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認知症になった人の財産管理はどうする?活用できる4つの制度などについて紹介

認知症になった人の財産管理はどうする?活用できる4つの制度などについて紹介

家族が認知症になったときについて考えたことはあるでしょうか。テレビ番組や雑誌などで認知症が取り上げられるときお金に関するトラブルの話がよく出てきます。

 

「認知症になった家族のお金の管理は身内ですればいいのでは?」
このように思われている方は多いでしょう。実際には、家族の財産だからといってすべてを自由に管理できるとは限りません。

 

本記事では実際に認知症になった人がどのようなトラブルをおこしやすいのか、円滑に家族の財産を管理するために利用できる制度、管理する際に気をつけたい点について解説しています。

 

記事に触れておくと、お金に関する問題を回避する方法や認知症の家族を傷つけないよう財産管理していくポイントを理解できるでしょう。親をはじめ身近な人が認知症になった場合の金銭トラブルや財産管理の対処法が気になる方はぜひ目を通してみてください。

認知症になった人がおこしやすいお金にかかわるトラブルについて

認知症になると認知機能の低下によって、それまで当たり前のようにできていたことが少しずつできなくなり生活にも支障を来すようになっていきます。記憶が曖昧なためお金に関係することで周囲が困惑する場面も出てくるでしょう。

 

果たして認知症の人やその周りで起こる可能性がある金銭関連の問題は、どのようなことなのでしょうか。

 

ここでは認知症になった人がおこしやすいとされるお金にかかわるトラブルを7つ紹介します。

消費者トラブルに巻き込まれやすくなる

認知症になると、自分が何らかの被害を受けていても気づきにくくなります。そのため、言葉巧みに誘う業者を信じトラブルへ巻き込まれてしまう場合があります。契約までの経緯を尋ねても正確に答えられないため簡単には不正を証明できません。

 

消費者トラブルを防ぐには家族や、身近な人たちによる見守りが大切です。不要な商品や住宅の工事後、関係する請求書や領収証など不審な物や点からトラブルがおきていると気づけます。

計画的な金銭管理ができなくなる

認知症になると計画的に物事を実行するのが困難になっていきます。生活に欠かせないお金の管理も例外ではありません。

 

通帳やキャッシュカード、印鑑の置き場所がわからなくなる、金額を考えず次々とカードで買い物をする、生活費を1度に使ってしまうなど金銭面でのトラブルは多岐にわたっています。

 

欲しい物に対する欲求を抑えられず、衝動的に高額商品を購入してしまうケースも見られるため注意が必要です。

物盗られ妄想をおこしやすくなる

性格、素質、環境、心理状態などに影響されて表れる認知症の周辺症状の中に妄想があります。大事にしている物を誰かが盗ったと思い込む物盗られ妄想もその1つです。

 

物盗られ妄想は通帳、財布、時計、貴金属類など普段から紛失しないよう注意していた物を盗られたと思い込むケースが多いと言われます。

 

盗られないよう違う場所に隠し、そのことを忘れてしまったときも、盗まれたと思い込み身近な人を疑ってしまうのです。

 

出典:政策レポート(認知症を理解する)|厚生労働省

財産がわからなくなってしまう

記憶が不確かになるため、自分がどのような財産を持っているのかがわからなくなってしまう可能性があります。全容がつかめない場合には、財産の確認が必要なときに本人以外が調べるしかありません。

 

認知症になる以前に本人が書き残し誰かに伝えていれば、わからなくなっても容易く調べられます。終活の一環として認知症の発症前に財産目録を作成し明確にしておくと、お互い安心でしょう。

金融機関対応が煩雑化する

口座の持ち主に判断力の低下や喪失が認められると、財産を守る措置として金融機関から資産を凍結されてしまう場合があります。

 

金融機関へ本人との関係を証明する書類の提出など手続きを踏まなければ、家族であってもお金の引き出しや解約を簡単にはできないでしょう。

 

しっかり判断できるうちに、認知症が進んだ後で代理取引が可能なよう準備しておくと凍結は回避できます。

管理代行者の立て替えが必要になることがある

銀行口座のお金を下ろせなくなっても、認知症になった本人の介護や医療にかかる費用は発生し続けます。必要な費用はひとまず家族が負担し立て替えることになるでしょう。

 

令和3年度公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、月々の介護にかかった平均額は8万3千円となっています。住民税非課税世帯の後期高齢者であっても医療費の負担分は支払わなければならないでしょう。

 

出典:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?|公益財団法人 生命保険文化センター

出典:後期高齢者医療における窓口負担割合の見直し|厚生労働省

管理代行者と親族間で騒動がおきやすくなる

管理代行者となった人は管理代行を1人で行うため、お金の使い道が明確でないとほかの親族との間で騒動がおきやすくなるでしょう。例えば、同居して認知症の親を介護している人がお金を自分のために使っているのではないかと親族から疑われることがあります。

 

トラブルへ発展しないよう、引き出した金額や使ったお金に関する記録を残し、集まる機会があったときにチェックしてもらいましょう。

認知症になった人の財産を管理するために活用できる4つの制度

認知症になった家族の財産を悪質な業者や犯罪から守るには効力のある制度を活用しましょう。手続きを踏み正式な管理代行者となれば、認知症になった人の財産管理が可能です。

 

ここからは、判断力が低下した家族に変わって貯金の払い戻しや各種手続きができる4つの制度を紹介します。

1:成年後見(法定後見)について

家庭裁判所によって選任された成年後見人が、法律的に保護や支援をするのが法定後見制度です。成年後見人は家族や親族だけでなく第三者や法人が選ばれる場合もあります。また、財産に関するすべての法律行為の代理権が成年後見人に与えられます。

