
弔事の「忌み言葉」とは?忌み言葉5つの種類と言い換え一覧、葬儀で避けたい話題も解説

・弔辞の「忌み言葉」とは?
・弔辞の忌み言葉5つの種類とは?
・弔辞の忌み言葉と言い換え一覧は?
・葬儀で避けたい話題とは?
「忌み言葉」とは慶事や弔事の席で避けたいNGワードです。
特に弔事で忌み言葉を使うと、不要にご遺族を傷つけてしまい兼ねないため、できるだけ避けたいですよね。
本記事を読むことで、通夜や葬儀で避けたい弔事の忌み言葉の一覧、言い換えの言葉が分かります。
後半では、葬儀で避けたい話題についても解説していますので、どうぞ最後までお読みください。

忌み言葉とは

◇「忌み言葉」とは、弔事や祝辞の席で避けたい縁起の悪いNGワードです
弔事の忌み言葉では、特に不幸が今後も重ならないよう、「常々」「わざわざ」などの重ね言葉が有名ですよね。
忌み言葉には主に下記5つの種類があります。
①重ね言葉
②不吉な言葉
③不幸を連想する言葉
④直接的な表現
⑤宗旨宗派に添わない表現
「宗旨宗派」とは、「宗旨」が仏教・キリスト教・神道などの宗教の種類です。
「宗派」は浄土宗や臨済宗などの仏教宗派を差し、忌み言葉で気を付ける宗派は浄土真宗となります。
忌み言葉①重ね言葉

◇重ね言葉は「わざわざ」「度々」など、言葉が重なる忌み言葉です
重ね言葉は「不幸が重なる」として忌まれてきました。
けれども日常的には使いやすい言葉です。
例えば、喪主挨拶で「雨の中わざわざお越しいただきありがとうございます」と言ってしまいがちですが、「雨の中、このためにお越しいただきありがとうございます」などと言い換えます。
<忌み言葉①重ね言葉:一覧・言い換え表> | |
[重ね言葉] | [言い換え] |
①日々 | ・毎日 |
②時々 | ・たまに |
③いろいろ | ・たくさんの ・さらに |
④くれぐれも | ・どうぞ ・どうか ・充分に |
⑤また | ・並びに ・今一度 |
⑥次々と | ・ひっきりなしに |
⑦わざわざ | ・このために ・特別に |
…などがあります。
ただ、できれば重ね言葉自体を口に出さずに済むよう、会話を進めたいところです。
続きを連想する言葉も、忌み言葉
◇重ね言葉と同じく「再び」「追って」など、続きを連想する言葉も忌み言葉です
重ね言葉と同じように、不幸が続く縁起の悪いNGワードとして、続きを連想される言葉も忌まれます。
ご遺族を悲しませる原因にもなり兼ねません。
<忌み言葉|続きを連想・言い換え一覧> | |
[重ね言葉] | [言い換え] |
①引き続き ・次は |
・今後とも ・これからも (これからは) |
②再び | ・今後は ・今一度 |
③追って | ・後ほど |
④また | ・改めて |
⑤忘れる (忘れない) |
・心に留めて |
弔事で忌み言葉自体を気にする人、気にしない人はさまざまですが、基本はご遺族の気持ちに寄り添い、ご遺族が触れて欲しくない話題は避ける言葉を使います。
そのなかで、死を連想させる言葉や生前の苦しみなど、触れないように会話をすることが、結果的に忌み言葉を避けることにもなるでしょう。
忌み言葉②不吉な言葉

◇「終わる」「落ちる」の他、「忙しい」なども不吉な言葉として忌み言葉です
喪主挨拶では忌み言葉に注意をしないと、「お忙しいなか、足を運んでいただき…」などと始めてしまいそうですが、「忙しい」は「心を亡くす」と書き不吉な言葉として忌まれます。
不吉な意味を持つ忌み言葉で有名なものは、「四(死)」や「九(苦)」ですね。
香典で包むお金の数字でも、四や九は避けるでしょう。
<忌み言葉②不吉な言葉・言い換え一覧> | |
[重ね言葉] | [言い換え] |
①切れる | ・新たな道を歩む ・怪我をする |
②壊れる (崩れる) |
・変わる |
③別れる (離れる) |
・独立する |
④戻る | ・赴く |
⑤辛かった | ・頑張った |
⑥最後 | ・結びに、 |
⑦苦労の多い | ・骨身を惜しまない |
⑧苦しかった (大変だった) |
・頑張りましたね |
⑨忙しい | ・ご多用 |
⑩九 | ・ここのつ ・きゅう |
⑪四 | ・よん ・よっつ |
特に生前の病状を示す時に、「辛い日々が続いていましたが…」と言いそうになりますが、「辛い」も「日々」も忌み言葉です。
「病気と向き合い頑張ってきましたが…」などと言い換えます。
幸せすぎる表現も避ける
◇反対に弔事では、場にそぐわない前向きすぎる言葉も避けます
結婚式など慶事では忌み言葉にはなりませんが、故人を偲び弔う弔事では、「嬉しい」「喜ばしい」など、あまりに前向きな言葉、慶事で扱う言葉も忌み言葉です。
●下記の言葉は使用を避けます。
・楽しい
・嬉しい
・喜ばしい
生前の故人との思い出を語る際には、「良い時間を過ごしました」「よくふざけ合ったものでした」などと伝えると良いでしょう。
また地域によっては妊婦さんは葬儀に参列できないように、結婚式や出産など、お祝い事についての話題も避けた方が良いです。
忌み言葉④直接的な表現

