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家族信託は本当に危険?契約におけるリスク事例やトラブル回避の方法を解説

家族信託は本当に危険?契約におけるリスク事例やトラブル回避の方法を解説

「家族信託の制度ってどういうもの?」
「家族信託が危険だと言われる理由とは?」
「家族信託に関するトラブルにはどんなものがある?」
このように、家族信託が危険なのかどうか詳しく知りたいという人もいるのではないでしょうか。

 

この記事では、家族信託の概要や危険だと言われる理由、家族信託のトラブル事例などを紹介しています。この記事を読むことで、なぜ家族信託が危険だと言われているのか把握することができるでしょう。

 

また、家族信託の危険を回避するための対処法についても紹介していますので、トラブルを回避して家族信託を利用したいと考えている人も参考にできます。

 

家族信託は本当に危険なのか知りたい人は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

家族信託の制度とは?

家族信託とは、信頼できる家族と信託契約を結び、自身の財産の管理や運用を依頼する制度です。自身の財産を信頼できる家族に託し、資産の運用によって発生した利益を受益者に渡します。

 

家族信託は自身に判断力がなくなった場合でも、自身の財産から介護費などの費用を捻出できるように、家族に財産の管理や運用、処分を任せられる制度となっています。

 

管理を任された家族としても、委託者の財産から得られた利益によって介護費を賄うことができるため、自らの資産を減らす心配がありません。

家族信託のメリット

家族信託の制度を利用することにより、委託者が認知症になったとしても家族に信託専用口座の管理を任せることができるというメリットがあります。

 

また、家族信託によって受託者、受益者を選ぶことができるため、遺言書の代わりとしての機能があります。遺言を用意していなくても、家族信託が遺言の役割を果たせる点もメリットだと言えるでしょう。

家族信託が危険だと言われる理由8選

家族信託は信頼できる家族に財産管理を依頼することで、将来的な自身の介護費などを捻出できるようにして、家族が金銭面で困窮しないようにできる制度です。このように家族信託は便利な制度ですが、一方で家族信託は危険だと言われることもあります。

 

ここでは家族信託が危険だと言われる理由を紹介しますので、実際に家族信託の利用を検討する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

1:受託者一人に権限が集中してしまう

家族信託では、家族の中から自身の財産の管理や運用を任せる「受託者」を決めることになります。受託者には義務も多いですが、受託者に財産に関する権限が集中してしまうという危険性もあります。

 

受託者は管理している財産を自由に売却することができるため、受託者に財産の権利が集中していることに対して、他の家族や親族から不満が生まれる可能性もあるでしょう。

2:受託者に身上監護権がない

身上監護権とは、身体や命の保護を行うことです。判断能力のない人を代わり病院に連れて行ったり、入院の手続きを行ったりすることが身上監護に該当します。

 

家族信託には受託者に身上監護権がないため、委託者の生活の状況に配慮して身上監護を行ってもらうことはできません。身上監護が必要な場合は、成年後見制度の利用を検討する必要があるでしょう。

 

出典|参照:第二十六条信託法|e-Gov法令検索サイト

3:親族間で揉め事が起こる可能性がある

前述のとおり、家族信託では家族の中でも受託者一人に権利が集中します。受託者一人で委託者の信託財産の管理や売却などを行うことができるため、親族間で揉め事が発生する危険性があるでしょう。

 

たとえば受託者が信託されていた賃貸マンションを売却する場合、他の家族に相談する必要はありません。しかし他の家族が「何の相談もしてくれなかった」と不満を持つ可能性があります。

 

また、受託者にしてみれば自分一人に権限が集中することにストレスを感じるケースもあるため、このような不公平感によって親族間でトラブルが発生する可能性もあるでしょう。

4:損益通算できないことにより思わぬ税金が発生する場合がある

家族信託を利用する場合、損益通算が利用できないため、思わぬ税金が発生する危険性があります。損益通算とは、所得の中で発生した損失を他の各種所得金額から控除する制度です。

