
生前墓を購入するメリット・デメリットとは?タイプ別の墓石の費用相場も紹介

「生前墓にはどんなメリット・デメリットがあるの?」
「自分に合った生前墓の種類と費用が知りたい」
「生前墓を購入する場合の手続きはどうすればいいんだろう」
終活の一環として生前墓の購入を検討している方の中には、このような疑問を抱いている方も少なくありません。
本記事では、生前墓を購入するメリット・デメリットに加え、生前墓のタイプや費用相場、さらに生前墓を建てるまでの流れについて解説しています。
この記事を読むことで、生前墓のメリット・デメリット、そして、生前墓にはどのようなタイプがあるのかや、その特徴と費用相場について知ることができます。その知識をもとに、自分が納得できる生前墓を選び、生前墓を建てるための手続きがスムーズにできるでしょう。
終活している方や、生前墓の購入に興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
生前墓ってどんなもの?
生前墓とは、その名前の通り生きているうちに建てるお墓のことで、寿陵(じゅりょう)とも呼ばれています。
生きているうちにお墓を建てるのは早死にするから縁起が悪いと敬遠する方もいますが、中国では子孫繫栄や長寿を招く縁起が良いものとされています。
最近は、自分が死んだ後、家族に金銭的な負担をかけたくないという理由から、終活の一環として生前墓の購入を検討する方も少なくありません。
生前墓を購入するメリット
お墓というものは、先祖代々受け継いだものや自分の死後に家族や親族が購入するのが一般的とされていますが、近年の終活ブームから生前墓の購入を検討する方が増えています。
自分や家族が納得できるお墓選びのためには、生前墓を購入するメリット・デメリットを知っておくことが大切です。
ここでは、生前墓を購入するメリットを紹介します。
自分に合った墓石・霊園を選べる
生前に、自分の希望するデザインやお墓の場所などのこだわりを家族に伝えていたとしても、自分の思い通りのお墓になるとは限りません。また、どのようなお墓になったのか、自分の目で確かめることもできません。
一方、生前墓の場合、自分の予算に合わせて希望に合ったお墓を選べるのがメリットです。自分の好きなデザインのお墓を建てたり、自宅から近いなど好きな場所の霊園に申し込んだりすることも可能です。
遺族などへの負担を軽減できる
自分の死後、遺族は法要の準備や遺品整理、相続問題などやることが盛りだくさんです。そのような状況の中で、霊園を決めてお墓を建てるということは、遺族にとって金銭的にも時間的にも負担がかかってしまうことも少なくありません。
自分が生きているうちにお墓を建てておくということは、遺族などへかかるさまざまな負担を軽減することにもつながります。
相続税を抑えられる
亡くなった人から一定額以上の財産を相続する場合、相続税を支払わなくてはなりません。
相続税は、現金だけでなく不動産など経済的価値がある財産が課税対象ですが、お墓は祭祀財産とされるため課税対象から外れています。
自分の死後にお墓を建てるお金を遺族に渡す予定ならば、生前にお墓を建てた方が相続税の課税対象が減るということです。自分の財産が課税対象になる場合は、生前墓を購入することで節税対策になるでしょう。
老後に使うお金の見当がつきやすくなる
葬儀やお墓の購入には、ある程度まとまったお金が必要です。
どのくらいのお金が必要なのかあらかじめ把握しておくと、生活費や遊行費など老後に使うお金の見当がつきやすくなります。
人生設計を見直し、将来かかるお金を具体的にイメージすることで、安心してシニアライフを過ごすことができるでしょう。
生前墓を購入するデメリット
生前墓の購入を検討している場合、メリットだけでなくデメリットも理解した上で考えることが大切です。
生前墓の購入にも、いくつか注意しておきたいデメリットがあります。
以下では、生前墓を購入するデメリットについて解説しているため、参考にしてください。
地域によって購入できない場合がある
地域によっては、生前墓の購入ができない場合があるため注意が必要です。
特に、公営霊園は人気が高く、抽選制のところや区画が全て埋まっているところも少なくありません。多くの公営霊園では、遺骨の埋葬場所に困っている方の利用が最優先とされていて、いつ納骨できるのかわからない生前墓は認められていないところも多いです。
また、民間霊園でも規定により生前墓の購入ができない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
墓石のタイプによっては個別のお参りができない
例えば、永代供養など個別のお参りができない場合があります。
永代供養は、親族に代わって霊園や寺院が遺骨を供養・管理してくれるお墓のことで、他の人の遺骨と一緒に埋葬される合祀タイプが一般的です。
その他にも、お参りの仕方にさまざまな制限を設けている霊園もあるため、見学の際など事前に確認しておくと良いでしょう。
場合によって遺族などの負担になる場合がある
お墓の管理料が必要な生前墓を購入すると、遺族が毎年管理料を支払わなくてはいけません。その他にも、掃除などお墓の維持にかかる費用が発生した場合は遺族が負担することになります。
また、金銭的な問題などさまざまな理由から、遺骨を別の場所に移す改葬が必要なこともあります。
場合によっては、金銭的にも時間的にも遺族の負担になることがあるため、生前墓を購入する前によく話し合うようにしましょう。
