
【大阪のお墓】吉相墓は家運を引き上げる?基礎知識とバランスの良い予算立てがポイント

昔から大阪でお墓を建てる時、吉相を意識する慣習がありますよね。
これを吉相墓と言いますが、昔からの古い慣習なので、墓相学の専門家などに相談するほどのものではなく、大まかな決まり事を意識するほどの家が増えました。
先祖代々墓を建てたり、お墓の引っ越しである改葬時、「高齢の親族から大阪ではお墓の吉相を訪ねられた」との体験談は多くあります。
ただ現代の大阪では、そもそもお墓に吉相があるなど、知らない方も多いのではないでしょうか。
大坂でお墓を建てる際、必ず吉相でなければならない訳ではありませんが、親族間トラブルを回避するためにも、吉相墓について理解できると良いですよね。
そこで今回は、大阪でお墓を建てる時に意識したい、吉相墓についてお伝えします。
【大阪のお墓】吉相墓は家運を引き上げる?基礎知識とバランスの良い予算立てがポイント

そもそも吉相墓とはなに?

では、昔から大阪のお墓で伝わる「吉相」「吉相墓」とは、どのようなものなのでしょうか。
これは風水のひとつであり、手相などの占いと変わりはありません。
ただ大阪のお墓の場合、吉相墓を建てて、子々孫々と守護していただく、吉相にあやかる意味合いが強いです。
…では大阪のお墓で吉相墓は、どのような事柄に良いとされているのでしょうか。
・家族や一族の繁栄
・子々孫々の幸福
…などの守護です。
先祖代々墓など、個人の運ではなく家運であることが分かります。
そして大阪でお墓の「吉相」は墓相学からきておるため、一般的なお墓とは異なるでしょう。
吉相墓の基本

以前は大阪のお墓で吉相墓となると、必ずお墓の相を見る「墓相学」の専門家に支持を仰いできましたが、宗旨宗派不問の無宗教の家によるお墓も増えた今、それほど正確な「吉相墓」ではないものも増えてきました。
この考え方には賛否両論がありますが、無くなりつつある大阪のお墓の慣習、吉相墓が全く消滅するよりは、経済的に不安定な今、家の繁栄を願い自分達なりに建てる吉相墓も認知されつつあります。
●五輪の塔
●三段墓
●墓地を広く取り、墓石は小さくする
・お骨は土に埋めて、自然に還す
・朝日が当たる東南の向き
・あの世とこの世の境界線として縁石作る
・階段を設置する
・墓石は白御影石(関東は黒御影石)
・水の吸収が良い墓石を選ぶ
●コンクリートで基礎を固めない
・コーキングをしない
・金物をしない
●墓地は土のまま
・玉砂利を敷かない
・コンクリートで固めない
…などなどの特徴があります。
一般的なお墓と違い「ご先祖様が息をしやすいお墓」を意識して作ります。
そのためコンクリートで固めたり、コーキングや金物を避け、墓地も玉砂利などを敷きません。
また土に還るお墓として、ご遺骨を納骨するカロート部分はコンクリートで囲わず、墓石の底にご遺骨を埋めるように建てることも特徴的です。
大阪のお墓、吉相墓の供養
大坂ではお墓に吉相墓を選んだ場合、14歳以下の小さな子どもの魂に対してはお地蔵さんを建てて供養します。
これは幼くして亡くなった子どもの魂ばかりではなく、流産など水子の魂に対してもお地蔵さんで供養されるでしょう。
・幼い魂は敷地内にお地蔵さんを建てて供養
・茂る草木の草刈りも供養
・お墓参りをする
大坂でお墓に吉相墓を選ぶと言うことは、お墓を中心に家族が供養の心を学び、暮らしの一部としていく意味合いもあります。
「お墓も生きている」と言う意識があり、親から子へと供養文化を伝える意味合いとして、現代の大阪ではお墓に吉相墓が、見直されるようになりました。
吉相墓の赤土が使用される?

