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成年後見人とは?法定後見と任意後見の違いや手続きの流れを詳しく説明

成年後見人とは?法定後見と任意後見の違いや手続きの流れを詳しく説明

「将来自分が認知症になった時、財産を守るためにはどうしたらいいの?」
「歳をとった親が、悪質な契約を結ばされないためにはどうしたらいいのだろう?」
将来、自分や周囲の人が適切な判断を1人でできなくなった時のことを考えると、不安になる人は多いのではないでしょうか。

 

この記事では、そのような不安を解消するための制度の1つである、成年後見人について、その概要や注意点、手続きの流れなどを説明します。

 

この記事を読むことで、成年後見人に対する理解が深まり、どのような人を選任したら良いかなどを考えることができるようになります。また、終活をする上でも必要な知識を身につけることができるでしょう。

 

成年後見人についての知識を深めたい方は、ぜひチェックしてみてください。

成年後見人とは何か

成年後見人とは、認知症や知的障害などのさまざまな理由により、財産管理や身上保護などの法律行為を1人で行うことが難しい方々を法的に保護し、支援する立場の人のことです。

 

さまざまな契約等における判断を、1人で適切に行えない方々は、それによって自分に不利益な契約を結んでしまったり、悪質商法の被害に遭ってしまったりする可能性もあります。成年後見人の制度は、そのような事態を防ぐ制度です。

 

制度を大きく分けると、「任意後見制度」と「法定後見制度」の2種類があります。

成年後見制度が開始された背景

成年後見制度は、介護保険制度とともに始まった制度です。

 

従来、日本では、判断能力が不十分な方のための制度として「禁治産・準禁治産者宣告制度」がありました。ただし、禁治産者として認められ、それが公示されることにより、社会的な差別や偏見を生んでしまうという側面があったのです。

 

成年後見制度は、自己決定の尊重を理念とした上で、全ての人々が暮らせる地域社会の実現を目指すためにスタートしました。高齢化が進む現代の日本において、重要な制度であるといえます。

成年後見人が必要とされる7つの具体例

成年後見人は、さまざまな場面で必要とされる存在です。

 

本人の利益を守る場面は多岐にわたり、成年後見人はその都度、適切な判断を行う必要があります。ここでは、成年後見人が必要とされる7つの具体例を紹介します。

1:銀行手続き

口座の解約など、銀行の手続きの際には、成年後見人が必要とされます。

 

銀行の各種手続きは、基本的に本人でなければ行うことができず、家族が代行することなどは認められていません。また、本人が同行した場合であっても、その意思が確認できない場合は手続きが行えないとされています。

2:遺産相続・分割

遺産相続や分割の手続きにも、成年後見人が必要とされます。

 

亡くなった人の銀行口座などを解約する際には、相続人全員の関与が必要となります。そのため、相続人の中に、自分1人での判断が難しい方がいる場合、成年後見人が必要です。

3:介護保険や施設への入退所手続き

施設に入る際の手続きや、介護保険の契約の際も、成人の場合には成年後見人が代理する必要があります。

 

本人に判断能力がない場合であっても、成人である場合は家族などが契約を代理することはできないため、成年後見人が必要とされます。介護サービスを利用するために、保険を契約したい場合なども同様です。

4:医師の説明に同席

成年後見人には、医療行為が行われる際、医師の説明に同席することで、本人の判断をサポートする役割も求められます。

 

医療行為を行う際の意思決定や同意については、社会通念や各種ガイドラインに基づき、個別に判断されるのが一般的であるため、一概に成年後見人の業務に含まれているとはいえません。

 

ただし、本人に判断能力が残っている場合などにおいては、医師からの説明に同席するなどして、その判断をサポートするなどの役割が求められるでしょう。

5:支払い管理

生活していく上で発生する、さまざまな支払いの管理の面でも、成年後見人が必要とされます。

 

公共料金や税金、保険料、医療費など、生活していく上ではさまざまな支払いが必要となります。それらが滞ることのないよう、成年後見人が管理することが求められます。

6:詐欺被害の予防

成年後見人は、詐欺被害の予防という面でも重要な役割を果たします。

 

判断能力のない人に対し、悪質な契約を持ちかけるなどの詐欺被害が発生しているのが現状です。成年後見人制度を利用することで、悪質な契約を結べないようにしたり、後で取り消したり、返金を求めたりすることができるようになり、詐欺被害の予防に役立ちます。

7:家族・親族による財産の使い込み

家族や親族による財産の使い込みを防止するために、成年後見人制度を利用するということもできます。

 

