葬送供養のあれこれ~プロが教える豆知識~

お盆の始まり、盂蘭盆会(うらぼんえ)

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毎年のことですが、夏になると熱中症対策が注目されますね。
水分補給のドリンクに帽子や日傘など、この時期はどこへ行くにも手離せません。特に夏休みはプールや海水浴場などが混雑するため、遊びに行く時も、事故にならないように十分に注意したいものです。
さて、夏といえばお盆、ご先祖様をお迎えする大切な仏教行事です。幼い頃は祖父と一緒に盆棚(ぼんだな)といって、帰ってきた祖霊たちをもてなすための棚を用意していました。
今ではもう見かけることも少なくなってきましたが、霊があの世との往復に使うとされる馬や牛を模して、ナスやキュウリに足をつけて置き、果物や花を供えます。不器用だったため、うまく足を作れずに野菜のオブジェみたいになってしまい、母に笑われたものです。
今思えば、これも家族団らんの幸せな時間だったのかもしれません。
今回は、真夏の行事である“お盆”についてご紹介します。

盂蘭盆会(うらぼんえ)とは

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お盆は、古くは旧暦7月15日を中心に行われており、正式名称を“盂蘭盆会(うらぼんえ)”といいます。聞きなれない言葉に少し戸惑いますが、実は古代インドのサンスクリット語の「ウラバンナ」を語源としており、“逆さ吊り”という意味を持っています。こう聞くと驚きますが、これには中国の仏教の、ある教えが由来しています。
お釈迦様の十大弟子の一人である目連(もくれん)は、神通力の持ち主。ある時、その力で自分の亡き母親が飢鬼道(がきどう)に落ちて苦しんでいるのを見つけます。常に飢えと渇きに苦しみ、逆さ吊りにされている姿を不憫に思い、何とか助けようとお釈迦様に相談をしに行きました。お釈迦様は、「7月15日に90日間の修行を終えた修行僧たちが集まるので、たくさんのご馳走をふるまい供養しなさい」と説きます。目連がその教えを実践すると、その功徳によって、母親は極楽往生が遂げられたといいます。
さらにお釈迦様は、「7月15日に色々な飲食を盆にもって、大勢の人たちに供養すれば、その功徳によってご先祖様が苦しみから救われ、今生きている人も幸福を得ることができる」と述べます。これがきっかけで、人々はこの時期に盂蘭盆会の行事を行うようになりました。
それが日本に伝わり、古くからあった祖霊信仰と結びつき、現在の形になります。日本では昔から、死者や精霊を「みたま」として祀るだけではなく、生きている両親を「生き身魂(いきみたま)」といい、両親にもご馳走をお供えしていました(贈答とする場合もあります)。「お盆」とは、それらを乗せて“お供えした器”に由来するという説もあります。
私たちが知るしきたりは、中国からの仏教の教えと、日本独自の色々な信仰が結びついたものだったのですね。

お中元とのつながり

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お盆の時期になると、お世話になった方へお中元を贈る方も、多いのではないでしょうか。
実は“中元”とは、中国の三大宗教の一つである、「道教(どうきょう)」を起源とします。
道教には、神様にお供え物をささげてお祝いをする“三元(さんげん)”という節句の日があり、主に厄払いや神様を祝う行事として知られていました。上元(じょうげん)が1月15日、中元が7月15日、下元(かげん)が10月15日と、いずれも中国の道教では大切な日でした。
この中元の風習が日本に伝わった頃、旧暦の7月はお盆の時期でした。そのため、もともと日本にあった、お盆の間に親族を訪ねて贈答品を交わす風習や、先でも述べたように、両親を「生き身魂(いきみたま)」として、贈り物を捧げる習俗とも融合していき、現在のお中元へつながったと考えられています。
今ではお中元の時期は地域によって異なり、かつては小麦粉や白米などが多かった贈り物も、産地直送品やビールなど、幅広く自由な内容になっています。関西では7月初旬~8月15日までとされ、この時期を過ぎて贈り物をする場合は、「残暑御見舞」とするのが一般的だそうです。

お盆だからこそお墓参りへ

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日本では、どれだけ忙しくても“お正月とお盆休みは墓参り”、というのが昔からのしきたりですよね。普段はなかなか会えないご家族がいたとしても、この時ばかりはゆっくりと一緒に過ごしたいものです。
当社の霊園にも、故人様にお会いにたくさんの方がお墓参りに訪れてくださいます。そのお姿を垣間見ていると、お盆はご家族の絆を再確認し、ご先祖様へ思いをはせるなど、特別な時間が流れていることを実感します。普段は話題になりにくい家の歴史も、お墓参りを機に、家族で振り返ることができるかもしれません。暑さ対策をした上で、ぜひご寺院や霊園へ出かけてみてくださいね。
また、永代供養やお墓のことでお困りの方がいれば、当社へご相談ください。皆様からのご連絡を、心よりお待ちしております!

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