大坂のお墓では吉相墓を建てる際に、墓石の地盤のような土台が赤土を使っているのはご存知でしょうか。
●大阪のお墓で吉相墓を建てる際、赤土を使う理由には、下記のような意味合いが込められています。
・生命力
・災いを防ぐ
「生命力」は赤土の赤い色が血縁などの意味合いを連想し、昔から小豆など、赤い色のものは厄払いとされてきました。
墓地には無縁仏や餓鬼など、ご先祖様以外にもさまざまな悪しき霊が集まりやすいともされるため、自分達の家を守護してくださるご先祖様の魂を守るためにも、赤土で悪しきものを祓い、生命力を根付かせる意味合いがあるようです。
一般的なお墓でも同じように敷かれますが、大阪のお墓で吉相墓を建てる場合は、故人を安らかに安置したい、家族の想いが込められています。
吉相墓は一般墓よりも高額?
大坂のお墓を吉相墓にする場合、赤土をはじめ墓石の素材や向きなどにこだわる、墓相学の専門家に家系図を見てもらうなどから、一般墓よりも割高になりやすい点は否めません。
ですから昔から大阪のお墓では、吉相墓を建てる家はそれなりの家柄でもありました。
だからこそ、家の更なる繁栄や守護を意識し、財産を持つことによる周囲の嫉妬や妬みから守る意味合いで、大阪ではお墓に吉相墓を選ぶ事例もあります。
(1)一般的なお墓
・墓石のグレードを抑えて建設費用をカット
・安い区画の墓地も気にせず利用できる
(2)吉相墓
・抑える費用項目がほとんどない
(条件を満たそうとすると妥協する点がない)
また世代が変わるたびに、大阪ではお墓を建て替える慣習が、かつての吉相墓にはありました。
そのため、次の世代になると再び新しいお墓を建てる、建て替える家も多く、費用が掛かります。
吉相墓の費用
上記でもご紹介した通り、大阪でお墓を吉相墓にした場合、一般墓と比較して割高になってしまう点は否めません。
ただ最近では、そもそも一般墓のお墓がひと昔前と比較して、コンパクト化したことで割安になっています。
そのため大阪でお墓を建てる際も、吉相墓はひと昔前と比べると価格帯は安い傾向です。
そこで、近年大阪のお墓で吉相墓を選んだ、Aさんの事例をお伝えします。
●費用…200万円
・墓地の広さ…約7.3平米
・墓石の種類…真壁小目
昔の大阪ではお墓を建てるとなると、吉相墓でなくても約300万円~600万円とも言われていましたが、2020年前後になると建墓の平均費用が約170万円、約300万円でも高いお墓と言う流れになりました。
「墓相」を見てもらう?

では、大阪のお墓で吉相墓を選ぶ時、誰かに見てもらう必要はあるのでしょうか。
確かに吉相墓は「墓相学」を礎とした風水なので、昔ながらの慣習としては、墓相を専門家に見てもらい、その言葉に倣い建ててきました。
大阪のお墓で吉相墓を建てる基となる、「墓相学」とはどのようなものかと言えば、手相占いに似ています。
墓相学に精通した人に見てもらう場合には、下記のような点を参考にしてきました。
・墓石の色
・土地柄
・方角
…などなど。
このなかから「吉」があるものを取り入れて良いお墓を建てることが目的です。
吉相墓の専門家には悪徳業者がいるってほんと?
このように、以前の大阪ではお墓を吉相墓で建てる場合、墓相学の専門家に見てもらう慣習もありました。
そのため専門家としての心象性を表す基準がないことは確かです。
あくまで吉相墓の専門家は自称であることを意識するだけで、多額の費用を出すなど、巻き込まれることも避けられます。
家運を挙げるために吉相墓に傾倒するのではなく、吉相墓やお墓の供養文化を子どもに繋げる、ご先祖様へ日々感謝する暮らしを実践する、そんな意味合いで建てると良いでしょう。
吉相墓には家系図が必須!?
もしも大坂のお墓で吉相墓を専門家に見てもらう場合、家系図の作成を行います。
しかし、家系図と言っても、みなさんがイメージしている「父・母・祖父母」とは異なり、「戸籍謄本」を集めて読み解いていく点が特徴です。
●大坂のお墓で吉相墓が少なくなった理由には、この戸籍謄本を集めて家系図を作成することに、大きな手間暇が掛かったことがあるでしょう。
その昔の大阪では、家系図が代々残されていた家も多く、長男が財産からお墓まで、代々家を引き継ぐ「家督継承」の慣習があったために、家の繁栄がより重要視されていました。
けれども個人を尊重する現代では、「そこまでして…」と言う流れになり、大阪のお墓では吉相墓も少なくなりました。
また吉相墓を建てるとしても、専門家に見てもらう家が少なくなったのも同じ理由です。
最後に
今でも大阪や関西のお墓には吉相墓の慣習は残っていますが、最近注目されている、納骨堂や樹木葬などの「お墓を持たない葬送」とは正反対の慣習です。
大坂でお墓を建てる際、吉相墓にすることで、草木も茂りやすいなど、より頻繁にお墓掃除やお墓参りを行うことになります。
けれども経済的に不安定な昨今、お墓参りを暮らしのなかに取り入れることで、「子ども達に見えない者に感謝し敬う心を育みたい」と考える親が増えました。
「お天道様は見ている」ではないですが、「見えないけれど、ご先祖様がいつも子ども達を見ていて、そして守護してくださる、だから大丈夫」と教えて、子ども達に未来を信じる心を養おうとする新しい吉相墓も産まれています。
まとめ
吉相墓は家を守護するお墓
<特徴>
●五輪の塔
●三段墓
●墓地を広く取り、墓石は小さくする
・お骨は土に埋めて、自然に還す
・朝日が当たる東南の向き
・あの世とこの世の境界線として縁石作る
・階段を設置する
・墓石は白御影石(関東は黒御影石)
・水の吸収が良い墓石を選ぶ
●コンクリートで基礎を固めない
・コーキングをしない
・金物をしない
●墓地は土のまま
・玉砂利を敷かない
・コンクリートで固めない
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