樹木葬とはどんな特徴があるの?メリットや気を付けることを解説
「樹木葬って何?」
「自分に合う埋葬方法を探している!」
「お墓の管理で親族に迷惑をかけたくない!」
終活について考えていると、このような考えや疑問を抱く方もいるでしょう。
本記事では近年注目されている樹木葬の特徴や埋葬方法について解説します。主流となっている樹木葬の種類や、シンボルツリーに使われる樹木についても紹介しているため、樹木葬について知りたい方にとって役立つ内容となるでしょう。
この記事を読むことで樹木葬にするメリットや気を付けたい点について知ることができます。樹木葬の特徴について知らない方でも、内容をイメージしやすくなるでしょう。
樹木葬とは?

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とし、その周囲に遺骨を埋葬する方法です。後の世代にお墓の負担を残したくない方や、死後は自然に還りたいと考える方から、近年注目されている埋葬方法のひとつです。
日本で初めて樹木葬が行われたのは、岩手県の寺院とされています。里山の再生を目的として、遺骨の周囲に樹木を植えたことが始まりです。現在では、樹木や草花を目印として、その場所で手を合わせて故人を偲ぶ供養のかたちとして広がっています。
樹木葬の特徴とは?

樹木葬は名前のとおり、樹木や草花をシンボルツリーとするお墓ですが、それ以外にも従来の墓石とは異なる特徴があります。
まずは、樹木葬の特徴を3つ紹介していきます。樹木葬にするか検討中の方は、まずその特徴をしっかり確認しておきましょう。
一般墓より費用を抑えやすい
一般墓では、墓石の建立費用に加え、墓所の使用料がかかるため、全体の費用が高くなる傾向があります。
一方、樹木葬は墓石を建てない形式が多く、区画も比較的コンパクトなため、一般墓より費用を抑えやすい傾向があります。
ただし、立地や埋葬人数、石板のデザイン、管理費やオプションの有無によって費用は大きく変わるため、樹木葬であっても高額になる場合があります。
契約前には、初期費用だけでなく、その後にかかる費用も含めて確認しておくことが大切です。
墓石の代わりに樹木や草花を墓標とする
樹木葬とは、従来の墓石の代わりに樹木や草花を墓標とするお墓のことです。
自然に囲まれた穏やかな場所で眠りたいと考える方に選ばれており、花が咲いたり緑が広がったりすることで、明るくやわらかな印象を持たれやすい点が特徴です。
樹木や草花の成長を感じられることから、故人を身近に感じながら手を合わせられる供養の形としても注目されています。
永代供養である
多くの樹木葬は、霊園や寺院が管理や供養を担う永代供養として提供されています。
そのため、一般的な墓石のお墓のように、子どもや孫が代々引き継いで管理することを前提としていない場合が多く見られます。
個人や夫婦、家族単位で利用できるプランも多く、後の世代にお墓の承継や管理の負担を残しにくい点は、樹木葬の特徴のひとつです。
樹木葬の種類

樹木葬の種類はさまざまありますが、ここでは大きく分けて3つのタイプを紹介します。
自然豊かで落ち着いた環境にあるタイプや、交通アクセスが良くガーデニングのような雰囲気を持つタイプなど、それぞれに特徴があるため、希望に合ったタイプの樹木葬を見つけるのがよいでしょう。
里山型
里山型の樹木葬では、墓地としての認定を受けた山林に埋葬を行います。
豊かな自然と静かな環境で自然葬に近い形の埋葬が行えるとあって、自然回帰を求める人たちに人気のタイプです。
里山型の樹木葬を行うためには、広大な敷地が必要となります。よって、郊外に埋葬されることが多く、お参りに行く人にはある程度の負担がかかることになるでしょう。
また、火気厳禁の場合が多く、線香を供えてのお参りは難しいと言われています。
公園型
公園型の樹木葬は、霊園や墓地の中につくられた、樹木の周囲に埋葬するタイプです。一般的に、里山型よりアクセスしやすい場所にあることが特徴と言えるでしょう。
トイレや休憩所などが整備されていることが多く、お参りしやすいことがメリットですが、土に還りたいと希望している人にとってはイメージと異なる場合があるため、埋葬方法をしっかりと確認しましょう。
庭園(ガーデニング)型
庭園型の樹木葬には、洋風庭園のような明るい雰囲気のものや、日本庭園のような落ち着いた雰囲気のものなど、さまざまなタイプがあります。樹木ではなく草花を植えて庭園のようにし、その下に埋葬するのが一般的です。
庭園型は霊園や墓地の中に見られるタイプの樹木葬のため、アクセスが良くお墓参りしやすいといったメリットがあります。また、線香をあげる場所が指定されていることが多く、従来のお参りのスタイルが望めるでしょう。
しかし、土に還る埋葬とは異なる場合が多いため、土に還ることを希望している場合は特に、埋葬方法の確認が必要です。
樹木葬の埋葬方法とは?

