葬送供養のあれこれ~プロが教える豆知識~

ご葬儀・法要で使う、「のし」はどれ?

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皆さん、親戚や知人の訃報にふれたとき、慌ててしまったという経験はありませんか。急にご葬儀や法要の案内がきた場合、喪服やお香典など、準備がたくさんありますよね。特にお忙しい方だと、お香典の相場を、「直前で調べた」なんて声も聞こえてきそうです。
日本には古くから、弔い事の場では、お悔やみ金(お香典)やお供え物を包み贈るという、しきたりがあります。これは故人様の、ご冥福を祈ってのことです。
しかし意外と多いのが、お香典やお供え物について「どの袋(柄)を選べばいいのか?」「表書きはどう書くの?」などの悩みです。
今回は、弔事で用いる「のし」について、詳しくご紹介します。

「のし」の由来とは

葬儀・法要で使う「のし」画像01

実は「のし」とは、結婚式などで使う祝儀袋の右上にある、小さな飾り(折り紙)を指します。これは昔、干して伸ばしたアワビ(ノシアワビ)を、お祝い事の贈り物に添えた慣習が由来となっています。本来、お祝い事ではない、弔事やお見舞いのときには、「のし」はつけません。なぜなら仏教界では、アワビを含めた肉や魚などの生臭物(なまぐさもの)を摂取するのは、殺生と考えられているからです。そのため、葬祭で用いる「御香典」や「御霊前」のお包みには、「のし」はついていません。
これは包み紙(掛け紙)も同じです。皆さん、法要のためのお供え物などに、水引と表書きだけがプリントされた包み紙がかかっているのを、見たことがありますよね。これは「弔事用ののし紙」と言われ、デパートなどで買い物をする際も目にしたり、言葉を聞いたりしたことがあると思います。しかし実は、その包み紙には、本来の「のし」の印刷はありません。今では「のし」の定義も変化していますが、本当の「のし」は、慶事だけに用います。

弔事用の「のし」とは

葬儀・法要で使う「のし」画像02

ではご葬儀や法要の際に使う、「のし」についてみてみましょう。
まず気になるのが、お香典の包みです。一般的には、葬祭のときに使うお香典用の包みを、「不祝儀袋」と呼びます。不祝儀袋は、水引がついた表書き用の袋(外袋)と、白い中袋の2点がセットになっています。現金は、中袋に入れてから、不祝儀袋に包みます。
水引が印刷された略式のものから、豪華なものまで、色々な種類があります。参列するご葬儀の宗教に合わせて選びますが、金額が高額になるほど豪華なものを選ぶため、注意してください。

次に、葬祭用の決まりを知るために、不祝儀袋について説明します。
お供え物に使う掛け紙については、水引や表書き、お名前などのルールが、不祝儀袋とほぼ共通しています。お相手の宗教や、用途などに合わせて使い分けましょう。

【不祝儀袋】
・外袋の表側

葬儀・法要で使う「のし」画像03-1

〇水引…結び方は、「不幸が二度と起こらないように」と、ほどけない結び切りを使います。水引の色は、白黒(しろくろ)か銀一色の双銀(そうぎん)が一般的とされ、関西では白黄(しろき)も多く見られます。

〇表書き…基本的に、参列するご葬儀の宗教に合わせて選びましょう。仏式では、ご葬儀は「御香典/御香料」、四十九日以降は、「御仏前」とします。神式では「御玉串料/御榊料」など、キリスト教では「お花料」などとされています。
※お供え物の掛け紙では、「御供/御仏前/御佛前」、お返しの品は「志/粗供養/〇周忌/〇回忌」などになります

〇お名前…フルネームで水引の下、中央に書きます。ボールペンは使わずに、薄墨の筆ペンなどで書きましょう。これは、「悲しさから涙で、文字も薄くなってしまいました」という気持ちを表します。
連名で贈るときは、2名のときは中央に書き、3名のときは中央から左へ書いていきます。全てフルネームで書き、右側が目上の人になるようにします。4名以上のときは、代表者の名前を中央に書き、「外一同/他一同」などと、その左下に書き添えましょう。
※関西方面では、薄墨ではなく、普通の濃さで書く場合もあります

〇紙…白無地が基本です。蓮の花など絵柄がプリントされたものは、仏式でのみ使いましょう。キリスト教では、十字架や白百合が印刷されたものもあります。

・外袋の裏側

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〇重ね方…上側をかぶせて、水引をかけます。慶事とは逆のため、要注意です。

〈中袋〉

葬儀・法要で使う「のし」画像03-3

〇書き方
・表側…中央に大きく、金額を書きます。数字ですが、弔事には死を連想させる4や9は使いません。また、6は切りが悪いため、あまり好まれません。漢字は書き換えを防ぐため、「壱・弐・参」などの大字(だいじ)を使いますが、最近は普通の漢字を使う人も増えています。
・裏側…中央に、郵便番号からご住所、そして小さくお名前を書きましょう。喪主の方がお香典を確認する際に必要となるため、必ず記載するようにします。

〇お札の入れ方…肖像の部分が表側から見えないように入れます。数枚あるときは、向きはそろえます。弔事の場合、新札が気になるときは、縦に一度折って、折り目をつけてから入れましょう。

※宗派や地域などによって、書き方やマナーが異なる場合があります

葬祭でのお付き合いも大切に

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最近では冠婚葬祭にまつわる慣習も、略式化されることが多いようです。しかし、ご葬儀や法要などのお付き合いは、故人様とのご縁を再認識する場でもあります。皆さん、簡単に済ませるのは忍びない、大切にしたいという気持ちも大きいようです。その想いと共に、ご供養にも向き合っていきたいものですね。

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