永代供養ができないのは浄土真宗ってほんと？その理由や納骨する方法などをご紹介

故人の供養ではなく、生きている人に仏様の心や願いを伝えていくため、永代にわたってお経を読んでいくのが永代経です。お墓に関わることを施設に任せる永代供養とは、意味が異なります。

また、永代経の法要は、月に一度の場合もあれば毎年春と秋のお彼岸時期に行うなど、お寺によって違うでしょう。永代供養も契約内容により、お彼岸、月命日、年忌法要は行われます。

跡継ぎがおらず先々のことが気になる場合は、宗教を問わない永代供養墓への納骨も可能です。浄土真宗のお寺の中にも納骨堂、合葬墓、樹木葬など希望する形で宗教に関係なく納骨できるところはあり、門徒にならなくても利用できます。

浄土真宗にこだわる必要がないのであれば、宗教を問わない一般的な霊園へ納骨するのも方法の1つです。いずれにせよ、お墓の種類、埋葬方法と費用も併せて検討すると良いでしょう。

浄土真宗は総本山への納骨が可能ですが、本願寺派と真宗大谷派とで場所や納め方が異なります。本願寺派の総本山は、西本願寺の名で知られる龍谷山本願寺です。菩提寺を持つ本願寺派の門徒のみ、親鸞の遺骨が納められている大谷本廟へ、分骨または全骨の形で納められます。

もう一方の、真宗大谷派の総本山は東本願寺と呼ばれる真宗本廟です。納められる遺骨の量が決まっているため、菩提寺を持つ真宗大谷派の門徒に限り分骨で納められます。

お墓を守る家族や親族がいない場合には、供養塔が設置されているお寺に納骨するのも方法の1つです。浄土真宗のお寺の中にはお墓の継承や管理、法要の悩みに応えられるよう、永代供養塔を建立し、より多くの人を受け入れられるようにした寺院も存在します。

そのため、引き取る人が誰もいない遺骨などを納めている供養塔であれば、継承者がいなくても納骨できます。

合葬墓とも呼ばれる合祀墓は、血縁関係のない方々と一緒に、シンボル下にある納骨場所へ埋葬する仕組みです。

納骨後、遺骨を取り出せないのが合祀墓の注意点と言えます。お墓の場所を変更できず遺族が後悔する可能性があるため、後でトラブルにならないよう話し合い、同意の上で決めましょう。

個々のお墓を用意しない合祀墓の永代供養費用は、5～30万円程度が目安です。ほかのお墓よりも費用面の負担は少ないでしょう。

一般的なお墓のように、個別にお墓を建てるのが永代供養の単独墓（個人墓）です。合祀しないで個別に安置できるため骨壷のまま納骨でき、個々にお参りできます。

ただし、墓石関係と永代供養費用を合わせると50～150万円程度かかるため、金額を抑えたいときには不向きでしょう。

さらに単独墓は、お墓のある施設との契約により、個別の安置期間が定められているケースが多いため、期間が決まっている場合は最終的に合祀墓へと移され供養されます。

集合墓は共有する墓標の下に個別納骨するお墓です。屋外タイプだけでなく、永代供養の納骨堂など屋内タイプもあります。

個々に納められるため、途中で遺骨を取り出せる点が合祀墓との違いです。集合墓も契約内容によっては個人利用できる期限が決まっており、安置期間後に合祀墓へ移されます。

個々の墓石を必要としない分、価格は単独墓よりは安く20～70万円程度が相場になるでしょう。

2つの宗教の大きな違いは、成仏するタイミングです。浄土真宗では亡くなった直後に成仏し、極楽浄土へ行くことができるとされています。

一方の浄土宗では、極楽浄土に到達するために、僧侶や葬儀の参列者の力が必要です。葬儀の場で念仏を唱えることにより、故人が極楽浄土へ行くのを手助けできると言われています。

極楽浄土にいる故人がさとりを開き、自分たちを見守り導く存在になれるよう行われるのが、その後の供養です。

浄土真宗の開祖は親鸞聖人、浄土宗は法然上人です。法然上、人は父の遺言をきっかけに仏教を学び、善導大師によって書かれた本に触れ、人々の救いになる念仏を伝えるため浄土宗を開きました。

その法然上人のもとで学んでいたのが親鸞聖人です。2人は朝廷の命で流罪となり、別々の場所へ送られました。流刑が解かれた後、法然上人の死を知った親鸞聖人は、関東で念仏の教えを広め始めたと言われています。

葬儀のシーンでよく出てくる「ご冥福をお祈りいたします」という言い回しを浄土宗で使うのは問題ありませんが、浄土真宗では使用しません。

冥福は亡くなった後の幸せの意味で、冥界を表す冥は成仏していない人がいる場所を指すため、即成仏の考えを持つ浄土真宗にはふさわしくないのです。

浄土真宗の方が亡くなった際に送る弔電や葬儀で弔辞を述べる場合には、考えに合う言葉を選んで使いましょう。