【タイプ別】生前墓の費用相場
生前墓の購入の話を進めていく前に、どのくらい費用がかかるのか知っておきたいという方は多いでしょう。生前墓の費用は、種類によって大きく異なります。
以下では、生前墓の種類別に費用相場を解説していきます。
樹木葬
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木をシンボルにしたお墓のことで、70万円程度が費用相場です。
遺骨の埋葬スペースが小さいことや、墓石を建てる必要がないことから、一般的なお墓と比較すると費用を安く抑えられる傾向にあります。初めから合祀されるタイプや、個別で埋葬された後に合祀されるタイプなど埋葬方法もさまざまです。
また、ほとんどの樹木葬は埋葬した後の管理・供養は霊園がしてくれるため、お墓の継承者がいない方には特にメリットがあります。
永代供養墓
永代供養墓とは、家族や親族に代わって寺院や霊園が遺骨を管理・供養してくれる埋葬方法のことです。子孫がお墓を継承する必要がないため、お墓の継承者がいない場合や、子供世代に負担をかけたくないという方に多く利用されています。
永代供養墓は、墓石の費用がかからないことから一般的なお墓と比べると安い価格帯で利用できますが、合祀タイプや個別タイプなど遺骨の埋葬方法によって10万円~100万円程度と費用相場が大きく異なります。
継承墓
継承墓は、子孫が代々継承していく従来の一般的なお墓のことで、費用相場は100万円~200万円程度です。寺院や霊園から墓地を永代に渡って使用する権利を購入し、亡くなった方の名前を刻んだ墓石を建て、家族や親族が維持・管理していきます。
多くの方がイメージする馴染み深いお墓のため、家族や親族の同意が得られやすいといえるでしょう。また、お盆やお彼岸などに掃除や管理もかねて親族が墓参りするなど、手厚く供養できるのも継承墓の特徴です。
納骨堂
納骨堂とは、故人や家族などの単位ごとに遺骨を埋葬するスペースのことで、10万円~100万円程度が費用相場です。1つの建物の中にたくさんの遺骨を納骨するため、一般墓は一戸建て、納骨堂は集合住宅と例えられることもあります。
納骨堂は交通アクセスが良い都心部にあることも多く、天候に左右されずお参りしやすいのも特徴です。納骨堂では、利用申し込みの際に契約期間を決め、契約期間が過ぎた後に遺骨を取り出し合祀するケースが一般的です。
生前墓選定から納骨までの流れ
生前墓を建てるためには、どのような手順を踏んで準備をすればいいかわからないという方も多いでしょう。
以下では、生前墓の選定からお墓の建立、納骨まで一連の流れを解説していきます。
生前墓の資料取り寄せ
まず自分が希望する条件に合った墓地の情報を調べましょう。気になる墓地があれば、WEBサイトの資料請求フォームからパンフレットを取り寄せます。この際、墓地だけでなく、お墓の建立を依頼する石材店も選んでおくことが大事です。
墓地を実際の目で確かめる
実際に現地に出向いて、墓地を見学しましょう。
家族がアクセスしやすい立地にあるか、日当たりが良い場所にあるか、施設はきれいに整備されているか、どのようなお墓が建っているかなどが見学する際に押さえておきたいチェックポイントです。
管理費などの費用面も含め、わからない点や疑問点はそのつど担当者にしっかり確認するようにします。何か所か見学して比較してみることで、自分がより納得できるお墓選びができるでしょう。
デザイン打ち合わせ・発注する
お墓を建てる場所が決まったら、石材店に連絡し、墓地の測量や環境を確認してもらいます。そして、自分の希望を伝えた上で、お墓のデザインや墓石の種類、彫刻する文字など細かい部分まで石材店と相談しながら決めていきます。
CGによる完成予想図や見積書を出してもらい、特に問題がなければ石材店と契約しましょう。契約が済んだ後は、いよいよお墓を建てるための工事がスタートします。
納骨する
お墓が完成したら開眼供養をするのが一般的です。開眼供養とは、僧侶に読経してもらい、お墓に魂を宿して供養の対象にする儀式のことですが、生前墓は納骨がされていないため、すぐに開眼供養をしないこともあります。
お墓の完成時に開眼供養をしない場合は、自分の死後納骨する際に開眼供養をしなくてはなりません。そのため自分の死後、スムーズに納骨するために、お墓が完成した時点で開眼供養をした方が良いでしょう。
生前墓を購入する際に注意すべきこととは?
生前墓を購入する際は、家族や親族など周囲の理解を得ることが重要です。
自分が入るためのお墓といっても、自分の死後お墓を管理・維持してくれるのは家族や親族です。また、いずれはそうした人たちも同じお墓に入ることもあるため、自分だけの意見で話を進めてしまうと、家族や親族とトラブルになりかねません。
1人1人の意向を聞きながら、みんなが納得できるお墓を建てるようにしましょう。
終活で生前墓の購入も視野に入れよう
生前墓は縁起が悪いという意見もありますが、自分が元気なうちに納得のいく条件でお墓を選ぶことで、家族の負担を軽減できるというメリットがあります。
また、生前墓を検討することは、自分の死について家族と話し合うきっかけにもなります。
生前墓を選ぶ際は、費用や遺骨の埋葬方法など、自分の意見だけでなく家族の要望にも耳を傾け、よく相談してから決めるようにしましょう。
生前墓の購入を考えている方は、紹介した内容をぜひ参考にしてください。
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