永代供養の骨壷はどこに納める？遺骨の納め方の地域による違いも紹介！

都市や公園型に多い個別タイプの樹木葬で骨壷を安置する場所は、シンボルツリー近くの決められた区画や納骨堂です。可愛がっていたペットと一緒に利用できるタイプなどもあります。

安置するご遺骨を入れる骨壷が、通常とは違う素材で作られていることもあるでしょう。木や紙のほか、日数の経過に伴い微生物により分解が進むバイオマス原料や生分解性プラスチックなどが使われている場合があります。

永代供養で通常のお墓と同様に故人だけをお参りできるのが個別墓です。個別墓は、用意したお墓の下にあるカロートと呼ばれる納骨室へ骨壷を安置します。

個別墓でも、安置場所がお墓の下にあるとは限りません。納骨堂や納骨壇などのスペースへ個別納骨する場合もあります。

通常、永代供養の個人墓は使用期間が決められており、最初に納骨したお墓をそのまま使用し続けることはできません。

都市部に近い場所での樹木葬は骨壷を使用する場合がありますが、山林を墓地とする里山タイプの樹木葬では、遺骨のみを取り出し区画内へ埋葬するケースが多いでしょう。墓標代わりに植樹した木を、埋葬場所の目印とします。

里山タイプの樹木葬や、遺骨を粉末状になるまで細かくして海に撒く海洋散骨は、自然へと還る自然葬です。遺族がお参りする場所への行きづらさや、お骨が近くにない寂しさを感じる場合があるでしょう。

共に供養するすべてのご遺骨を一ヶ所に集めて安置するのが、合祀墓です。永代供養の合祀墓には、納骨堂などの施設内にある屋内タイプ、慰霊のモニュメント下に納骨スペースが設置されている屋外タイプがあります。

何らかの理由により個人のお墓を持てない、持ちたくない方がお墓を選ぶ際、選択肢の一つとなりやすいでしょう。複数人で共有するため、お墓にかける費用を抑えられるメリットがあります。

納骨堂はもともと遺骨を安置するために作られたものでしたが、永代供養の需要が高まったことから、本来とは異なる施設へと様変わりしています。室内にある納骨堂は、雨にさらされる心配がなく、少々の雨なら気にせず足を運べ便利でしょう。

納骨堂での骨壷の安置方法は、仏壇と一体になっている仏壇式、箱型のスペースを使用するロッカー式、機械により故人の遺骨が運ばれてくる自動搬送式のいずれを選ぶかで違ってきます。

霊廟とも呼ばれる仏壇タイプの納骨堂は、上壇と下壇の二段に分かれており、上部が仏壇になっています。骨壷を安置するのは、下壇部分に設けられたスペースです。

区画が分かれていて、お墓と同じように生前好んだ食べ物やお花を供えられるため、故人との距離を近く感じられるでしょう。

霊園やお寺によって、デザインや大きさはバラエティに富んでいます。手の込んだデザインが施された大型のものを選ぶほど、費用がかかるでしょう。

ロッカータイプは、扉を開けて骨壷を納め安置します。個別のスペースを確保できるため、故人の思い出の品などを一緒に入れることが可能です。供養を念頭に置き、工夫を凝らしたものも増えていますが、ロッカー風の見た目に抵抗を感じる方もいるでしょう。

スペースが小さい分、区画当たりの費用はほかのタイプより安価な傾向です。ロッカーの高さによって納骨後のお参りや管理のしやすさに差が出るため、位置の選び方もポイントになります。

自動搬送タイプの納骨堂は、専用のカードを使い指定された参拝室へ向かうと、自動で遺骨が搬送されてくる仕組みです。

遺骨は、厨子と呼ばれる仏具に納められ安置されています。厨子が保管されている場所は、裏側にある収骨棚です。参拝者が来ると、遺骨がクレーンにより運ばれ、名前が刻まれたプレートの後ろにセットされます。

納骨堂によっては、タッチパネルの操作により故人の写真をディスプレイに映し出すことも可能です。

故人の体格によっては、納骨する地域で主に使われているサイズの骨壷に納まりきらない場合があります。背の高い方は、生前の身長に合わせて骨壷を選ぶのも一つの方法です。

骨壷の大きさは、収骨量に見合うものを選びます。主要な骨のみを収骨して骨壷に入れ、残骨を火葬場の永代供養等に納める地域もあるため、全部納めるかどうかを事前にチェックしておくといいでしょう。

関東地区で主に使われる骨壷のサイズは、関西地区より大きい7寸です。関東では骨上げの際、すべての遺骨を骨壷へ移します。収骨量が多くなる体格のいい人は、ワンサイズ大きい8寸の骨壷を準備する場合もあるでしょう。

自動搬送タイプの納骨堂に使用される厨子も、関東では大きいサイズを納められるよう作られています。全地域、施設で大きいサイズが使われているとは限らないため、確認を怠らないようにしましょう。

関西で選ばれる骨壷の主なサイズは6寸で、関東よりも小ぶりです。関西では通常、関東のように遺骨全部を骨壷へ入れず、主要な骨だけを納めます。収骨量がさほど多くならないため、小さめの骨壷を使用しても納まりきるのです。

関東から関西の永代供養墓へ移す場合、骨壷が大きすぎてそのまま納められないことがあります。残ったご遺骨の散骨や一部粉骨など、方法を考える必要が出てくる可能性もあるでしょう。

永代供養の骨壷は、装飾が少なく比較的シンプルなものを選ぶといいでしょう。デザイン性の高い凝った装飾の骨壷は、納骨堂やお墓の納骨スペースに入らない場合があります。

既定のサイズを選んだつもりでも、一部の装飾によりサイズオーバーとなる可能性もあるでしょう。一般的なシンプルな骨壷とは違った個性的なものを希望する場合は、お墓への納骨が可能か確かめてみてください。

永代供養の個人墓や納骨堂は、個別安置期間が設定されている場合が多いでしょう。個別安置期間は納骨する施設により決められており、最初に契約を交わします。

期間が過ぎた後に遺骨を移動させる場所は、個々のスペースがない合祀墓です。合祀墓に大勢の方々と一緒に納められ供養されます。移し終わった時点で、それまで遺骨を納めてきた骨壷の役目は終わりです。

個々の骨壷の中から取り出した遺骨を、ほかの人と一緒に埋葬するのが合祀です。合祀では、遺骨をそのままの状態もしくは布製の袋に入れて納め土に還します。よって、合祀墓に遺骨を納める際は、骨壷を使用しません。なお、火葬後のお骨上げに使用した骨壷は処分されます。

途中で個人の遺骨を取り出して分骨や場所移動をすることはできないため、合祀墓を希望する場合は注意が必要です。

使用しなくなった骨壷が手元にある場合は、処分を受け付けている業者に依頼してみましょう。処分にかかる料金は業者ごとに違います。

骨壷は、居住地の自治体のルールに従いゴミとしても処分可能です。しかし、ゴミステーションにそのままの形で捨てられている骨壷を目にするのは、気持ちのいいものではないと言えます。細かく砕くなど骨壷であるとわからないようにし、安全面に配慮して処分しましょう。