成年後見人を指名することで、財産の管理を行うことができるようになるため、家族や親族などの身近な人による財産の使い込みを防ぐことができるようになります。

成年後見人制度の6つの注意点

成年後見人制度には、いくつかの注意点があります。

 

成年後見人を選任するまでの手間に加え、実際に成年後見人に選ばれてからの手間や、与えられている権限の限界など、さまざまな点に注意が必要です。それぞれの注意点について説明します。

1:誰が後見人になるかは裁判所が指名する

成年後見人は、家庭裁判所が指名することによって決定します。

 

成年後見人には、本人の親族や弁護士、司法書士などの専門家がなることが多いです。誰になるかは、家庭裁判所が職権で判断します。そのため、必ずしも申立人が希望した人が選ばれるとは限りません。

2:選任されるまで時間がかかりやすい

成年後見人として選任されるまでには、ある程度の時間がかかります。

 

申立てから手続きが完了するまでには、複数の手続きをする必要があります。そのため、一定の時間がかかることに注意しましょう。

 

なお、具体的な手続き内容については、後述の「成年後見人の手続の流れ」で詳しく説明します。

3:第三者の後見人には報酬の支払いがある

第三者の後見人には、本人の財産の中から報酬が支払われます。

 

報酬の金額は、後見人として働いた期間や本人の財産、行った手続きの内容などを考慮し、家庭裁判所が決定します。

4:本人が亡くなるか回復するまで後見人の仕事が続く

成年後見人としての仕事は、本人が亡くなるか回復するまで続きます。

 

成年後見人の仕事は、何らかの手続きが完了したら終わるというわけではなく、本人が死亡するか、本人の判断能力が回復するまで継続します。その間、本人の財産を保護するために必要な行為を行うだけではなく、家庭裁判所への定期的な報告なども行わなければなりません。

5:定期的な裁判所への報告が負担になりやすい

成年後見人は、定期的に裁判所へ報告することが求められます。

 

一定期間ごとに、報告書・財産目録等を裁判所に提出する必要があります。また、保険金など多額の金銭を受領した時や、高額商品(1件50万円以上の商品やサービス)を購入する時などにも、裁判所への報告が必要です。

 

出典:別冊 成年後見人Q&A|裁判所
参照:https://www.courts.go.jp/maebashi/vc-files/maebashi/file/02koukenQA.pdf

6:後見人であっても許可されている行為に制限がある

成年後見人であっても、本人に対する全ての行為が許可されているわけではありません。

 

成年後見人が行える行為は、預貯金等や不動産のなどの財産管理、確定申告や生活保護などの申請行為、各種契約やその更新手続きなどです。医療行為の同意や、養子縁組、結婚・離婚、実際の介護などは、成年後見人は行うことができません。

成年後見人の種類

成年後見人には、法定後見人と任意後見人の2種類があります。

 

それぞれの違いは、後見人を指名するタイミングです。すでに本人が判断することが難しい状況になってから選任される法廷後見人に対し、あらかじめ本人が指名しておくのが任意後見人です。ここでは、それぞれの特徴について説明します。

法定後見人

法定後見人は、すでに本人1人での判断が難しい場合に、家庭裁判所によって選ばれた後見人のことです。

 

本人の障害や認知症の程度に応じて、「補助」「保佐」「後見」の3つの種類(類型)に分けられます。それぞれの種類によって、法定後見人が代理できる行為が定められています。

 

いずれの場合も、法定後見人は、本人の利益を考えた上で、代理人として契約などの法律行為をしたり、本人が同意を得ないで行った法律行為を後から取り消したりすることによって、本人を保護・支援するのがその役割です。

任意後見人

任意後見人は、本人がさまざまな判断を1人で行えるうちに、将来認知症や障害者となった場合に備えて、あらかじめ契約で決めておく後見人のことです。

 

任意後見契約は、公証人が作成する公正証書によって結ぶものとされており、実際に1人での判断が難しくなってきた際には、家庭裁判所で正式に選任されます。

成年後見人の手続きの流れ

成年後見人の手続きは、家庭裁判所に申立することによって行います。

 

必要な各種書類を揃えて提出し、合わせて手数料を収入印紙で納めます。場合によっては、本人の判断能力を調査するため、医学的な鑑定などが必要です。

 

ここでは、法定後見の場合と任意後見の場合に分けて説明します。

法定後見の場合

法定後見の場合の手続きは、「申立て」「調査等」「審判」「報告」というプロセスです。

 

まずは、家庭裁判所に申立てをします。その際には、申立書などの書類や手数料を用意する必要があります。日時について、電話で予約をする必要がある場合には、事前に確認しておきましょう。

 

