葬送供養のあれこれ~プロが教える豆知識~

仏壇じまいの方法。どう処分する? 注意点や、その後のご供養とは

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「墓じまい」をするなかで、「お墓だけじゃなくて、お仏壇も処分したい」という方が、増えてきました。
こうした背景には、「両親が亡くなったので、実家のお仏壇を処分したい」といった声や、「昔のお仏壇が大きいので、小さなものに買い替えたい」といった、それぞれのご事情があります。
やむを得ず、お仏壇を処分することを「仏壇じまい」と呼び、その動きは広まっています。

しかし、「仏壇じまい」をしてからもご供養は続くため、どのような形でご供養をするのがよいのか、悩まれている方も多いようです。永代供養をするのか、新しくお仏壇を買い替えるのか、「その方法がわからない」、「先祖代々のお仏壇なので、罪悪感があり処分できない」という声も聞きます。

時代とともに、ご供養のスタイルも変化しています。「仏壇じまい」をして、永代供養や手元供養などの、新しいご供養を始める方も増えています。
そうした前向きな「仏壇じまい」をするためにも、正しい方法や注意点を知り、ご自分らしいご供養を選びましょう。

今回は、「仏壇じまい」について、その方法や費用、注意点とその後の供養などを、ご紹介します。

「仏壇じまい」の3つの方法と、それぞれのメリット

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まずは、「仏壇じまい」の方法について、みてみましょう。
大きくわけると、「第三者に依頼する」か、「ご自分で処分する」かに分かれます。

【第三者に依頼する場合】

一般的に、お仏壇はその大きさや、信仰の対象となる理由から、処分などはご供養のプロに任せることが多いでしょう。
主な依頼先は、菩提寺や仏具店、ご供養の専門業者などが挙げられます。

菩提寺やお寺に依頼する

菩提寺やお寺で、お仏壇の処分をしている場合があります。
お仏壇をしまう前に行う仏事、「閉眼供養」から、お仏壇の解体・運搬まで、ワンストップで請け負ってくれることが一般的です。仏事のプロである僧侶が引き受けてくれるため、細かい点やわからない点も聞きやすく、安心して任せられる点が魅力でしょう。

最近では、檀家であるなしに関わらず、「仏壇じまい」を引き受けているお寺も増えています。
こうしたお寺に依頼する場合は、宗派の違いなどが問題にならないか、費用も含めて、相談してみましょう。

☆メリット

仏事のプロのため、安心して任せられる。
お付き合いが長い場合は、信頼関係もあるため、相談しやすい。

仏具店や専門業者に依頼

多くの仏具店が、お仏壇の処分を引き受けています。
新しいものに買い替える場合、費用が安くなるケースもあります。料金プランも明確なところが多く、費用がわかりやすい点が、メリットでしょう。

また、お寺などと提携して、お仏壇をご供養してくれる専門業者もあります。さらに、最近では遺品整理をする業者が対応してくれることもあり、選択肢は増えています。しかし、こうした業者は解体・運搬のみを受け付け、「閉眼供養」を行わない場合もあるため、よく確認しておきましょう。
そのときは、あらかじめご自分で僧侶を手配し、「閉眼供養」を行う必要があります。

☆メリット

料金設定が明確。
仏具店の場合、買い替え時に割引があるなど、サービスも充実している。

【ご自分で処分する場合】

粗大ごみとして処分する

まずは、お住まいの自治体に、粗大ごみとして出すことが可能か、確認してみましょう。
そして僧侶を手配し、「閉眼供養」を済ませてから、処分へ進みます。

仏壇は木や金具などでつくられているため、粗大ごみとして出す場合、資材を分解する必要があります。
また、その大きさや素材によっては、回収車では引き取りが難しく、ご自分で処分場まで持ち込まなければいけないケースもあります。手間はかかりますが、その分、費用は安価となっており、数千円~としている自治体が多いでしょう。
自治体のごみの分別ルールを確認し、わからない点は、問い合わせてみましょう。

☆メリット

費用が安価におさえられる。
ご自分で作業を行いたい方は納得できる。

「仏壇じまい」の注意点と費用。その後のご供養について

ここでは、「仏壇じまい」を行う際の、注意点をみてみましょう。

【閉眼供養(へいがんくよう)を必ず行うこと】

お仏壇を処分する際に、必ず行う仏事に、「閉眼供養(へいがんくよう)」があります。
仏教では、新しいお墓を建てたり、お仏壇を安置したりしただけでは、礼拝の対象物にはなりません。故人様の魂を宿すためには、「開眼供養(かいがんくよう)」を行い、ただの物から、礼拝の対象物としなければなりません。

「閉眼供養(へいがんくよう)」はその逆の仏事であり、これまで礼拝の対象物だったお仏壇を、ただの物に戻す、とても大切な仏事です。これを経て、はじめて処分できることになるため、必ず行うようにしましょう。

関連記事1:お墓じまいの法要1 「閉眼供養(魂抜き)」とは?

【費用について】

「仏壇じまい」の費用は、基本的に、お仏壇の大きさや、運搬する移動距離などによって変動します。相場は、お仏壇の「閉眼供養」から解体・運搬、ご供養(お焚き上げ)まで、ワンストップで任せられるケースで、約3~8万円いわれています。最終的にご供養される際に、合同供養にするのか、個別供養にするのかによっても、変わります。
菩提寺に依頼する場合は、地域や宗派によってお布施の相場は異なるため、相談してみましょう。

また、多くの方が、お仏壇と一緒に、お位牌や遺影などを処分されます。しかし、業者によっては、お位牌のご供養などは、別費用になっているケースがあります。提示された金額の詳細や、オプション料金の有無など、確認しておきましょう。

【「仏壇じまい」後のご供養】

ご本尊やご先祖様のおられるお仏壇に、毎日、手合わせをする方も多いですよね。
「仏壇じまい」をする際は、そのお仏壇を処分した後のご供養をどうするのか、あらかじめ決めておく必要があります。

最近では、永代供養をした上で、現代的でモダンなリビング壇に買い替えることが一般化してきました。昔ながらの大きなお仏壇ではなく、リビングなどにも置きやすい、小さなお仏壇も人気のようです。
また、骨壺を手元に置いてご供養をする、手元供養も広まっています。仏具の決まりなどもなく、自由に手合わせができる手元供養は、従来のスタイルにとらわれない点が魅力です。

後悔しないためにも、あらかじめ、「仏壇じまい」の後のご供養について、納得できるプランを考えておきましょう。
そして、後々、それらを承継するご家族がいる場合は、困らないのかなども含めて、周りにも相談してみましょう。

関連記事2:お仏壇はいる? 手元供養という選択肢

「仏壇じまい」を、“ご自分らしいご供養”の第一歩に

ご自分らしいご供養のイメージ画像

ご家族の歴史の象徴でもあるお仏壇を閉じるとき、心苦しさを感じる方も多いでしょう。
しかし、「仏壇じまい」をしたからといって、信仰心やご供養のお気持ちが、なくなるわけではありません。令和のライフスタイルにあった、新しいご供養スタイルも増えています。

お気持ちを込めた「仏壇じまい」は、ご自分らしいご供養を実現する、第一歩になるかもしれません。ご家族や周りとも相談して、進めてみましょう。

ヤシロには、お仏壇、お位牌などの商品を幅広くそろえた、「COCOテラス」がございます。「仏壇じまい」のその後のご供養について、永代供養お墓じまい手元供養などのご相談も承っております。

お仏壇のご購入やお買い替えをお考えの方や、「仏壇じまい」でお悩みの方は、ぜひ一度、ご来店ください。

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