◇「死ぬ」などの直接的な言葉も忌み言葉です
忌み言葉には「死ぬ」「急死」など、直接的な言葉や最期の様子を表す言葉も含まれます。
急死などは自然と避ける人が多いですが、気を付けたいのは「生きる」「生きていた頃」などの表現も、ご遺族の哀しみを増幅するため、避けたい忌み言葉です。
<忌み言葉③直接的な表現・言い換え一覧> | |
[重ね言葉] | [言い換え] |
①死ぬ | ・亡くなる ・ご逝去 |
②生きる (生きていた頃) |
・ご生前 ・お元気だった頃 |
③急死 | ・急逝 ・突然のことで |
…など、直接的な表現を避け、少しオブラートに包むよう心掛けて伝えます。
特にご遺族の心中を慮り、「事故死」「病死」など、具体的な死因を表す言葉は避けるべきです。
「この度は急なことで、言葉の掛けようもありません」などと伝えることで、弔意は充分にご遺族に伝わります。
忌み言葉⑤宗旨宗派に添わない表現

◇「ご冥福」などは仏教用語です
日本では仏式の通夜や葬儀が多いため、一般的に「ご冥福をお祈りいたします」などとお悔みの言葉を述べますよね。
けれども「ご冥福」は成仏を願う仏教用語ですので、キリスト教や神道には向いていません。
<忌み言葉⑤宗旨で違う忌み言葉> | ||
●仏教 | ・浮かばれない ・迷う ・天国 |
・言わない ・言わない ・ご冥福 ・成仏 |
●キリスト教 | ・ご冥福 ・成仏 ・供養 ・往生 ・お悔み |
・神に召される ・天に召される ・安らかに ・平安 |
●神式 | ・冥福 ・成仏 ・供養 |
・御霊(みたま)の御平安 ・御安霊の安らかならん ・平安な眠り |
仏教においては四十九日の忌中があり、この間に故人は冥土の旅をして成仏しますが、キリスト教式では人が亡くなると神様の元へ召され転生を待ちます。
・哀悼の意を表します
・謹んでお悔み申し上げます
一方神道では人が亡くなるとご先祖様とともに家に留まり、家を守る氏神様になるため、「成仏」や「冥福」がないのです。
プロテスタントとカトリック
◇キリスト教式には、プロテスタントとカトリックがあります
キリスト教式は2つの宗派があり、「プロテスタント」と「カトリック」です。
プロテスタントは牧師を宗教者とし、カトリックは神父を宗教者とします。
忌み言葉とそれぞれの宗派の違いを、分かりやすく下記で説明します。
<プロテスタントとカトリック> | |
[プロテスタント] | ・教会が豪華 ・聖書の解釈が統一 ・聖職者は「神父」 ・「聖歌」を歌う ・十字を切り祈る [用語] ・召天(しょうてん) ・召される |
[カトリック] | ・教会が素朴 ・聖書の解釈は自由 ・聖職者は「牧師」 ・「讃美歌」を歌う ・十字は切らない [用語] ・帰天(きてん) |
カトリック教の信者が葬儀に参列する際は白いベールを被るなどします。
けれどもカトリック教の信者でない限り、そこまでの配慮は必要ないでしょう。
・「安らかなお眠りをお祈りいたします。」
忌み言葉以外に、避けたい話題とは

◇葬儀の席では、故人の死因にまつわる話は避けましょう
哀しみに暮れるご遺族の前で、葬儀の席で故人の死因についての話題は大変失礼にあたります。
ご遺族から原因を話さない限り、こちらから伺うことは避けましょう。
①故人の死因にまつわる話題
②生死にまつわる事柄(全般)
③故人の生前の病気療養
(故人が辛かった思い出)
④出産など、お祝い事
⑤長い話
また葬儀の席では挨拶程度に留めて、長話をしないよう気を付けます。
心からの弔意を伝えるには、丁寧な葬儀マナーに倣ったお焼香で充分です。
まとめ:忌み言葉を話さぬよう、お悔みの言葉は事前に準備します

「たびたび」や「わざわざ」など、忌み言葉が意外に日常的に使用している言葉が多いです。
そのため葬儀に参列する際には、予め伝えるお悔みの言葉を準備して、会場では多くを語らず、言葉少なにお焼香を済ませて帰ります。
またお祝い事の話題を避ける理由と同様、葬儀のお焼香なのに、あまりにハレバレとした表情などは避け、ご遺族の気持ちに寄り添う表情や動きでお焼香を済ませると良いでしょう。
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