 

しかし信託財産の不動産所得で損失が発生した場合、損失分は発生しなかったという扱いになります。そのため、信託財産以外で生じた所得と損益通算を行うことができず、節税することができません。

 

出典|参照:No.2250 損益通算|国税庁

 

出典|参照:租税特別措置法 | e-Gov法令検索

5:信託の対象にできない財産がある

家族信託では、不動産や金銭、株式などは信託財産にすることができますが、農地や預金口座などは信託の対象にできない場合があります。そのため、財産の中に信託対象にできないものが含まれる可能性があります。

 

また、年金受給権者が委託者である場合、年金は委託者の口座に振り込まれますが、年金は信託財産の対象外です。信託口座を年金の振込先に指定することはできないため、年金をすぐに信託財産にするということができません。

 

出典|参照:国民年金法 | e-Gov法令検索

6:開始から30年後に強制終了となる可能性がある

信託法の第91条では、信託契約締結後30年が経過して受益者や次の受益者が死亡した場合は信託を終了するという旨が定められています。そのため、家族信託開始から30年が経過すると強制終了になる危険があります。

 

たとえば自分の子供を受益者、孫を受益者に指定していた場合、信託を開始してから30年が経過し、子供と孫が亡くなれば、受益者の期間も終了してしまうということです。

 

出典|参照:信託法 | e-Gov法令検索

7:初期費用が高額になる可能性がある

家族信託の制度を利用する場合、専門家の力を借りるケースも多いです。そのため、初期費用が思っていたよりも高額になるリスクもあります。

 

家族信託に関する相談料や公正証書の作成を代行してもらう費用、手数料といったさまざまな費用が発生します。また、家族信託の相談料は信託財産を基に算出されるケースも多いため、財産が多いほど相談料も高額になりやすいでしょう。

8:受託者は信託計算書の提出義務がある

家族信託の受託者は、信託計算書を作成して提出する義務が発生します。所得税法の第227条では、信託の受託者は信託計算書を毎年1月31日までに税務署に提出するよう定められています。

 

出典|参照:所得税法 | e-Gov法令検索

家族信託のトラブル事例8選

ここまで家族信託の危険について紹介してきましたが、家族信託にはこのようなリスクもあることから、トラブルに発展してしまうケースもあります。

 

家族信託を検討する場合は、どのようなトラブルが発生しやすいのか把握しておくことも大切です。ここでは家族信託のトラブル事例を紹介しますので、参考にしてみてください。

1:想定外の税金が課税された

家族信託によって税金が発生する可能性がありますが、想定外の金額が課税されたことでトラブルになった事例があります。たとえば、自益信託で自身が委託者と受益者となる場合、所得税が発生します。

 

また、他益信託で家族を受益者にした場合は受益者に贈与税が発生するため、どのような税金が発生するのかあらかじめ確認しておく必要があるでしょう。

 

出典|参照:No.2250 家族信託にかかる税金(課税関係)について教えてください。 | 司法書士・行政書士町田リーガル・ホーム

2:自分で信託契約書を作成したが無効とされた

インターネット上の信託契約書を参考に自分で契約書を作成したところ、契約書自体が無効にされてしまった事例があります。

 

インターネット上で公開されている信託契約書の名前を自分達の名前に書き換えたとしても、もともと自分用ではないため、要件を満たしていない可能性があります。

 

信託契約書の作成には専門的な知識が必要になるため、インターネットを参考にして自分で作成することにはリスクがあると言えるでしょう。

3:公正証書を作成なかったため信託口座を開設できなかった

信託契約書を公正証書で作成した場合は、公証人が立ち会うため、委託者の意思に基づいて作成された信託契約書であることが証明できます。しかし公正証書を作成しなかったことから、信託口座を開設できなかったという事例があります。

 