樹木葬の埋葬方法には、代表的なものとして合祀埋葬・個別埋葬・家族埋葬があります。
合祀埋葬は、他の方の遺骨と一緒に埋葬する方法です。シンボルツリーの周囲や共同の埋葬スペースに納められるため、後から遺骨だけを取り出して別の場所へ移すことは基本的にできません。なお、ペットと一緒に埋葬できるかどうかは、霊園ごとの規定を確認する必要があります。
個別埋葬は、1人ずつ区画を分けて埋葬する方法です。大きなシンボルツリーの周囲に個別区画を設ける形式もあれば、それぞれの区画に樹木やプレートを設ける形式もあり、霊園によって埋葬方法は異なります。
ただし、個別埋葬であっても、一定期間後に合祀墓へ改葬されるプランが多いため、契約内容は事前に確認しておくことが大切です。
家族埋葬は、家族や夫婦など複数人の遺骨を同じ区画に埋葬する方法です。個別埋葬と同様に、一定期間後に合祀される場合もあります。家族分の埋葬スペースを確保する必要があるため、合祀型や個人向けの樹木葬に比べると、費用は高くなる傾向があります。
樹木葬にかかる費用

樹木葬の費用相場は約20万円から100万円と言われていますが、納骨数やお墓の立地・設置者などによって金額に違いがあります。埋葬される区画や期限によってもかかる金額は大きく変わるため、事前に確認や見学をすると良いでしょう。
費用には埋葬料以外にも、永代使用料や銘板彫刻代、年間管理料などが含まれ、契約した樹木葬のスタイルなどによっても金額は変動します。各費用の相場は、永代管理料は数万円から数百万円、銘板彫刻代は数万円から数十万円、埋葬料は数万円と言われています。
費用の中には永代使用料が含まれて表記されることが多いですが、年間管理料が永代管理料として計算されていたり、銘板彫刻代は石によって変動したりと内訳費用の目安にはばらつきあるのが特徴です。
樹木葬について決める時には、1度きりの支払いなのか追加支払いが必要なのか、確認しておきましょう。
・樹木葬の費用はどれくらい必要?およその相場と内訳や安くする方法・注意点を紹介
樹木葬によって価格が違う理由とは?

樹木葬の費用には埋葬料以外にさまざまなものが含まれるため、それらの費用によって全体の価格が変わってきます。
ここからは、樹木葬の価格を決める3つの要素を紹介します。どの要素を見直したら費用が押さえられるかの参考になるでしょう。
お墓のデザイン
シンボルツリーの下に墓石やプレートを設置するタイプの樹木葬の場合は、その墓石やプレートのデザイン・サイズなどによって費用が変わります。
シンプルなものにすることで費用を抑えられるため、樹木葬の価格が高いと感じている人はこの部分もしっかり確認してみると良いでしょう。
地価
永代使用料とはお墓の土地代のことで、立地条件や霊園・墓地の規模、形態によって価格が異なります。
一般的に都市部に近づくほど永代使用料が高くなる傾向にあり、アクセスの良い立地ほど高くなるでしょう。
また、お寺が管理・運営する寺院墓地の方が永代使用料が高くなる傾向にあり、民営墓地、公営墓地の順に安くなっていく場合が多いです。
埋葬方法
前述のとおり、埋葬方法には合祀埋葬、個別埋葬、家族埋葬があります。
合祀埋葬は、他の方の遺骨と一緒に埋葬する形式のため、比較的費用を抑えやすい傾向があります。
一方、個別埋葬や家族埋葬は、個別の区画や家族単位の埋葬スペースを確保する必要があるため、合祀埋葬に比べて費用が高くなることが一般的です。
埋葬方法によって樹木葬の価格が異なるため、埋葬方法をしっかり検討することがおすすめです。
樹木葬で使われる樹木の種類

樹木葬によく使用される樹木には、花の咲く サクラ、ハナミズキ、バラ、ヤマツツジ などがあります。季節を感じることができ、樹木葬を明るい雰囲気にしてくれます。
常緑樹では、クスノキ、モミジ、ポプラ、カラマツなどが人気です。
カラマツは、夏は新緑、秋は黄金色の紅葉、冬には落葉と、四季折々の姿を見せてくれ、モミジは秋に美しい紅葉が楽しめます。ポプラは生命力が強く、クスノキは寿命が長いことから定番のシンボルツリーとされるところがあります。
樹木葬にするメリット