申立手数料として800円、登記手数料として2,600円を収入印紙で用意する必要があります。そのほかに、連絡用の郵便切手代や、後述する鑑定料などが必要となる場合もあるでしょう。

 

申立て後、裁判所からの調査等を受けます。その際に本人の不安の程度を医学的に確認するために、医師による鑑定が必要となる場合もあります。その際には別途鑑定料が必要となりますが、ほとんどの場合は10万円以下です。

 

調査が終わると、家庭裁判所により後見等の開始の審判がなされ、成年後見人が選任されます。

 

選任後は報告が必要です。本人の財産や生活の状況を確認し、原則として1か月以内に、財産目録と収支予定表を作成し、家庭裁判所に提出します。その後も、少なくとも年に1回、定期的に報告を行う必要があるため注意しましょう。

 

出典:法定後見開始の審判の申立てに必要な費用について|厚生労働省
参照:https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/legal_guardianship/

任意後見の場合

任意後見の場合の手続きは、家庭裁判所に申立てをすることによって完了します。

 

申立てができるのは、本人または配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者のいずれかとなります。申立て先は、本人の住所地を管轄している家庭裁判所です。

 

申立ての際には、申立書などの書類のほか、手数料(収入印紙800円分)、登記手数料(収入印紙1,400円分)、連絡用の郵便切手を用意する必要があります。そのほか、本人の精神状態について鑑定が必要な場合は、その鑑定料が必要となる場合もあります。

 

出典:任意後見契約公正証書の作成に必要な費用について|厚生労働省
参照:https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/optional_guardianship/

成年後見人として不向きな人の例

民法の第八百四十七条には「後見人の欠格事由」という項目があり、成年後見人になることができない事由が定められています。

 

これらに該当する人は、成年後見人としての業務を適切に遂行することができないと考えられるため、成年後見人として選任するのは難しいと考えられるでしょう。ここでは、1つ1つの事由を説明します。

 

出典:民法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

未成年者

さまざまな面で未熟な未成年者は、成年後見人となるのは相応しくないとされています。

 

未成年者は、まだ社会経験も不足しており、判断能力などが未熟であると考えられるでしょう。そのため、財産管理等を行う後見人としては適切でないとされています。

 

出典:民法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

家庭裁判所で免ぜられた法定代理人・保佐人・補助人

過去に法廷後見人になっており、それを解任された経歴がある人は、成年後見人として選任するには相応しくありません。

 

不正行為や不行跡により、成年後見人を解任された人は、再び同じようなことを繰り返す可能性もあります。そのため、再び法廷後見人として指名するのは相応しくないと考えられるでしょう。

 

出典:民法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

破産者

破産者は、成年後見人として指名するのには相応しくありません。

 

破産者は、自己の財産管理権を喪失した人です。そのため、他人の財産管理等を後見人として適切に行うことは難しいと考えられるためです。

 

出典:民法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

被後見人に対して訴訟をした人とその配偶者・血族

本人に対し、訴訟をしたことのある配偶者や血族は、その関係性を鑑みると、成年後見人となるには相応しくないとされます。

 

訴訟をしたことがあるということは、本人に対して何らかの対立関係にあると考えられます。そのような関係性の人物は、本人の利益を適切に保護できるとは考えにくいでしょう。

 

出典:民法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

行方がわからない人

行方がわからない人は、成年後見人としての行為を遂行することが不可能であるため、選任することはできません。

 

連絡が取れない、所在がわからないなど、行方不明者と認定される人は、本人が希望した場合であっても、成年後見人となることは難しいといえるでしょう。

 

出典:民法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

成年後見人とは何か理解を深めよう

自分や自分の大切な人の利益を守るためには、成年後見人制度に対する理解を深めることが大切です。

 

成年後見人とは、認知症や障害を持っているなどの理由により、自分1人では適切な判断ができなくなった人の利益を守るために重要な手段の1つです。その仕組みをよく理解しておくことで、自分の終活にも役立てることができるでしょう。

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永代供養ナビ編集長

株式会社霊園・墓石のヤシロ 営業本部長藤橋 靖雄

【経歴・プロフィール】

1998年入社。お墓販売、商品企画を経て、多様化する供養の形に応えるサービス・霊園プロデュースだけでなく、営業企画、WEBマーケティングなど幅広い埋葬、葬送事業を担当。
また、墓じまいや終活に関する各地域の終活イベント・セミナーにも講師として登壇し、終活のお悩みごとを解決するトータルアドバイザーとしても活躍。

【掲載メディア・登壇イベント】

株式会社エイチームライフデザイン運営

【保有資格】

終活カウンセラー 2級

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