信託口座を開設する場合、信託契約書を公正証書にすることを条件にしている金融機関が多いです。そのため、信託口座を開設する場合は公正証書で信託契約書を作成した方が良いでしょう。

4:遺留分を侵害し信託契約が無効になった

被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人には、法定相続人の生活を守るために奪うことができない「遺留分」と呼ばれる遺産の留保分があります。しかし家族信託によって遺留分を侵害する契約を結んでいたことで、信託契約が無効になった事例があります。

 

家族信託によって他の相続人の遺留分を侵害する可能性がある場合は、あらかじめ遺留分を確保しておく必要があるでしょう。

5:抵当権付き不動産を信託により銀行とトラブルになった

信託財産の中に不動産が含まれる場合は、不動産の登記変更を行う必要があります。しかし抵当権付きの不動産を信託財産にしたことで、銀行から契約違反として扱われた事例があります。

 

抵当権付きの不動産の登記変更を行う場合は、金融機関からの許可が必要です。しかし登記の手続きを行う際に銀行の許可なく変更ができてしまうため、必ず事前に金融機関からの許可を得てから手続きを行うようにしましょう。

6:契約を先延ばしにして認知症を発症し信託を締結できなくなった

家族信託は、委託者に判断能力がある間にしか契約することができません。しかし家族信託の契約を迷っている間に委託者が認知症を発症してしまい、家族信託が締結できなくなってしまう事例があります。

 

家族信託の内容によっては、契約を締結するまでに時間がかかるケースもあります。そのため、委託者の判断能力が落ちてきたと感じてから契約に移ろうとしても間に合わず、契約の話が流れてしまう可能性もあるでしょう。

7:受託者の利益を目的にしてしまい信託が無効とされた

信託法の第2条では、受託者の目的が専ら受託者自身の利益を図るものである場合、信託の定義から外れるものとしています。そのため、受託者の利益を目的にしてしまうことで、家族信託が無効にされてしまった事例があります。

 

出典|参照:信託法 | e-Gov法令検索

8:家族信託に詳しくない専門家に依頼してしまった

家族信託の契約書を作成する場合、専門的な知識が必要となるため、専門家に依頼するケースが多いです。しかし家族信託に詳しくない専門家に依頼してしまうことで、クレームに発展した事例もあります。

 

家族信託は新しい制度であるため、法律の専門家であっても経験が十分でないこともあります。そのため、家族信託の目的を達成するためには、まずは信頼できる専門家を見つけることが大切になるでしょう。

家族信託の危険を回避するための対処法

ここまで紹介してきたとおり、家族信託を利用することで思わぬトラブルに発展する可能性があります。家族信託でのトラブルを避けるためには、事前にどのような対策方法があるのか把握しておくことが大切です。

 

ここでは家族信託の危険を回避するための対処法を紹介しますので、参考にしてみてください。

親族の同意を得る

家族信託では、家族の一人に財産の管理や運用の権限が与えられることになります。家族が家族信託についてよく理解しないまま契約してしまうと、後から家族間で揉める原因になります。

 

そのため、家族信託を結ぶ前に親族同士でよく話し合い、制度についてよく理解し、同意を得ておくことが大切です。特に遺留分が発生する相続人に対しては遺留分を侵害しない内容とし、その内容について理解してもらうことが大切です。

信託の正しい目的に沿った内容で締結する

家族信託は受益者の利益を目的にした内容や、遺留分を侵害するような恐れのある内容になっていると、信託が無効になる可能性があります。そのため、信託の目的に合った正しい設計を行うことが大切です。

家族信託の知識が豊富な専門家に相談する

家族信託では専門的な知識が必要になるため、経験が豊富な専門家に相談することが大切です。家族信託では相続や税金、場合によっては不動産に関する知識も必要になるため、家族信託の知識や手続きの経験がない人に依頼すると不備が生じる可能性もあります。

 