 

成年後見人が不正していないか監督するのは家庭裁判所、または家庭裁判所の判断で選任された後見監督人です。成年後見人は事務に関する内容を家庭裁判所や後見監督人に報告します。

 

出典:Q1~Q2 「成年後見制度について」|法務省

 

出典:Q3~Q15 「法定後見制度について」 |法務省

2:任意後見について

あらかじめ結んでいた契約を基に任意後見人から依頼されている内容を代行するのが任意後見制度です。契約は本人の判断力が確かな段階において、公証人が委任する事務内容を記した公正証書を作成し任意後見人との間で締結します。

 

基本的に任意後見がスタートするのは、判断力がなくなった時点からです。家庭裁判所に申し立て、裁判所の専任した任意後見監督人のもとで委任された事務を行っていきます。

 

出典:Q16~Q20 「任意後見制度について」|法務省

3:財産管理契約について

判断力が保たれていて身体の自由がきかない場合に結ぶのが財産管理契約です。契約により家族や身近な人に財産管理など事務の一部もしくはすべての代理権を与えられます。契約の内容は契約する当事者で決めることが可能です。

 

財産管理契約は任意後見制度と一緒に契約しておくと、判断力がなくなった時点で悩む必要がなくなります。

 

出典:②財産管理等委任契約 |美濃加茂公証役場

4:家族信託(民事信託)について

家族で財産を管理する家族信託は、後見制度に変わる方法として注目されているものです。家族信託を選択し財産の名義を子に変えると、親が認知症になっても財産管理、財産運用、財産処分できます。

 

家族信託を選ぶ際は、後にトラブルがおきないよう家族全員で話し合い理解を得て、信託契約書を公正証書で作成しましょう。

認知症になった人の財産を管理する際の留意点

たとえ認知症によりさまざまな能力が落ちてしまった人の財産であっても、自分の物でない限り好き勝手にはできません。良かれと思ってしたことが本人を傷つけてしまう場合もあるでしょう。

 

以下では認知症になってしまった人の財産を上手に管理していく上で留意したい点を3つ挙げています。何が認知症を患う家族のためにならないのかも理解しておきましょう。

無理やりすべての財産を管理に移さない

長年自分でしてきたお金の管理を取り上げると自尊心を傷つけてしまうおそれがあります。無理やりすべてのお金を渡さないようにするのはNGです。手元に財布がないことで、生活できないと不安を感じる可能性があります。

 

財布に入れる現金はそれほど多くなくても構いません。小銭を少し入れた財布を自分で持っているだけでも本人は安心するでしょう。

家族の常識を無理に押し付けない

さまざまな経験を積んできた高齢者には、自分なりのやり方があります。家族が助けてあげなければと思い、常識的なことを無理に押し付ければ本人は苛立ちを覚えるでしょう。

 

悲しさや怒りといったマイナスな感情は記憶に残ってしまいます。もしも自分が同じ状態になったらどう思うかを考え、認知症だからと人としての尊厳を否定するような態度をとったり、言葉を投げかけたりするのは避けましょう。

認知症になった場合の対応を事前に相談しておく

認知症になった場合に備え、日常生活をはじめ金銭管理をどのようにしていくか対応について相談しておくと、慌てて話し合わずにすみます。また、制度の利用に関しても事前に話し合っておくと良いでしょう。

 

認知症にかかる可能性は誰にでもあるため、家族で認知症への理解を深めておくことも重要です。認知症の兆候としてどのような言動が見られるか知っておけば変化にいち早く気づけるでしょう。

その他にもある認知症になった人の財産管理

認知症になった人の財産管理に活用できる方法は、紹介した公的な制度や家族信託以外にもあります。認知症になった人の状態や家族の状況に合わせて管理方法を選べるように選択肢を広げておきましょう。

 

ここでは1人暮らしの高齢者を直接助けられる自治体のサービスと、銀行を使った管理方法の2つについて解説します。

日常生活自立支援事業のサポートを受ける

社会福祉協議会で実施している日常自立支援事業を活用すると、お金の管理をサポートしてもらえます。家族と離れた場所に1人で暮らしている場合に役立つサービスです。

 

日常自立支援事業の内容を理解できる程度の認知症であればサービスを利用できます。日常生活で必要なお金の出し入れなどを依頼できるほか、大切な預金通帳や証書、書類を安全な場所で預かってもらうことも可能です。

 

出典:日常生活自立支援事業 |厚生労働省

資産承継信託を活用する

資産継承信託に申し込むと、口座の名義人だけでなくあらかじめ指定していた人物も預金を引き出せるようになります。 資産承継を目的としたプランは、銀行によって異なるため内容を確かめてから申し込みましょう。

 

口座の名義人が亡くなると、通常は遺産分割協議が成立した後でなければ口座からお金を引き出せませんが、資産承継信託にしておくと葬儀費用も本人の預金で賄えるでしょう。

認知症になった人の財産管理は本人の自尊心にも配慮しよう

認知症になると物忘れや失敗により、つらい、悔しいと感じる機会が増えていきます。心配のあまりお金を管理しトラブルを防ごうと家族が考えるのは当然と言えるでしょう。

 

しかし、やり方を間違えると本人は惨めな気持ちになります。本記事で紹介した財産管理の方法や留意点を参考にし、自尊心を大切にしながら病状に合わせて上手にサポートしていきましょう。

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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