【相続問題】後妻の連れ子は相続できるの?連れ子が相続できる2つの方法|永代供養ナビ
「再婚相手の連れ子なのですが、相続はできますか?」との相談は多いです。
確かに血が繋がっていない連れ子は、対策を取らないと相続権はありません。
けれども被相続人(故人)が生前から連れ子を案じ、相続対策を講じていたならば、実子と同等の相続権を得られるでしょう。
今回は、連れ子が相続する6つの方法や注意点についてお伝えします。
連れ子が相続できない関係性
連れ子と実子による相続トラブルは多くありますが、基本として養子縁組をしているなど、特別な対策を取っていない限り、被相続人(故人)の連れ子に相続権はありません。
ただ連れ子の立場で相続を案じているのであれば、まずは他の相続人の調査をしてみましょう。
遺産分割には相続人それぞれに「遺留分」と呼ばれる、相続人それぞれが最低限の相続を主張できる遺産分がありますが、これはあくまでも遺産分割のガイドラインとも言えます。
例え遺留分を侵害し、遺産分割割合に添っていなくても、相続人全員が納得して、署名・捺印をしたのであれば、遺産分割は完了するためです。
連れ子に財産を引き継がせるには?6つの方法
このように本来連れ子に相続権がないため、被相続人が連れ子に相応の遺産を相続させたいのであれば、生前に対策を取る必要があります。
主には下記5つの対策を検討する人が多いでしょう。
(1)養子縁組
(2)遺贈
(3)生前贈与
(4)生命保険
また、被相続人が生前に特別な対策を取らなくても、連れ子が遺産の一部を相続するケースがあります。
(5)特別寄与分
(6)数次相続(二次相続)
被相続人に再婚歴があった場合、しばしば後妻とその子ども達で遺産分割協議を済ませていたり、前妻の子どもへ(もしくは後妻の子どもへ)相続放棄を迫るなどのトラブル事例がありますが、これは無効です。
法定相続人には遺留分があり、これを主張できますので、それぞれが納得して署名・捺印して遺産分割協議が完了します。
法定相続人は遺留分を侵害された時、遺言書による分割であっても、遺留分を主張できます。
(1)養子縁組
被相続人が連れ子に遺産を相続させたい時、最も完結なやり方のひとつとして、連れ子を養子縁組に迎え入れる対策があるでしょう。
●「養子縁組」とは、血縁関係がない子どもと法律的に養子縁組の誓約書を書くことで、養父、養母という形で戸籍上に名前が記載されることです。
血縁関係のない連れ子には本来、相続権はありませんが、養子縁組により法的に被相続人の子どもになっていた場合、実子と同等の相続権と遺留分を得られます。
・配偶者…遺産の1/2[4千万円]
・実子…遺産の1/4[2千万円]
・連れ子(養子縁組)…遺産の1/4[2千万円]
つまり、養子縁組をする限りは相続において、実子と変わらない権利を与えられると言うことです。
・養子縁組により連れ子が義父の遺産を相続した場合でも、連れ子は実父の遺産も受け取ることができます。
(2)遺贈
何らかの事情で養子縁組ができない場合、遺言書を通して、連れ子に遺産を相続させるよう、指定ができます。
このように遺言書によって相続権のない者に遺産の相続を指定する行為を、「遺贈(いぞう)」です。
●例えば、遺言書を作成する時に「〇〇の財産は〇〇に遺贈させる」と一筆を記録することで、連れ子に財産や遺産を引き継がせることができます。
ただし連れ子が遺贈により相続財産を受け取るには、他の法定相続人が持つ遺留分には配慮しなければなりません。
他の法定相続人の遺留分を侵害した場合、遺言書であっても主張することが可能です。
また法定相続人として遺産を受け取る訳ではない遺贈は、いくつかのデメリットがあります。
・信頼のある公正証書遺言で遺贈する
・相続人ではないので、相続税の基礎控除に入らない
・相続人ではないので、相続税が2割増しになる
(3)生前贈与
生前贈与により連れ子に遺産を残す人もいますが、生前贈与は連れ子は相続人ではなく、「受贈者」として財産を受け取る立場です。
●「生前贈与」は生きている内に、遺産を誰かに譲る贈与契約による財産の移譲となり、税金も相続税ではなく贈与税が適用されます。
贈与税と相続税、どちらがよりお得かについては、生前贈与の目的や贈与額によっても変化するでしょう。
贈与税もそれなりに掛かるので、具体的な数字を出して比較検討をしてください。
(4)生命保険
連れ子に遺産を残したい時、生命保険の受取人に指定することで、相応の金額を連れ子に受け取ってもらうことができます。
●遺産として連れ子に残したい相当額を掛けて、死亡保険の受取人に連れ子を指定する方法ですが、生命保険を選ぶメリットは、相続税が掛からない点です。
生命保険の受け取りでは、受け取った財産は受取人のものなので、相続の必要がありません。
必然的に相続税が掛からない訳です。
生前贈与では相続税が掛かりますし、遺贈では法定相続人ではない連れ子の場合、相続税も2割増しになります。
さらに相続のシーンにおいて、遺留分まで配慮しなければなりません。
一方生命保険は、あくまでも受取人ですので、相続税の割り増しや贈与税、遺留分への配慮が必要なくなります。
(5)特別寄与分
連れ子の相続に限ったことではありませんが、被相続人の介護を連れ子が行っていた場合、「特別寄与分」として相当の金額を、相続人から分割してもらうことがあるでしょう。
●ただしこの場合、介護の実態や日数を証明できるものを用意し、相続人全員に納得してもらわなければなりません。
特別寄与分は日数で計算しますので、介護の証明も兼ねて、介護日誌などを付けておくと、特別寄与分の主張をする際に、有効に働くでしょう。
(6)数次相続(二次相続)
何も対策を取っていないまま、連れ子の義父である被相続人が亡くなった場合、この時点では連れ子に相続権はありません。
●けれども義父が亡くなり、配偶者と前妻の子ども達で遺産部活協議を行っている最中、完了しないうちに配偶者(連れ子にとって実母)が亡くなった時には、連れ子に相続権が渡ります。
…これが「数次相続」です。
例えば8千万円の遺産を残して義父が亡くなった場合、配偶者(連れ子の実母)は1/2の4千万円、被相続人の実子(前妻の子)が4千万をそれぞれ相続します。(実子1人の場合)
けれども遺産分割協議が終わらない内に、配偶者(連れ子の実母)が亡くなった場合、配偶者が相続するはずだった4千万円は、そのまま実親の相続として、連れ子が引き継ぐためです。
最後に
このように本来血が繋がっていない連れ子は、被相続人の遺産を相続する権利はありません。
けれども被相続人が生前に、連れ子に遺産を相続させたい場合には、養子縁組などいくつかの対策があります。
けれども相続トラブルで多いものが被相続人に再婚歴があるケースです。
自分亡き後に、両者の調整やけん制はできませんので、遺言書であれば最も確実な公正証書遺言に、契約書が必要ならば契約書を正確な契約書を作成するなど、法律により守られる信頼できる書類を揃えておくことが、円滑な相続のポイントになるでしょう。
まとめ
連れ子が遺産を相続する6つの方法とは
・養子縁組
・遺贈(相続税が2割増し)
・生前贈与(贈与税が掛かる)
・生命保険(相続税は掛からない)
・特別寄与分(介護の実態と日数を証明)
・数次相続
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