そのため、経験豊富な専門家を探して、専門家とよく話し合うようにしましょう。

認知症にならないうちに契約する

家族信託を締結できるのは、委託者に契約能力がある間だけです。検討が長引いてしまうと、家族信託の検討中に認知症を発症してしまう可能性もあります。

 

そのため、委託者が認知症にならないうちに契約を行うことが大切です。

契約にかかる費用を把握しておく

家族信託では初期費用がかかるため、契約にかかる費用がどのくらいになるのか把握しておくことも大切です。家族信託を利用するために専門家の力を借りるケースが多いですが、専門家に相談したり手続きを代行してもらったりするためには費用がかかります。

 

そのため、事前にどのくらいの費用がかかるのか把握しておくことが大切です。

「成年後見制度」や「遺言書」の制度と比較する

家族信託の利用を検討する場合は、家族信託だけでなく「成年後見制度」や「遺言書」とも比較検討するようにしましょう。たとえば、家族信託には身上監護権がありませんが、成年後見制度であれば身上監護権があるため、契約行為の支援なども行えるようになります。

 

本当に家族信託で良いのか他の制度とよく比較検討した上で、利用することが大切です。

 

出典|参照:成年後見制度・成年後見登記制度|法務省

成年後見制度と家族信託の違いは?

本記事でも紹介してきたとおり、家族信託の利用を検討する場合は成年後見制度などと比較して検討することが大切です。それでは、成年後見制度と家族信託には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

 

本記事では成年後見制度と家族信託の違いについて解説しますので、参考にしてみてください。

開始時期

家族信託は委託者に判断能力がある間に契約を結びますが、成年後見制度は本人の判断能力が落ちてきてから契約を締結することになります。家族信託の場合は将来認知症などによって判断能力が低下したときに備えて、家族に財産の管理や運用を行ってもらう制度です。

 

しかし成年後見制度の場合は、本人の判断能力が落ちてから家庭裁判所に申し立てを行い、本人の財産管理や契約行為の支援を行えるようにする制度であるという違いがあります。

 

出典|参照:成年後見制度・成年後見登記制度|法務省

財産管理をする人の選定方法

家族信託は委託者自身が財産管理をする人を選定しますが、成年後見制度は家庭裁判所が選任するという違いがあります。成年後見制度の場合、申立人が後見人を指名することは可能ですが、家庭裁判所が別の人を選任する可能性もあります。

 

出典|参照:成年後見制度・成年後見登記制度|法務省

財産管理の自由度

家族信託は信託目的により委託者の財産管理を柔軟に行うことが可能ですが、成年後見制度では柔軟な財産管理はできないという違いがあります。成年後見制度の場合、本人の財産の保全を目的としているため、柔軟に財産管理を行うことはできません。

 

その代わり、身上監護のための契約行為を行うことができます。

 

出典|参照:成年後見制度・成年後見登記制度|法務省

遺言書と家族信託の違いは?

家族信託が家族のための財産管理を特徴としているのに対して、遺言書は自分の死後家族が揉めないために用意するものという特徴があります。家族信託の場合は家族が委託者の代わりに財産を管理できるようになるため、自由に設計することが可能です。

 

家族信託であれば、自身の財産を子供から孫へ継承させることもできます。一方、遺言書の場合はあらかじめ相続について記載しておくことで、相続争いを防止することが可能です。

 

しかし遺言書の場合、自身の財産を誰に相続させるのかまでしか指定することができないため、相続人である子供が相続した財産を売却することを止めることはできません。

家族信託の正しい知識を身につけて危険を回避しよう

家族信託を利用することで、家族は生活に困らないように自由な財産管理ができるようになります。しかし制度をよく理解しないまま利用すると、トラブルに発展する危険もあります。

 

ぜひ本記事で紹介した家族信託のメリットや家族信託が危険だと言われる理由、家族信託でのトラブルを回避するための対処法などを参考に、正しい知識を身につけて家族信託を活用してみてはいかがでしょうか。

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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