
仏壇の必要性を考える
仏壇はいるかどうか、必要性について考えることも重要です。仏壇は家の中に小さな寺の代わりといったもので、お寺にすぐに行けないけども毎日拝みたいという人のための心のより所どころといった意味があります。
また、仏壇にはご本尊だけではなく、故人の位牌が祀られていて、亡くなった家族を思い出して供養するための場所という意味もあるでしょう。
北陸地方では、結婚式の前に新婦が新郎の仏壇にお参りして、先祖に挨拶するという「仏壇参り」という風習があり、家と家をつなぐ風習にも仏壇が用いられているという例もあります。
一方で、直接お寺にお参りをし、故人のお墓にしっかりと墓参りをすることで供養ができるため、仏壇はなくても良い、という考えもあるでしょう。ご自身の考えによって、自宅に仏壇を用意するかどうかを考えるようにしましょう。
配置する場所を決めておく
仏壇を置く場所としては、仏壇が痛む直射日光が当たる場所は良くないわけですが、それ以外の方角などの特別な決まりはありません。
どの部屋に置くというのも決まりはないものの、リビングや寝室など、普段の生活の場でお参りするようにするのか、客間など、普段の生活と切り離した場所に置くのかは、決めておくと良いでしょう。
置き場所の広さを確認しておく
仏壇は畳や床に直接置く仕様の台付タイプと、タンスなどの上に置く上置きタイプがあり、設置場所により選びます。台付タイプの場合、幅45センチから55センチ程度、奥行き40センチ程度で、高さが120センチから130センチ程度が目安となります。
仏壇の扉は、普段開けた状態にしておくため、さらに7.5センチから15センチ程度の幅を考えて、置き場所の広さを確認しておきましょう。
仏壇のタイプごとの特徴を把握する
仏壇には都市型仏壇、唐木仏壇、金仏壇があり、それぞれ外観の特徴があります。都市型仏壇は、リビングにおいても違和感がないのが特徴で、価格は50万円程度が相場です。
唐木仏壇は、木目を活かした仏壇で、木材によって価格が異なります。価格の相場は60万円から110万円程度、木目を印刷する手法で作られた、唐木調の仏壇は相場よりも安く入手可能です。
金仏壇は、主に浄土真宗で使われる仏壇で、相場は80万円から130万円程度とさらに高価なものとなります。
販売店に宗派名や菩提寺を伝えておく
仏壇には、礼拝する対象となるご本尊が必要です。仏壇には3つに仕切られた壇が正面にあり、その中央にご本尊を安置します。さらに左右の段に脇懸を用意しますが、ご本尊と脇懸は、菩提寺の宗派により異なります。
そのため、販売店に宗派名や菩提寺を伝えておくことは重要です。宗派によっては、ご本尊を菩提寺を通じて受ける場合もあります。
その他仏壇に関する基礎知識
意外なことに仏教の起源であるインドには、日本のような仏壇はありません。仏壇は仏教とともに日本に伝来されたものではないのです。ここでは、その他の仏壇に関する知識について紹介していきましょう。
仏壇の起源
日本で仏壇が祀られるようになったのは、約1300年前に天武天皇が出した詔がきっかけとなったとされています。法隆寺にある「玉虫厨子」が仏壇の起源となる当時の仏舎の形式で作られたものです。
さらに室町時代、浄土真宗の僧侶である蓮如上人が、人々に仏壇を持つように勧め、信者の間に仏壇が広まりました。
仏壇の役割
仏壇の役割は本来、小さなお寺として礼拝の対象となる本尊を祀る場所という意味があります。ただ、近年では役割が変化し、ご先祖様との対話をする場所であり、感謝をするための場所と考えている人が多いようです。
仏壇にお祀りするもの
仏壇には中央にご本尊を、その左右に宗派により異なりますが、宗祖の掛け軸を掛けます。位牌はご本尊が隠れないように、一段低い位置に置くと良いでしょう。
そして、仏飯器、湯飲みを置き、最下段に火立や香炉、花器、おりんなどを配置するようにします。
良い仏壇を選ぶためのポイントを理解しましょう
仏壇は一生に一度の買い物となると言われるほど、何度も買い替えるものではありません。故人やご先祖様をしっかり供養するため、仏壇を選びましょう。
紹介した内容を参考に、仏壇店と仏壇を検討してみてください。
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