樹木葬にはさまざまなメリットがあります。埋葬方法は個人で決められることではありません。時には親族への説得が必要となることがあるでしょう。親族などへ樹木葬の魅力を伝えるための情報のひとつとして参考にしてみてください。
宗旨や宗派を問われない
樹木葬では、寺院のお墓でも霊園でも、宗旨や宗派を問わずに埋葬できることが多いと言われています。
一般的なお墓の場合は、宗教から宗旨・宗派の規定があったり、檀家であるかどうかも重要になったりすることがあります。一方、樹木葬は「自然回帰」を掲げているため、宗旨・宗派を問わずに受け入れられる傾向にあるでしょう。
ただし、一部の寺院では1代限りの檀家になることや、その宗旨・宗派であることが求められるとされています。全ての寺院や霊園が宗旨・宗派を問わないとは言えないため、必ず確認するようにしましょう。
亡くなったら自然に還ることができる
故人が生前、「樹木やきれいな花に囲まれて眠りたい、亡くなったら自然に還りたい」と願っていた場合、樹木葬であればその望みを叶えてあげることができます。
樹木葬は生前契約も可能な霊園もあります。自分の意思で、生前に樹木葬を選択することも可能です。
樹木葬を申し込む手順

ここでは、樹木葬の申し込みから埋葬までの流れを見ていきましょう。
情報収集をする
まずは、樹木葬を行う墓地や霊園の情報取集や見学をしましょう。
樹木葬を行う霊園の情報収集は、インターネットや新聞の折り込みチラシなどで行うことができます。気になる霊園を見つけたら、資料請求をしてさらなる情報を集めましょう。
現地に行ってみる
情報収集をしてみて気になる場所が見つかったら、実際に現地へ行き見学しましょう。霊園や寺院に記載されている問い合わせフォームなどから、見学予約をするのがおすすめです。
現地を見学することで、WEBサイトだけでは気づけない点も見えてきます。
樹木葬は家族や親族の同意も大切です。できれば家族と一緒に見学するのが良いでしょう。
契約をする
樹木葬のタイプなどを決めたら、申し込みをして契約をします。管理料の支払い方や使用期限といった細かい契約内容も確認してから、契約書に署名を行いましょう。
一般的な墓地の利用契約と同様に、樹木葬も生前契約が可能です。お墓の使用者が申し込みをする場合は、後の手続きのために証人が求められることもあります。契約が自分たちだけで済ませられるのか、証人が必要なのかなどもしっかりと確認しておきましょう。
使用許可書を発行してもらう
契約が完了すると、墓地使用許可証が発行されます。この許可証は樹木葬を利用するにあたりとても大切な書類となるため、紛失してしまわないように保管しましょう。
この書類が発行されていないと、使用者として認められてない状態のため樹木葬ができません。
樹木葬で埋葬する手順

樹木葬で埋葬する流れを解説します。
一般的な埋葬とは大きな違いはありません。埋葬する際に必要な書類もあるため、しっかりと準備する必要があります。
死亡届を提出する
まず故人の本籍地、または、届出人の所在地の自治体に死亡届を提出する必要があります。故人が亡くなったことを知った日から7日以内に申請する必要があるため、早めに提出しましょう。
死亡届を自治体に提出することで、埋火許可証が交付されます。埋火葬許可証が交付されないと、埋葬・火葬ができません。
出典|参照:大阪府 死亡届
火葬をした後に埋葬許可書を受け取る
続いて、役所で埋葬許可証を発行してもらいます。自治体によっては埋葬する場所や日程が決まっていないと埋葬許可証の発行ができない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
自治体によっては火葬と埋葬の許可証が同一書類の場合もあります。どちらも埋葬する際に大切な書類となるため、厳重に保管する必要があります。
・埋葬許可証を紛失したらどうする?再発行の手続きを最短1日で済ませる2ステップとは?
埋葬の当日に埋葬許可書を提出する
自治体から発行された埋葬許可証は納骨する際に必要となります。
埋葬許可証を担当者に提出することで、初めて埋葬することが可能です。例え契約が完了していても、許可証を提出せずに埋葬すると問題となってしまうため注意しましょう。
樹木葬で気を付けること

