葬送供養のあれこれ~プロが教える豆知識~

どうする? お香典を辞退されたとき

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お香典とは、その昔、不幸があった身近なお家に、食料を持参したことが由来とされています。ご葬儀には多額の費用がかかるため、助け合う意味が込められていました。やがて食料が金銭となり、ご葬儀のしきたりとして、現在へ伝わっています。

しかし最近では、ご遺族がそのお香典を辞退するケースが増えてきました。特に家族葬の場合は近親者しか参列できないため、参列者としてお香典を渡す機会そのものが減ってきています。
多種多様なご葬儀が広がるなか、昔ながらのお付き合いやマナーなども見なおされてきています。

今回は、お香典を辞退された場合について、その背景や喪主側としての伝え方、参列者側の対応の仕方などをご紹介します。

喪主として、辞退の理由と伝え方

最大の理由としては、香典返しの手間を省き、ご遺族の負担を減らすことだといわれています。
ここでは、主な辞退の理由と、喪主になった場合の、その伝え方についてみてみましょう。

【辞退の理由】

・ご遺族の負担軽減

お香典は、喪主側の費用負担を助ける目的がありますが、その一方で、受け取った側は、御礼として香典返しをする必要があります。
もしお香典を受け取る場合は、ご葬儀の当日に受付を設置し、誰がいくら包んでこられたのかを確認します。ご住所やお名前などを控え、ミスのないようにふるまわなければなりません。

ご葬儀の準備のなかで、最も気を遣う部分であり、忌明けには香典返しを行うなど、心配りが欠かせませんよね。故人様とのお別れに悲しんでいるなか、そうした配慮や作業をすることが、ストレスだと感じられているようです。

・家族葬(故人様のご遺志)などの場合

ここ数年、コロナ禍の影響もあってか、家族葬が増えています。
また、金銭的にも負担を減らせることから、故人様のご遺志として、家族葬を選ばれるケースもあります。故人様がご高齢の場合は、参列者の人数が少ないため、ご葬儀を簡素化したいと望まれるなど、ご葬儀に参列する機会も少なくなってきています。そのため、お香典を渡さずに、違う方法で弔意を示すことも珍しくありません。

この他にも、「人づきあいをする時間がない」といった、忙しい現代ならではの声もあります。昔ながらの風習が薄れていくことに、参列者からは、「さみしい」や「よそよそしい」といった声もあるかもしれません。
しかし、ご葬儀も、現代の生活様式にあった形に、日々、変化しています。ご家族の事情や昨今の状況を、心を込めて説明すれば、理解してもらえるのではないでしょうか。

【喪主としての伝え方】

では、ご自分が喪主側だった場合、お香典を辞退する旨をどのように伝えればよいのでしょうか。
一般的には、ご葬儀の案内状などで早めに知らせます。お香典だけではなく、供物や供花などを辞退したい場合も同様です。
文面には「誠に勝手ながら」や、「故人の遺志により」といった言葉を添えると、より丁寧でしょう。

≪文例≫

「誠に勝手ながら、御香典の儀は固くご辞退申し上げます」
「○○の遺言通り、家族のみで葬儀を行いますので、ご会葬(参列)および御香典につきましては、辞退させていただきます」
「故人の遺志により、御香典は辞退させていただきます」

※お香典や供物、供花の全てを辞退する場合
「ご厚意辞退申し上げます」
「御香典 供花 お供え物の儀は 固くご辞退申し上げます」

 
なお、お別れの会のような場面では、会費制をとっている場合もあります。その際も案内状には、「会費制のため、御香典は辞退します」と、明記しておきましょう。

葬儀会場で、当日に案内をする場合は、受付に香典辞退の看板を立てておきます。
受付担当者は、香典を渡そうとする参列者に、口頭でその旨を伝えます。その際は、曖昧な表現は避けつつ、丁寧な対応で香典辞退を伝えましょう。

参列者として、弔意(ちょうい)を示したいとき

香典辞退-2

一般的には、お香典を辞退されたときは、持参しないのがマナーです。
できるだけ、ご遺族の負担にならないように、参列者もふるまいましょう。その場で無理に渡そうとするのではなく、先方のお気持ちに理解を示すことが大切です。
もし、「それでは気持ちがすまない」と思う場合は、他の方法で、弔意を示されることをおすすめします。

ここではお香典を渡さない場合、どのように弔意を示すことができるのか、みてみましょう。

・供物や供花を辞退していない場合

お香典は辞退していても、供物や供花は受け取ってくれるケースがあります。
その際は、葬儀会場へお供え物などをお送りすることで、弔意を示すことができます。もしくは、当日の受付で、その旨を伝え、葬儀社に手配を依頼します。

主なお供え物の種類としては、お線香やロウソク、日持ちのよいお菓子などです。また、供花としては、菊や胡蝶蘭、カーネーションなどが定番です。
最近では、フラワーアレンジメントのようなバスケットで渡すこともありますが、カジュアルすぎると思われる恐れもあります。
くれぐれも、故人様との関係性を考慮した上で判断しましょう。

・全てを辞退されている場合

ご葬儀に参列できた場合は、何もせずに、先方のご意志を尊重しましょう。
家族葬などで参列できなかった場合は、後日、お悔やみのお手紙をそえて、お花や菓子折りなどをお送りすることが、一つの方法としてあげられます。

四十九日法要やお盆、お彼岸など、故人様をしのばれるタイミングにあわせて、手配してもよいでしょう。

・後日、弔問する場合

ご葬儀に参列できなかった場合、後日、弔問する方法もあります。
その際は個人的な訪問になるため、ご遺族に事前に連絡をして、弔問が可能かお伺いする必要があります。
弔問できる場合、手土産は必ずしも必要ではありませんが、持参する際は、お菓子や果物などを選ばれる方が多いようです。

・季節の贈り物をする場合

ご葬儀に参列できず、供物などを送る機会を逃した場合や、後日の弔問もかなわない場合は、お悔やみのお手紙を添えて、お中元やお歳暮などをお送りします。

その際は、故人様宛ではなく、そのご家族宛にし、お相手の忌中があけるまで待つのがマナーです。
一般的な熨斗や、御祝いごと・おめでたい表現は避け、できるだけお相手のお気持ちに寄り添った言葉を、かけるようにしましょう。

 
なお、弔電を送るケースもありますが、お香典を辞退されている場合は、弔電の辞退も多いようです。必ず先方のご意志を、事前に確認しておきましょう。

いずれも、ご遺族に御礼やお付き合いのお手間をおかけすることにもなりかねないため、そのときの状況や、故人様との関係性などを考えた上で、失礼のないように気をつけましょう。

※一部の宗派や地域などによって、忌明けの日数は異なります。贈り物のタイミングやマナーは異なる恐れがあります

心をこめて伝えよう

香典辞退-3

最近のご葬儀でよく見かける「お香典の辞退」ですが、参列者にとっては、本当に持参しないで大丈夫なのかと、不安になってしまいますよね。
しかし、今後も家族葬は増えていくといわれているため、こうした状況は一般化していくかもしれません。また、弔意を示す機会は、別の形で訪れる可能性もあります。
そのときは、マナーを守りつつ、心をこめて感謝の気持ちを伝えましょう。

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