故人に想いに沿えるよう、また遺族にとっても後悔のないように、埋葬することがとても大切です。契約完了後、トラブルに発展してしまわないよう気を付けることをご紹介します。
交通アクセスを確認しておく
お墓参りのことをかんがえると、どの墓地や霊園の場合でも、交通アクセスの利便性は大切なポイントとなります。
特に、里山型はより自然に近い形での埋葬となるため郊外にあることが多く、アクセスが悪い場合もあります。
家族や親族に相談しておく
樹木葬の認知は広がってきていますが、今もなお墓石を建てる従来のお墓を選ぶ方は多くいらっしゃいます。
そのため、子どもや配偶者、親族など、お墓に関わる可能性のある家族の中には、樹木葬という供養の形に戸惑いや抵抗を感じる方がいるかもしれません。
残された家族の負担を軽減したいという思いから樹木葬を選ぶ場合であっても、事前に家族や親族とよく話し合い、理解を得ておくことが大切です。
自分で植物の植え替えはできない
樹木葬では、墓標となる樹木や草花の管理を霊園や寺院が行うことが一般的です。そのため、利用者が自分の判断で植物を植え替えたり、種類を変更したりすることは基本的にできません。
また、植物である以上、季節によって見た目が変わったり、花の咲く時期とそうでない時期があったりします。こうした変化も自然の一部として受け止められるかどうかは、あらかじめ確認しておきたいポイントです。
樹木葬を選ぶ際は、どのような樹木や草花が使われているのか、管理はどのように行われるのかを事前に確認しておくと安心です。
費用を確認しておく
費用については、契約前に内容をしっかり確認しておきましょう。樹木葬では、契約時の費用だけで利用できる場合もあれば、別途管理費や埋葬手数料が必要になる場合もあります。
どのような費用が、いつ、どのくらいかかるのかを事前に把握しておくことが大切です。費用の認識にずれがあると、後々のトラブルにつながることもあるため、契約内容は曖昧にせず確認しておきましょう。
お参りの方法を事前に確認しておく
樹木葬を検討する際は、お参りの方法も事前に確認しておくと安心です。樹木葬では、一般的なお墓参りとは異なり、線香やろうそくの使用、お供えの方法などに制限が設けられている場合があります。
霊園ごとにルールが異なるため、事前に把握しておくことで、現地で戸惑わずにお参りできます。家族や親族がお参りする可能性がある場合には、その点も含めて共有しておくとよいでしょう。
埋蔵場所の表示方法を確認しておく
樹木葬では、一般的なお墓のように墓石を建てないため、埋葬場所の示し方が従来のお墓とは異なる場合があります。形式によっては、個別の区画がわかりやすく表示されるものもあれば、大きなシンボルツリーを墓標として共有するものもあります。
そのため、一般的なお墓参りに慣れている方の中には、最初は少し戸惑うことがあるかもしれません。樹木葬を選ぶ際は、どのように埋葬場所を示しているのか、現地でどのように手を合わせるのかを事前に確認しておくと安心です。
遺骨を取り出せるかどうか確認しておく
樹木葬では、埋葬方法によって後から遺骨を取り出せる場合と、取り出せない場合があります。
個別に骨壺や容器に納めて埋葬する形式であれば改葬できる可能性がありますが、遺骨を土に還す形式や、他の方の遺骨と一緒に埋葬する合祀型では、後から取り出すことは基本的にできません。
将来的に改葬を検討する可能性がある場合は、契約前に埋葬方法と遺骨の取り出し可否を確認しておくことが大切です。
宗旨や宗派の条件を確認しておく
樹木葬には、宗旨・宗派を問わず利用できるものが多くありますが、すべてが同じ条件とは限りません。寺院が運営する樹木葬では、宗派の指定があったり、戒名が必要になったりする場合もあります。
そのため、樹木葬を検討する際は、宗旨・宗派に関する条件や、無宗教でも利用できるかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
寺院の樹木葬の場合、住職に会っておく
寺院の樹木葬の場合、契約する前に、実際に寺院を訪れてその雰囲気や住職の人柄を知っておきましょう。住職の人柄を知っておくことで安心して供養を任せられます。
寺院の雰囲気や住職の人柄などは、実際に現地に行ってみないとわかりません。管理者の人柄を知ることで、大切な故人の供養を任せられるのではないでしょうか。
施設の環境を確認しておく
情報収集の際に施設についても調べて、比較するのもおすすめです。特に、遺族が年齢を重ねた時にもお参りしやすいバリアフリー設計であるかをチェックすることをお勧めします。
樹木葬の特徴を理解したうえで、自分に合った供養を選ぼう

樹木葬は、樹木や草花を墓標とする自然志向の供養方法です。
一般墓に比べて費用を抑えやすく、継承者を前提としない形式が多い一方で、埋葬方法や管理体制、宗旨・宗派の条件など、事前に確認しておきたい点もあります。
見た目の印象や雰囲気だけで選ぶのではなく、費用、供養の形、将来の改葬の可否まで含めて理解しておくことが大切です。
樹木葬の特徴を正しく知ったうえで、自分や家族にとって納得できる供養の形を選びましょう。
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